12 / 19
11、転生?
しおりを挟む
ケイル王子は隣国のアキオス国の
第一王子であるケイル・クロプス・アキオス
とそのお世話役になったカリンの
目の前に見慣れない衣服(スーツ姿に
上着がわりなのか白衣)を着ている
まだ若い男性がいた。
光は若い男性に吸い込まれるように
消えていった。
息をつめる様に見つめていたが
身じろぎしたのを見て生きている事に
ホッとしたのだった。
傷だらけの床に寝かしたままでは
いけないと思い、カリンにベッドを
整えてもらいそこに寝かしたのだった。
生きる為、カリンが持てる範囲の
部屋の調度品などは売ってしまったが
大型家具などはそのままだった。
この館にのベッドルームのうち
客室として使える部屋を整えたのだった。
地下がある地上2階建てのさほど広くはない館
数年前までは地下牢とでも言える
場所で辱めを受けていたが、今では
誰もいない地下を封じる様にし
2階の日当たりの良い奥の部屋が
ケイル王子が使い、その隣を
カリンが使っていた。
カリンの横の部屋の隣に客室として
部屋を整えたのだった。
白の上着(白衣)を脱がせ首元のボタンを
数個外しベッドに寝かした。
気のせいか先程より若くなった気がした。
気のせい?木の精霊?
庭の木を生活の為とは言え
切りすぎたのかもしれない。
今ある材料で売れそうな物を作り
木の苗でも購入しようか?
森に生えてる若い木でもいいが
攻撃手段が少ないカリンには
魔物がいる森には近づけたくない。
ベッド脇に水差しと、呼び出しの為の
ベルを置いてそっと部屋を出た。
服の作り、縫製、布の程よい柔らかさ
どれをとっても見た事がないものばかりで
やはり神の使いか精霊ではないのかと
思えてきた。
***
桃村そらは目が開けれないくらいの
光に包まれながら、神様たちの声を
聞いていた。
ユピテル様、生と死そして冥界の神様。
ペルセポネー様、天候を操る神様だけど
なぜかオネェ口調。
内容は、俺の身体年齢を何歳に
維持するのかといった内容だった。
行き先の不安もあったが、あらたに
作られる自分の身体の方が心配だった。
『そこはもう少し細くしましょうよぉ。』
『これ以上はダメだろう。』
『大丈夫、大丈夫よぉ。』
『ここは、この色で決定ね!』
『それは…ちょっとやり過ぎじゃないか?』
『大丈夫、大丈夫。あとは髪の毛ねぇ。
天使の環が出来るくらいのすっんごく
サラサラなのにツヤツヤ!これしか許せないわ。』
『長髪は邪魔だし手間ひまかかるから
めんどくさいと生前の"モモムラソラ"が
言ってたし、短髪でいいんじゃないのか?』
『ダメ、ダメダメよ。そんなんじゃぁ
かわいい男のコがもったいないわ。』
「……。」
不安だ。不安しかない。
神様の会話は続いていた。
『服はどうするんだ?』
『本物のお医者様だしぃ、ここはやっぱり
白衣の天使?ナース服は襲われること
間違いなしだから、無難な白衣と色々
コスプレっぽくていいかも。』
『そのままでいいって事だな。』
『そうそう。』
これ以上聞いてるとだんだん?さらに
不安になるしなんとか寝てるふり?
でも今の俺は魂の状態だよな?
勇気を出して目を開けて?(魂だから
目はまだないか?!)作りかけの
身体を見ようかと迷ったが
ホラーっチックばりの内臓ドバァ~とか
身体半分まだないとかだったら
それこそトラウマになりそうだ。
俺の診療所では大怪我をして
数針縫う程度だったし、交通事故とかの
外科が必要な手術は設備が整った
大きな病院じゃないと無理だ。
血が苦手とかじゃないが、得体の知れない
幽霊やお化けとかスプラッターは苦手だ。
俺の身体が作り終わるまで聞こえないふり
しといた方がいいのかもしれない。
しばらく知らんぷりしていると
『完成~。』
『上出来だな。』
『んふふ。このラインいいわねぇ。』
『足りない分は後で、補ってもらおう。』
「……。」
『そうね。それじゃあ送り出しましょう。』
『ちょっと待て、まだ軸が定まってないぞ!』
『えっ?そうだったの、あらっ!どうしましょう。』
えっ?何ナニなに?
どういうことかわからなかったが
頭の中が混乱していた俺はまた
何かの強い力に引っ張られ
ジェットコースターの様な浮遊感に
包まれ気を失ってしまったのだった。
次に目を覚ました時には、よくある
表現だが見知らぬ天井だった。
洗濯された生成りのシーツに
古びていたが高級感ある調度品。
水差しとコレは呼び出しベルか?
俺を望んでくれているという人が
いる場所なのか?
ゆっくり起き上がり、水差しから
色グラスに水を注ぎ飲んだ。
まだ、ほのかに温いので沸かした
お水なのだろう。
お水を飲む時に自分の手を見たが
肌艶は良く、色グラスが大きいのか
自分の手が小さく見えた。
細長い指、袖をめくると腕まで細い。
足はどうなってるんだろうか?
心配になり見てみると、すね毛が
ない!!すね毛も生えない年齢なのか
それならば男して大事な部分の毛は
大丈夫なのか?
俺は何歳になってるんだ?!
もし子どもなら、中身30歳だと
違和感ありありで怪しくなるし
何故ここにいるとか、うわぁどうしよう?
なぜか青ざめた思考を巡らしていると
ノック音聞こえてきた。
第一王子であるケイル・クロプス・アキオス
とそのお世話役になったカリンの
目の前に見慣れない衣服(スーツ姿に
上着がわりなのか白衣)を着ている
まだ若い男性がいた。
光は若い男性に吸い込まれるように
消えていった。
息をつめる様に見つめていたが
身じろぎしたのを見て生きている事に
ホッとしたのだった。
傷だらけの床に寝かしたままでは
いけないと思い、カリンにベッドを
整えてもらいそこに寝かしたのだった。
生きる為、カリンが持てる範囲の
部屋の調度品などは売ってしまったが
大型家具などはそのままだった。
この館にのベッドルームのうち
客室として使える部屋を整えたのだった。
地下がある地上2階建てのさほど広くはない館
数年前までは地下牢とでも言える
場所で辱めを受けていたが、今では
誰もいない地下を封じる様にし
2階の日当たりの良い奥の部屋が
ケイル王子が使い、その隣を
カリンが使っていた。
カリンの横の部屋の隣に客室として
部屋を整えたのだった。
白の上着(白衣)を脱がせ首元のボタンを
数個外しベッドに寝かした。
気のせいか先程より若くなった気がした。
気のせい?木の精霊?
庭の木を生活の為とは言え
切りすぎたのかもしれない。
今ある材料で売れそうな物を作り
木の苗でも購入しようか?
森に生えてる若い木でもいいが
攻撃手段が少ないカリンには
魔物がいる森には近づけたくない。
ベッド脇に水差しと、呼び出しの為の
ベルを置いてそっと部屋を出た。
服の作り、縫製、布の程よい柔らかさ
どれをとっても見た事がないものばかりで
やはり神の使いか精霊ではないのかと
思えてきた。
***
桃村そらは目が開けれないくらいの
光に包まれながら、神様たちの声を
聞いていた。
ユピテル様、生と死そして冥界の神様。
ペルセポネー様、天候を操る神様だけど
なぜかオネェ口調。
内容は、俺の身体年齢を何歳に
維持するのかといった内容だった。
行き先の不安もあったが、あらたに
作られる自分の身体の方が心配だった。
『そこはもう少し細くしましょうよぉ。』
『これ以上はダメだろう。』
『大丈夫、大丈夫よぉ。』
『ここは、この色で決定ね!』
『それは…ちょっとやり過ぎじゃないか?』
『大丈夫、大丈夫。あとは髪の毛ねぇ。
天使の環が出来るくらいのすっんごく
サラサラなのにツヤツヤ!これしか許せないわ。』
『長髪は邪魔だし手間ひまかかるから
めんどくさいと生前の"モモムラソラ"が
言ってたし、短髪でいいんじゃないのか?』
『ダメ、ダメダメよ。そんなんじゃぁ
かわいい男のコがもったいないわ。』
「……。」
不安だ。不安しかない。
神様の会話は続いていた。
『服はどうするんだ?』
『本物のお医者様だしぃ、ここはやっぱり
白衣の天使?ナース服は襲われること
間違いなしだから、無難な白衣と色々
コスプレっぽくていいかも。』
『そのままでいいって事だな。』
『そうそう。』
これ以上聞いてるとだんだん?さらに
不安になるしなんとか寝てるふり?
でも今の俺は魂の状態だよな?
勇気を出して目を開けて?(魂だから
目はまだないか?!)作りかけの
身体を見ようかと迷ったが
ホラーっチックばりの内臓ドバァ~とか
身体半分まだないとかだったら
それこそトラウマになりそうだ。
俺の診療所では大怪我をして
数針縫う程度だったし、交通事故とかの
外科が必要な手術は設備が整った
大きな病院じゃないと無理だ。
血が苦手とかじゃないが、得体の知れない
幽霊やお化けとかスプラッターは苦手だ。
俺の身体が作り終わるまで聞こえないふり
しといた方がいいのかもしれない。
しばらく知らんぷりしていると
『完成~。』
『上出来だな。』
『んふふ。このラインいいわねぇ。』
『足りない分は後で、補ってもらおう。』
「……。」
『そうね。それじゃあ送り出しましょう。』
『ちょっと待て、まだ軸が定まってないぞ!』
『えっ?そうだったの、あらっ!どうしましょう。』
えっ?何ナニなに?
どういうことかわからなかったが
頭の中が混乱していた俺はまた
何かの強い力に引っ張られ
ジェットコースターの様な浮遊感に
包まれ気を失ってしまったのだった。
次に目を覚ました時には、よくある
表現だが見知らぬ天井だった。
洗濯された生成りのシーツに
古びていたが高級感ある調度品。
水差しとコレは呼び出しベルか?
俺を望んでくれているという人が
いる場所なのか?
ゆっくり起き上がり、水差しから
色グラスに水を注ぎ飲んだ。
まだ、ほのかに温いので沸かした
お水なのだろう。
お水を飲む時に自分の手を見たが
肌艶は良く、色グラスが大きいのか
自分の手が小さく見えた。
細長い指、袖をめくると腕まで細い。
足はどうなってるんだろうか?
心配になり見てみると、すね毛が
ない!!すね毛も生えない年齢なのか
それならば男して大事な部分の毛は
大丈夫なのか?
俺は何歳になってるんだ?!
もし子どもなら、中身30歳だと
違和感ありありで怪しくなるし
何故ここにいるとか、うわぁどうしよう?
なぜか青ざめた思考を巡らしていると
ノック音聞こえてきた。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
物語なんかじゃない
mahiro
BL
あの日、俺は知った。
俺は彼等に良いように使われ、用が済んだら捨てられる存在であると。
それから数百年後。
俺は転生し、ひとり旅に出ていた。
あてもなくただ、村を点々とする毎日であったのだが、とある人物に遭遇しその日々が変わることとなり………?
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる