トリップリップ☆パラディン

2、ルコニー王国の内情

エドリックは騎士団の団長であり
魔力に頼らずとも自衛出来る人物だ。
判断力もありリーダー役として人の
意見を聞きまとめるのも上手い人物だった。
子どものアーロン王子自身、子どもだからと
下に見る事なく接してくれる数少ない人物だ。
ルコニー王国では貴重な人物だった。
王妃とアーロン王子にとって、最も
信頼出来る人物だ。

6年前、ルコ二ー王国で王位継承権第2位の
王子が産まれた。
既に26歳の第1王子と王女が５人がいたが、
王族は８人まで妻を持つことが出来るのだった。
今の国王には王妃が１人と側室が4人。
ルコニー王国の国王は、ある意味一途だった。
幼馴染の公爵家の娘と１６歳で
婚姻を結んだのだった。
王族に子どもが生まれる年に、周りの貴族は
王族の一員になろうとして、同じように
子作りをする傾向があった。

王と幼馴染の公爵の娘と３侯爵から1人ずつ
伯爵から1人を妻に迎えたのだった。
『水』を司る王妃、『木』『火』『土』
を司る3侯爵家、そして『金』を司る伯爵家。
5属性から一人ずつ王族に嫁ぎ、
争いが起きないようにしたのだった。

公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵
（こう・こう・はく・し・だん）
の５つの貴族階級から成り立つ
ルコニー王国であった。
１５歳で成人、寿命は魔力により異なるが
１等級から10等級の等級があり、
１等級は魔力も弱く寿命が８０歳にも満たないが
１０等級にもなると魔力も強く
寿命は400年前後になる。
1から2等級は幼少期。
３から4等級は少年から青年期。
5から6等級が平均。
7等級は騎士団に入れるレベル。
8等級は国のあらゆる機関で優遇されるレベル。
9から10は正しく国宝級か、伝説級なのだ。
生まれたばかりの赤子はほとんど1等級で
生まれてくるのだった。
だが、アーロン王子は3等級で生まれてきて
難産だった最愛の王妃を生まれたばかりの
身体で癒しを与えたのだった。
しかし王族や貴族は子が生まれると
すぐに魔力検査を行うのと同時に
子の行く末も占うのだった。
アーロン王子は魔力の多さも危惧された上に
早々に王位に立つだろうと占い(予言)
が出たのだった。
王はこの結果に自分の未来を危ぶみ
我が子に王位を奪われるという事に恐れ、
アーロン王子を亡き者にしようと
企む様になっていった。

アーロンに対して罵詈雑言(ばりぞうごん)を
浴びせる王にもともと身体の弱かった王妃は
日に日に心労を重ね弱っていった。
身体の弱った王妃と幼いアーロン王子に
用意された食事が偶然同じになり
アーロン王子用の毒入りの食事を　
王妃は食べてしまったのだった。
王はアーロン王子が王妃にわざと
毒入りの食事を食べさせたのだと思い、
ますます憎しみを込めたのだった。
なんとか一命を取りとめた王妃は、
アーロン王子を連れて離宮で静養する様になった。
王はアーロン王子に王位を奪われる予言と
愛する王妃から離される寂しさから
さらに憎しみに囚われていったのだった。
離宮に暮らす王妃とアーロン王子の警護を
するため、新たに強固に組見直し増員し
アーロン王子の騎士団の団長として
エドリックは身命を賭して、ここにたっていた。