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タイムリミット 2
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国王と第一王子に虐げられた者たちを
救助回復する役目に、ヒューゴ、
ギーニ、マコト、キオナの4名。
第二王子に協力要請、説明に
プーエル・ベアラ・リストン、
シューガー・ソリトル伯爵、
リームの3名。
プーエルが、第二王子は信頼に値するお方だ
と言う言葉を信じての人選だった。
万が一、ダメだった場合リームがヒト型を
解き、お城ごと潰しちゃおうという、
はちゃめちゃな計画であった。
たった1日という短期決戦にした訳は、
ハルトに飲ませた睡眠薬が、1日しか
持たないからだった。
ハルトが目覚めた時には、全てが終わり
ハルトの目の前に居てあげたいという
ヒューゴのワガママな要望を皆が
叶えてくれようとしていた。
既に半日近く経っていた。
キオナの案内でヒューゴ、ギーニ、マコトは
ナスカン・クローマク・リストン国王と
カスタン・ボーゲン・リストン第一王子が
ほぼ毎日使用している悪趣味な装飾や玩具が
多数ある立派な"遊戯室"に向かった。
遮音や気配を消した。
中から漏れる声は、楽しむ2人の声と掠れた
悲鳴に近い叫び声が聞こえていた。
ドアの隙間から、眠りの香を入れ地下牢に
近い状態の檻にほぼ裸体に近い状態の者が
数人ずつ押し込められていた。
ベッドはなく、汚れた布の上に精液や血の跡…
傷だらけのものばかりいた。
「これは、酷すぎる…。」
「あっ…。」
「どしたの?キオナ?」
「い、イエ…。」
最悪の環境のほぼ地下牢…。
犯罪人用の檻の方が幾分、衛生状態が良いように
思えた場所。一番奥の檻には3人の傷だらけの
人物が横たわっていた。
まるで死人のようだと思ったのは、
キオナだけではないと思う。
皆、一瞬言葉を失ったからだ。
身体にはこれ以上傷付ける場所がないくらい
傷と、こびり付いた臭い白く濁った液体。
虫が湧いていた。
「ご、ごめんなさい…ごめんなさい。」
「……キオナ?」
マコトとキオナがお城から逃げ出す際に
利用した食材を運んでいた荷馬車の御者と
厨房の人たちだった。
3人はキオナとも顔見知りで、いじめられて
ご飯が食べれない日が続いた時もあったが
この3人にはキオナにとって優しく
接してくれた者たちばかりだった。
微かに息はあるが、瀕死に近い状態だった。
檻に閉じ込められた者は20人近くいた。
奥に行くほど状態が悪かった。
マコトは泣いているキオナを後ろから
抱きしめた。
「今、助けるから。皆を助けるから。
"クリーン""ディスペル""キュア"それから
皆、"助かれ"、"回復"、"治癒"、'きれいになれ"
"浄化"…"助かってくれ"、お願いだ……。」
「マコト…様」
マコトが言葉を発する毎に大量の魔力が
紡ぎ出され、傷を負った者達に
吸い込まれていった。
痛めつけられ者たち…。誰かの気配を感じると
ここにいる者たちは、自分が選ばれないように
そっと目を閉じ身動ぎしなかった。
少し触れただけでも、酷く怯え絶望を宿した
目をしていた。
檻は壊れ、ほぼ裸体の者たちは、泣いている
マコトの姿を見て"チャベツ神""チャベツ神の
化身""天使様"と口にしたり、拝んでいた。
「君たちが神子と保護者達かな?」
「「「……。」」」
救助回復する役目に、ヒューゴ、
ギーニ、マコト、キオナの4名。
第二王子に協力要請、説明に
プーエル・ベアラ・リストン、
シューガー・ソリトル伯爵、
リームの3名。
プーエルが、第二王子は信頼に値するお方だ
と言う言葉を信じての人選だった。
万が一、ダメだった場合リームがヒト型を
解き、お城ごと潰しちゃおうという、
はちゃめちゃな計画であった。
たった1日という短期決戦にした訳は、
ハルトに飲ませた睡眠薬が、1日しか
持たないからだった。
ハルトが目覚めた時には、全てが終わり
ハルトの目の前に居てあげたいという
ヒューゴのワガママな要望を皆が
叶えてくれようとしていた。
既に半日近く経っていた。
キオナの案内でヒューゴ、ギーニ、マコトは
ナスカン・クローマク・リストン国王と
カスタン・ボーゲン・リストン第一王子が
ほぼ毎日使用している悪趣味な装飾や玩具が
多数ある立派な"遊戯室"に向かった。
遮音や気配を消した。
中から漏れる声は、楽しむ2人の声と掠れた
悲鳴に近い叫び声が聞こえていた。
ドアの隙間から、眠りの香を入れ地下牢に
近い状態の檻にほぼ裸体に近い状態の者が
数人ずつ押し込められていた。
ベッドはなく、汚れた布の上に精液や血の跡…
傷だらけのものばかりいた。
「これは、酷すぎる…。」
「あっ…。」
「どしたの?キオナ?」
「い、イエ…。」
最悪の環境のほぼ地下牢…。
犯罪人用の檻の方が幾分、衛生状態が良いように
思えた場所。一番奥の檻には3人の傷だらけの
人物が横たわっていた。
まるで死人のようだと思ったのは、
キオナだけではないと思う。
皆、一瞬言葉を失ったからだ。
身体にはこれ以上傷付ける場所がないくらい
傷と、こびり付いた臭い白く濁った液体。
虫が湧いていた。
「ご、ごめんなさい…ごめんなさい。」
「……キオナ?」
マコトとキオナがお城から逃げ出す際に
利用した食材を運んでいた荷馬車の御者と
厨房の人たちだった。
3人はキオナとも顔見知りで、いじめられて
ご飯が食べれない日が続いた時もあったが
この3人にはキオナにとって優しく
接してくれた者たちばかりだった。
微かに息はあるが、瀕死に近い状態だった。
檻に閉じ込められた者は20人近くいた。
奥に行くほど状態が悪かった。
マコトは泣いているキオナを後ろから
抱きしめた。
「今、助けるから。皆を助けるから。
"クリーン""ディスペル""キュア"それから
皆、"助かれ"、"回復"、"治癒"、'きれいになれ"
"浄化"…"助かってくれ"、お願いだ……。」
「マコト…様」
マコトが言葉を発する毎に大量の魔力が
紡ぎ出され、傷を負った者達に
吸い込まれていった。
痛めつけられ者たち…。誰かの気配を感じると
ここにいる者たちは、自分が選ばれないように
そっと目を閉じ身動ぎしなかった。
少し触れただけでも、酷く怯え絶望を宿した
目をしていた。
檻は壊れ、ほぼ裸体の者たちは、泣いている
マコトの姿を見て"チャベツ神""チャベツ神の
化身""天使様"と口にしたり、拝んでいた。
「君たちが神子と保護者達かな?」
「「「……。」」」
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