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身体を動かそう。
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*正道晴人目線~
5日も寝ていた?
ドロドロの液体の正体は、薬草粥だと
教えてもらった。
しかも、どうやら高価なものらしい。
雪が降り積もる高い山だけに生える薬草。
しかも崖で日陰の分かりにくい場所に生える薬草。
飛竜の縄張りにもなっているので、
数少ない竜騎士に採取依頼をし
一年に数回しか取れない貴重な薬草、竜草が入った
お粥だった。
甘々草と呼ばれる水辺に生える薬草も、
単体で生えるため数が少なく、人気の薬草で
手に入りにくい薬草だった。
それらを入れて、子どもに食べやすくした
お粥がこの薬草粥だった。
匂いさえ無視出来たら、甘くて美味しい
スイーツになるだろう。
それにしても先程のやり取りを思い出し
俺は枕に顔をうずめていた。
恥ずかしい。
・
・
・
「あ、あなたは……。」
掠れた声、先程より出るが喉が痛い。
「な、なんでしょう……?」
複雑そうな表情をした大きな男は、
身体を丸める様な仕草をした。
「べ、ベアラだ。き、君は……。」
前かがみになり、何か苦しそうだ。
そっか、5日間も意識のない俺を
助けてくれた。命の恩人。
「……。」
お礼を言わなきゃ、助けてくれて
ありがとう。あと、そばにいてくれて
ありがとう…。
「無理ならいい…。身体は少しずつ、ゆっくり
治していこう。」
優しい人だ。
「ベアラさん、ありあと……。」
かすれ声、なぜか言葉が詰まった。
しかも、ありあと…って、かんでしまった。
「……可愛過ぎだろ。ヤバイ。」
小声であまりの早口に、何を言うていたのか
聞き漏らしてしまった。
なんて言ったのか、聞きかえそうかどうか
迷いベアラさんを見つめていた。
「な、何か、とってくる。」
足早に、ベアラさんは部屋を出てしまった。
小屋の扉を開ける音がした。
ちゃんとお礼を言えなかったし、あんなとこで
噛んでしまうなんて…。
しかも、大きな男にディープキスされたんだよな。
うわぁ…かなり恥ずかしい。
そういえば、首を動かすのも痛かったのに
薬草粥のおかげ?なのか……。
身体の痛みが和らいだ?
俺は今寝返りをして、うつ伏せにできてる。
試しな腕を伸ばしてみた。
鈍い痛みはあるものの、我慢できる範囲だ。
片方ずつ腕を曲げたり伸ばしたりした。
足も伸ばそう。
俺は今、うつ伏せで丸まった状態だ。
お尻を持ち上げると、同じく鈍い痛みはあるが
大丈夫だった。
片方ずつ足をゆっくり伸ばしていた。
もう一度、丸まり背筋を伸ばしたり
まるまったりを繰り返していた。
はぁー、疲れたなぁ。身体が鈍ってる。
全身筋肉痛のような痛みとダルさだ。
「休憩、休憩。」
小さく呟きながら俺は、片足を
伸ばしたまま横になった。
ガチャ。
「……はぅっ。んっ。」
バタン。
ベアラさんが前屈みになった瞬間
バランスを崩したのか倒れてしまった。
「べ、ベアラさ…ん…。大丈夫ですか?」
俺は、ベッドから降りると5日も寝ていたからか
足元がフラフラしカクッとなり、
ベアラさんに覆いかぶさる様に
倒れ込んでしまった。
「……。」
その際、不幸な事にベアラさんの
頭をまたぐように倒れ込んでしまった。
「ご、ごめんなさい。い、いやちがうな、
すみません。す、すぐにどきます。」
「……。」
ベアラさんは、俺のせいで顔面を
ぶつけてしまったのか、鼻から鼻血が
流れ出ていた。
5日も寝ていた?
ドロドロの液体の正体は、薬草粥だと
教えてもらった。
しかも、どうやら高価なものらしい。
雪が降り積もる高い山だけに生える薬草。
しかも崖で日陰の分かりにくい場所に生える薬草。
飛竜の縄張りにもなっているので、
数少ない竜騎士に採取依頼をし
一年に数回しか取れない貴重な薬草、竜草が入った
お粥だった。
甘々草と呼ばれる水辺に生える薬草も、
単体で生えるため数が少なく、人気の薬草で
手に入りにくい薬草だった。
それらを入れて、子どもに食べやすくした
お粥がこの薬草粥だった。
匂いさえ無視出来たら、甘くて美味しい
スイーツになるだろう。
それにしても先程のやり取りを思い出し
俺は枕に顔をうずめていた。
恥ずかしい。
・
・
・
「あ、あなたは……。」
掠れた声、先程より出るが喉が痛い。
「な、なんでしょう……?」
複雑そうな表情をした大きな男は、
身体を丸める様な仕草をした。
「べ、ベアラだ。き、君は……。」
前かがみになり、何か苦しそうだ。
そっか、5日間も意識のない俺を
助けてくれた。命の恩人。
「……。」
お礼を言わなきゃ、助けてくれて
ありがとう。あと、そばにいてくれて
ありがとう…。
「無理ならいい…。身体は少しずつ、ゆっくり
治していこう。」
優しい人だ。
「ベアラさん、ありあと……。」
かすれ声、なぜか言葉が詰まった。
しかも、ありあと…って、かんでしまった。
「……可愛過ぎだろ。ヤバイ。」
小声であまりの早口に、何を言うていたのか
聞き漏らしてしまった。
なんて言ったのか、聞きかえそうかどうか
迷いベアラさんを見つめていた。
「な、何か、とってくる。」
足早に、ベアラさんは部屋を出てしまった。
小屋の扉を開ける音がした。
ちゃんとお礼を言えなかったし、あんなとこで
噛んでしまうなんて…。
しかも、大きな男にディープキスされたんだよな。
うわぁ…かなり恥ずかしい。
そういえば、首を動かすのも痛かったのに
薬草粥のおかげ?なのか……。
身体の痛みが和らいだ?
俺は今寝返りをして、うつ伏せにできてる。
試しな腕を伸ばしてみた。
鈍い痛みはあるものの、我慢できる範囲だ。
片方ずつ腕を曲げたり伸ばしたりした。
足も伸ばそう。
俺は今、うつ伏せで丸まった状態だ。
お尻を持ち上げると、同じく鈍い痛みはあるが
大丈夫だった。
片方ずつ足をゆっくり伸ばしていた。
もう一度、丸まり背筋を伸ばしたり
まるまったりを繰り返していた。
はぁー、疲れたなぁ。身体が鈍ってる。
全身筋肉痛のような痛みとダルさだ。
「休憩、休憩。」
小さく呟きながら俺は、片足を
伸ばしたまま横になった。
ガチャ。
「……はぅっ。んっ。」
バタン。
ベアラさんが前屈みになった瞬間
バランスを崩したのか倒れてしまった。
「べ、ベアラさ…ん…。大丈夫ですか?」
俺は、ベッドから降りると5日も寝ていたからか
足元がフラフラしカクッとなり、
ベアラさんに覆いかぶさる様に
倒れ込んでしまった。
「……。」
その際、不幸な事にベアラさんの
頭をまたぐように倒れ込んでしまった。
「ご、ごめんなさい。い、いやちがうな、
すみません。す、すぐにどきます。」
「……。」
ベアラさんは、俺のせいで顔面を
ぶつけてしまったのか、鼻から鼻血が
流れ出ていた。
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