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18、5年後
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アーロン王子は毎日魔石に、自分の魔力を
限界ギリギリまで貯めていた。
魔石専用の部屋には床から天井の高さまで
きれいに積み上げられた魔石が並んでいた。
日本からエドリックが連れて来てくれた
リリーたちを中心とした7人は、
それぞれ離宮を拠点に町や村に赴き、
町や村人たちの髪の毛から服装関連を整え、
生活環境を変えていこうとしていた。
王宮は、相変わらずアーロン王子が
王に危害を加え反乱を起こすと
吹聴されており、幼いアーロン王子を
悪しき者のように言われていた。
幼い頃から離宮に閉じ込められていた為
成長したアーロン王子の顔を知るものは
ごくわずかだった。
王宮からの見張りはあるものの
アーロン王子の強力な結界にはばまれ
見張りは離宮を遠くから見るだけに
なっていた。
アーロン王子を閉じ込めた当初は、
見張りの者たちに王が安心するまで
アーロン王子の詳細を報告させられたが
機嫌が悪くなる王に、見張りの者たちの
報告は、徐々に当たりさわりのない
内容のものとなっていった。
次第に毎日の報告から数日おき
週に一度から半月、半月からひと月の
ウソ偽りの報告となっていった。
王は、離宮の周辺に張り巡らせられた
アーロン王子の結界の事はもちろん
アーロン王子と懇意にしている
貴族たちの事など、何も知らなかった。
アーロン王子は11歳になり、身体の
弱かった王妃は心身ともに良くなっていた。
王妃とアーロン王子は、身分に囚われず
人を雇い、仕事を与え王宮にいる
王妃派とともにじわじわと勢力を
広げていったのだった。
魔石も貯まったし今度は自分自身行こう。
アーロン王子は魔石の部屋に魔法陣を
展開し、5年前エドリックを送った
異世界(日本)のとある場所に降り立った。
最後に召喚した人物こそが、アーロン王子が
一番会いたかった人物だったからこそ
今度こそ自分で迎えに行こうとした。
***
その頃、桃村 そらは
「ソラ、そちらに1匹行ったぞ。」
「えっ?えっ待って、属性が……。」
「ソラさん、危ない!!我が魔力をかてに
凍てつけ*アイス、バーン*。」
*"アイスバーン"凍った路面のことを指し
滑るので大変危険です。ウフフ
ここでは、氷魔法の呪文イメージ
(桃村そらのイメージ)で音のヒビキだけ
気に入ったカリンが編み出した独自の
氷魔法の呪文だった。
「アイスって言った段階で、凍っていたよね。」
「カリンちゃん、あ、ありがとう。」
「えへへ。」
「えへへ。じゃないよカリン。せっかくの
獲物がバラバラじゃないか。」
「まあまあ。ケイル落ち着いて。小さな
つのうさぎとか狩れたし、このボア
かなり大きいから切る手間も省けたしね。」
「……。」
薬草や食べれる野草摘みをしていた
桃村そらは、かなり魔力はあるのだが
普段回復魔法中心で、攻撃魔法は
あまり使いたくないのかニガテだった。
とっさに攻撃魔法が思いつかなかった
事もあり、どれだけ危険だったのかと
獲物の皮は高く買い取って貰えるので
バラバラになった獲物は、もちろん
買い取り不可な状態だった。
ケイルのお説教はしばらく続いていた。
桃村そら、ケイル、カリンの3名は
あの囚われていた館を出て、小さな町の
冒険者ギルドで登録したのだった。
SランクからFランクの7ランクで
桃村そら、ケイル、カリンのそれぞれの
ランクはDランクだった。
あちこちの小さな村や町を選び
長くても数週間の滞在で拠点を変えていた。
訳ありの3人はのんびりと冒険者として
生活していたのだった。
限界ギリギリまで貯めていた。
魔石専用の部屋には床から天井の高さまで
きれいに積み上げられた魔石が並んでいた。
日本からエドリックが連れて来てくれた
リリーたちを中心とした7人は、
それぞれ離宮を拠点に町や村に赴き、
町や村人たちの髪の毛から服装関連を整え、
生活環境を変えていこうとしていた。
王宮は、相変わらずアーロン王子が
王に危害を加え反乱を起こすと
吹聴されており、幼いアーロン王子を
悪しき者のように言われていた。
幼い頃から離宮に閉じ込められていた為
成長したアーロン王子の顔を知るものは
ごくわずかだった。
王宮からの見張りはあるものの
アーロン王子の強力な結界にはばまれ
見張りは離宮を遠くから見るだけに
なっていた。
アーロン王子を閉じ込めた当初は、
見張りの者たちに王が安心するまで
アーロン王子の詳細を報告させられたが
機嫌が悪くなる王に、見張りの者たちの
報告は、徐々に当たりさわりのない
内容のものとなっていった。
次第に毎日の報告から数日おき
週に一度から半月、半月からひと月の
ウソ偽りの報告となっていった。
王は、離宮の周辺に張り巡らせられた
アーロン王子の結界の事はもちろん
アーロン王子と懇意にしている
貴族たちの事など、何も知らなかった。
アーロン王子は11歳になり、身体の
弱かった王妃は心身ともに良くなっていた。
王妃とアーロン王子は、身分に囚われず
人を雇い、仕事を与え王宮にいる
王妃派とともにじわじわと勢力を
広げていったのだった。
魔石も貯まったし今度は自分自身行こう。
アーロン王子は魔石の部屋に魔法陣を
展開し、5年前エドリックを送った
異世界(日本)のとある場所に降り立った。
最後に召喚した人物こそが、アーロン王子が
一番会いたかった人物だったからこそ
今度こそ自分で迎えに行こうとした。
***
その頃、桃村 そらは
「ソラ、そちらに1匹行ったぞ。」
「えっ?えっ待って、属性が……。」
「ソラさん、危ない!!我が魔力をかてに
凍てつけ*アイス、バーン*。」
*"アイスバーン"凍った路面のことを指し
滑るので大変危険です。ウフフ
ここでは、氷魔法の呪文イメージ
(桃村そらのイメージ)で音のヒビキだけ
気に入ったカリンが編み出した独自の
氷魔法の呪文だった。
「アイスって言った段階で、凍っていたよね。」
「カリンちゃん、あ、ありがとう。」
「えへへ。」
「えへへ。じゃないよカリン。せっかくの
獲物がバラバラじゃないか。」
「まあまあ。ケイル落ち着いて。小さな
つのうさぎとか狩れたし、このボア
かなり大きいから切る手間も省けたしね。」
「……。」
薬草や食べれる野草摘みをしていた
桃村そらは、かなり魔力はあるのだが
普段回復魔法中心で、攻撃魔法は
あまり使いたくないのかニガテだった。
とっさに攻撃魔法が思いつかなかった
事もあり、どれだけ危険だったのかと
獲物の皮は高く買い取って貰えるので
バラバラになった獲物は、もちろん
買い取り不可な状態だった。
ケイルのお説教はしばらく続いていた。
桃村そら、ケイル、カリンの3名は
あの囚われていた館を出て、小さな町の
冒険者ギルドで登録したのだった。
SランクからFランクの7ランクで
桃村そら、ケイル、カリンのそれぞれの
ランクはDランクだった。
あちこちの小さな村や町を選び
長くても数週間の滞在で拠点を変えていた。
訳ありの3人はのんびりと冒険者として
生活していたのだった。
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