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渦の先

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光の渦が巻き起こり、屋敷内は
騒がしくなった。
侯爵を筆頭に誰もが息をのみ、驚いた。
澄み切った水を称えたような瞳、
ぷっくりしたほっぺ、艶やかな黒い髪の毛。
この世界の綺麗なキラキラを集めたような
白い肌にウロコをもつ尻尾。
同じく艶やかな小さな黒い翼を
パタパタ羽ばたかせていた。
「「「「「……。」」」」」
「か、可愛い。」
「キュイ~。」
「キュッキュッキュ。」
「キュイがお母さんみたいだね。」
キュイが寝ていたピクニック用の大きなカゴに
ムギュっと入る2匹?2頭のドラーゴン・ゾーラ?
産まれた赤ちゃんは、顔が人間だから……。
獣人族?になるのか?
考えていると、リームが呟いた。
「強いはずのキュイが動けず、やられて
しまったのは、タマゴを産んだからか?
この子は、俺らの子ども……。」
「えっ?」

リームの説明では数百年に一度脱皮をしたり、
長期間(6日から14日間)数回にわけ
交尾をしタマゴを産んだ時に、一時期無抵抗、
無気力になるらしい。
運悪く、キュイはタマゴを産む直前に襲われ
交尾が終わったリームは、キュイの為に
魔力を帯びた木の実や、葉っぱなど集めていたらしい。
キュイは敵から逃げ出しタマゴを生んだ後に
さらに襲われ命からがらたどり着いたのが、
カナップのフワ畑。巣にいないキュイを探し
キュイの血で染めたモノに怒りを覚え
我を失ってしまったらしい。
本能的に助けを求め、タマゴ状態のリームと
キュイのタマゴは、魔力の波長が合うハルトを選び
自ら受信機の役割をし、キュイの声をハルトに
繋いだ…かもしれない。

リームとキュイのタマゴにハルトとヒューゴの
愛情、魔力、精子を注いだために、4人の親から
色と力などを受け継いだ、可愛い赤ちゃんが
誕生したのだった。
「親が4人、可愛い。」
「名前かんがえないとな。」
「……。」
「キュイ。」
「キュピ。」
リームは、嬉し泣きをしキュイと赤ちゃんに
頭をクシャクシャにされていた。
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