トリップリップ☆パラディン

カヨワイさつき

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7、エドリック異世界(日本)4日目〜6日目

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ハイスターボール1個
スターボール2個
ロースターボール5個
これらのボールは異世界の者をわが国に
転移するための装置、魔法陣が込められた
手のひらサイズの球体だ。
アーロン王子自らわずか6歳で
作りあげた魔道具である。
ルコニー王国内では、同様の魔道具で
召喚された魔物を飼い慣らしていた。
離宮の内外にアーロン王子の
使役する魔物が複数存在していた。
その魔道具を作り替えたようだが
どうやって作っているのかは
俺には全くわからない。

"早々に王位に立つだろう"とはた迷惑な
王室御用達の予言の魔術師の言いなりに
成り下がってしまった国王陛下には
あきれを通り越し、身の振りを
考えた方が良さそうだ。
アーロン王子は産まれる前?から
特別だったと王妃が呟いていたが
愛情深い王妃は、アーロン王子をかばい
王子と離宮で過ごされている。
王子王女となればそれぞれに護衛の者や
近衛騎士団はつくられるのだが
アーロン王子はあの忌々しい
予言のせいで、国王自らアーロン王子に
護衛を付けるのを嫌がったのだった。
最愛の王妃までもが離宮に移り住んだ
事により、しぶしぶ王妃の為に
近衛騎士と騎士団の中から選び
護衛を命じたのだった。
臨時の寄せ集めの護衛と本来の仕事も
兼任する状態だった。
騎士団の団長である俺に"王妃を守り
城に戻るよう説得しろ!"と
王命までも使ってきたのだった。
王妃にそのまま伝えたが、
もちろん却下で、王妃が丁寧なお手紙を
国王に送りつけ城に戻ることを
拒否されたのだった。

わずか1歳で数カ国の言葉を話され
2歳で魔法や魔術を一通りこなしていた。
魔石に力を貯めたり魔道具作りまでもが
優秀で今年6歳だが将来的に
どこまでこの能力が伸びるのか
楽しみだと思う気持ちと、わずかな
恐れを抱いてしまった。
話は戻りアーロン王子が作った魔道具は
どれもこれも素晴らしいものだった。
ハイスターボールは強制力も強く
無理矢理にでも…ゴホッ。
失敗の確率はかなり少なく
ほぼ確実に異世界に転移出来る魔道具。
契約書を省略しても転移可能なものだ。
安全対策として、全ての転移装置に
それぞれの契約書を交わすことになっている。
スターボールは、あまり強い思いを
込めなくても異世界に転移出来る魔道具。
ロースターボールは、お互いの意思確認と
口頭での契約などボールに込められた魔石に
インプットしてから、異世界に転移する為
少々時間がかかるが、ある程度融通は効くので
より確実に問題なく転移出来る魔導具だ。
王侯貴族の隠れ家というお店の
店長のリリー殿と、お店で働くララ殿
牛丼屋の副店長とその彼女は、
思い切りがよくお店を辞め、
身辺整理をしたそうだ。
住んでいる場所とも契約解除してきたらしい。
やる事が素早い。
戻らないという決意なのか?
一応、魔力次第では戻れるはずなのだが
なんとも潔いのいい人たちなのだろうか?
この時のエドリックは、この4人が
素晴らしいと絶賛していたのだった。
右も左もわからぬエドリックに
親切にしてくれたのだった。
副店長と彼女と俺は、牛丼屋の店の奥に
通されたあと、転移装置を起動し
2人を異世界へと送ったのだった。
トントン拍子に4人が決まりあと
4人を我が国に招待できるのだ。
この調子でいい人に巡りあえればいいと思った。
期限は7日で最大8人まで。
アーロン王子の役立つ人物?あっ!と
エドリックは思いついた。
この世界に来たばかり日に結界に
囲まれた店(ガラス張り)に行く事にした。
貰った名刺を差し出し店長を呼び出して
貰うと奥の部屋に通された。
話は順調に進むかと思ったが、
異世界や王子のことを正直に話したが
(頭がおかしい外国人と思われ)
結局は信じてもらえず半ば追い出される形で
話し合いは終わった。
王子の専属世話係、侍従として
働けると思ったのだが残念だ。
先程の店から付けてくる女性がいる。
素知らぬふりをして路地裏と思われる
かどを曲がり彼女を待ち伏せた。
「私に何か用ですか?」
「……!!」
彼女は驚いた様子だったがすぐに
私の胸ぐらをつかむ勢いで話してきた。
「て、店長への引き抜きの話ですが
わ、私ではダメでしょうか?副店長の
真原 麻美(まはら あさみ)と申します。」
引き抜き?
ああ、優秀な者をこちらに引き込むアレか。
「あなたは何が出来るのですか?」
店長をライバル視する野心家。
男性社会のルコニー王国では、この女性は
さらに生きにくいかもしれない。
貴婦人の隠れ家のママ、店長である
リリー殿の話ではこのニホンというこの
世界では学歴や男性を優先する傾向が
あるらしい。
それなのに男性でありながら女性に
なろうとするリリー殿やララ殿は
弱き者の立場になりながら、このお店は
人を癒す仕事だと言い切ったリリー殿が
すごい人物だと思った。
「我が国はこことは何もかもが異なる事
ばかりで戸惑うと思いますよ?帰りたくとも
帰れない場合もありますし、我が国に
来られたとして貴方は何ができますか?」
「美容に関しての専門知識やヘアアレンジ、
ヘアマッサージはもちろん、他にも色々癒しや
くつろげる空間を提供したり身体に良い
食べ物とか、あとはえ~と…誰かの
…人の為、色々私は努力できます。」
焦りながらも考えながらの話し方に
悪い人ではないと思えた。
「こことは違う国、異世界に行く
としても貴方は同じ事言えますか?」
先程の店長の様に異世界の事や
王政の事とか話をふってみると
同性婚の事やら貴族階級、剣と魔法
魔獣はいるのかと、こちらがおされ気味に
グイグイ質問されてしまった。
異世界に行きたいと言う友達もいるそうで
「本当に異世界が存在し行けるんですね?」
「異世界に移住します。」とか持ち物まで
確認し移住する友達は何人連れて行けるか
などなどたくさん質問されてしまった。
つい2人くらいなら何とか行けるかもと
答えると「準備します!!」と言い
明日の昼過ぎに友達も連れてくると
約束を交わしたのだった。

翌日、待ち合わせ場所に現れた彼女と
同じ年代の女性と男性が現れて、両手には
家出したかのような大荷物があった。
同系の職種で同じ所に住んでいたそうだ。
昨日仮契約を済ませた彼女は本契約、
友人の男女にも同じ説明をすると
目をキラキラさせなぜか、昨日の彼女のように
なってしまっていた。
無事に3人とも契約を交わし、ボールを出すと
「ポケモ○のモンスタ○ボール!!」
きゃ~!!と喜びに近い悲鳴をあげながら
ボールから出た魔法陣により、3人は
ひと足お先に異世界に送ったのだった。
なぜか疲れたエドリックは、最終日まで
のんびりしようと思うのだった。

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