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4、謎の男?エドリック
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エドリックは異世界(日本)に降り立っていた。
この国の読み書きはなぜか出来ている。
ついこの間、新開発された魔道具の
影響だろうか?
まったく知らない文字なのに
何枚もの同じ形式の質の良い薄い紙。
しかも、このペンは魔道具なのか?
インクを付けなくても書けるのは
素晴らしい。しかも書きやすい。
思わず欲しい、と思ってしまった。
名前 高地 薫(たかち かおる)
性別 男
年齢 30歳
身長 186cm
体重 78kg
どうなさいましたか? いつからです?
1時間前、はらが痛い。
当診療所をお知りになったきっかけは何ですか?
通りがかり、たまたま。
「………。」
無意識にこの名前を書いてしまった。
なぜだろうか?
偽名を名乗る必要はないのに
なぜか書いてしまった。
エドリックなのに、なぜかこの名前が
気になってしまった。
琥珀色の鋭い目、
顔の作りは目の前の彼とは違い
ホリは深かった。
体格はそこそこ鍛えている。
だが自分が書いたはずの文字は
丸みを帯びたかわいい形の文字だった。
見慣れない名前なのになぜか
なんとも言えない気持ちが湧き上がるような
変な感覚まであった。
この世界に到着した途端、アーロン王子に
持たされた魔道具を確認していた。
確認後、見慣れない街を歩き回ると
ただならぬ雰囲気で人盛りが出来ていた。
頭一つか二つ分は背が高い俺は
人の間からその場所を見た。
髪の毛を変に持たれたり、様々な
器具で拷問されていた。
公開処刑なのか?!
表情は見えなかったが、髪の毛からは
ドロっとした液体が絡み付いていた!!
酷いことを……。
訳もわからず、結界に閉じ込められた
男性たちがいると思い、助けなければ
と思い結界の継ぎ目を見つけ思わず
飛び込んでしまった。
「いらっしゃいませ!ですが今回
貸切で公開ヘアモデルを実施してますので
申し訳ございませんが……。」
とやたらと低姿勢の男性が声をかけてきた。
そうかと思えば
「店長、来てください!!」
と大声で叫んだ。
ただならぬ剣幕で近寄る男性、そして
増えた男性に詰め寄られ、あれや
これよと言う間に髪の毛を整えられ、
落ち着いた色に染められてしまった。
スーツと呼ばれる服の前ボタンを
数個はずられたり、訳分からないものを
持たされたり大変だった。
クネクネしながらも話す男性は
「あなたに似合うと思うのヨォ。」と
ウインクされ、ヘアモデルとして
数回パシャパシャと光ったかと思うと
手のひらサイズの薄い板には
私?そっくりの髪の色が違う男が
映っていた。
鏡とは違うが、目の前の板に写る姿は
紛れもない自分だった。
もとの色は金髪に近い色なのかもしれない
髪の毛は彼のような黒い色ではないが
明るめの茶色に染められていた。
数カ所染め忘れたかのように
そのままの色を残していた。
ヘアモデルのお礼にと言われるがままに
数枚の精巧な作りの肖像画をもらった。
この国独自のお金を払う為、魔道具の一つ
この国のカードを取り出してみたが
「またきてね。待ってるわ。」と
体を擦り寄せながら耳元でささやかれた。
不思議な体験をしてしまった。
助けようとした男性もいつの間にか
いなくなっていた。
***
名前が、たかち かおる。
もう4年も経つのに、顔付きも体格も違う
そんなバカな……。
"カオル"しかも、同姓同名。
名前の漢字は違ったが同じ年齢。
「……高地、カオル…さん、はら…
お腹が痛いとのことで、触診しますね。
お腹を診るので、触り………。」
コンビニの袋を適当に置き、診療所の
一室に灯りを付けた。
男性にイスに座ってもらおうとしたが
あぶら汗も浮かべていたので、ベッドに
座ってもらいながら、ひと通りの問診と
保険証の有無を聞いた。
保険証は無いとの事だった。
保険証の事をきいたが、それは何?
という感じだった。
端正な顔立ちに眼光が鋭い男性、
2回言うことになるので、言葉を変えたが
まあ、イケメンの部類である。
その男性が、苦渋を浮かべお腹を
押さえながらも、必要最低限のことを
書いてくれた問診。
触診する為、男性は手を外した。
黒いスーツに、黒いシャツは
独特の匂いとべったりと濡れていた。
シャツに穴が空き、めくると鋭い
何かで刺された跡があり、そこから
鮮血が滲み出ていた。
「……!!」
手で押さえていたからか、圧迫出来ていたのか
深そうだが血は止まり気味だった。
「刺し傷、誰かにさされたんですね?」
「ちがう、これは自分でドジっただけだ。」
事件性がある傷は、届けなければ……。
「た、高地さん?」
「……世話になった。」
そう言いながら、お腹を押さえながら
ベッドから起き上がりフラつきながらも
出て行こうとした。
「ま、待ってください。その傷、縫う方が
早く治ります。縫った場合、1週間後に
抜糸する事になりますので、もう一度
きていただく必要がありますが
どうでしょうか?」
「どうでしょうか?とは?」
「傷を縫うか縫わないか、どちらに
しますか?縫う場合、1週間後
ここに来ていただくか、高地さんの
ご都合がいい病院で、抜糸していただく
必要があります。」
「1週間後…7日、13日の金曜か。」
「はい、そうですね。13日の金曜日ですね。」
「……期限。」
「えっ?」
高地さんはいつのまにかまた、ベッドに
座って、俺と視線を交わしていた。
「このキズ縫いますね。麻酔も使いますので
しばらく時間はかかりますが
大丈夫ですか?」
「……大丈夫だ。」
「そうですか。あとは保険証お持ちでしたら
後からでも大丈夫ですので、
なるべく早くお持ちくださいね。」
「……保険証?」
「はい。」
スーツを着ているしどこかの会社の
お偉いさんっぽい雰囲気だと思った。
なんらかのトラブルは避けたいのだろうけど
本当にこのままでいいのか、まだ迷っていた。
夏なのにスーツ、大変だなぁと
思うと同時にどこぞのスジの者か
マフィア?と思えてしまった。
スーツのちょうどポケットの位置
生地も分厚い場所だったからか
傷の深さはさほど酷くはなかった。
「では、麻酔など準備しますね。」
時計の針はいつの間にか夜の10時を過ぎていた。
刺し傷をキレイにしながら
「麻酔しますねー。ちょっとチクッと
するけど、はい、頑張ってねぇ。」
喋り終わらない間に、麻酔をした。
男性は驚いたあと、し終わった注射をみて
顔をひきつらせていた。
「麻酔が効いてきたら、縫っちゃいますね。
今、気持ち悪いとか気分が悪いとか
ないですか?」
「気持ち悪いと、気分が悪い、どう違うんだ?」
「あっ!そ、そうですよね。すみません。
えーと、麻酔をするとたまに、寒気や
発熱、しびれや喉の乾きとか
おこる場合があるんです。だから
気分とか悪くなってないかなと
思いまして、すみません。言葉足らずでした。」
「……そっか。いや悪いというか、
飯食いに行く前だったから、腹が減ったのと
喉が渇いているのは、麻酔前からだ。」
「ちょっと待って下さいね。この
砂時計でも見といて下さいね。」
ピンク、赤色、青色、黄色、白の
5色分の砂時計をひっくり返して
俺は、待合室のウォーターサーバーの
紙コップに水を入れた。
「お待たせしました。」
「ぜんぜん待ってねぇ。だが、この
砂時計、大きさもまばらで意味あるのか?」
「意味は特にないですね。待ってる間
暇ですし、本や雑誌より眺めるだけでも
カラフルな砂時計だと楽しめるかもって
思いまして色々置いときました。」
「先生、変わってるってよく言われないか?」
「う~ん。子どもを持つ親御さんには
面白いとか言われますね。」
「……。」
「はい、お水冷たいうちにどうぞ。」
ストローを挿して、ストロー口を曲げ
男性の口元に持っていった。
少し驚いていたが、よっぽど喉がかわいていたのか
それとも小さな紙コップだったからか
おかわりを3回もしたのだった。
まだ、飲めると言ったが縫合した後というと
また、顔をひきつらせながら
「終わったら、ご褒美くれ。」
「はい。わかりました。」
俺がにっこりして答えると
男性はなぜか目を見開いて、驚いていた。
子ども向けのシールや消しゴムでも
いいのだろうか?
デスクには置きっぱなしのシールや
消しゴムなどが、出しっぱなしだった。
大人の景品も考えた方がいいのか?
学生さん、高校生くらいまで中身が分からない
おもしろ消しゴムや、変な匂いの消しゴムを
診療あとなどにプレゼントしていた。
あっ、コンビニの当たったコーヒーを
この男性にプレゼントしよう。
いい事思いついた俺は、男性に
にっこり笑いながら傷口を
丁寧に縫っていった。
縫い終わったあと傷口をガーゼなどで
おおったあとクルマのシールを
ペタッと貼り付けた。
小児科というわけではないが、たまたま
住んでいる場所が、子どもが多い地域で
すぐ近くにはマンションや団地もあり
子どもと高齢者の患者さんが多いのだった。
同世代の患者さんは久々なこともあり
なぜか、途中から子どもに接するような
診察をしてしまっていたのだった。
「それが、素なのか?」
「……えっ?」
「まあ、いい…。懐かしい……。
こんな対応する奴が珍しくて、つい
面白くてな、礼はするぜ。異世界とか
興味あるか?」
「異世界ですか?想像つきませんが
たまに、面白そうだなあとは
思いますね。」
流行りの漫画やアニメは、子どもの
患者さんと話を合わすため多少なりとも
チェックはしていた。
「魔法が使えたら、こういうキズも
呪文唱えたら、あっという間に
治りそうですね。」
「ああ、あなたならきっと
すご腕の……なれそうだ。ぜひ一緒に……。」
最後のボールを出そうとしたが
期限の7日が来たのか、自分の周りに
帰還の陣が敷かれていった。
このままでは…と思い思わず彼を
抱きしめてしまった。
この国の読み書きはなぜか出来ている。
ついこの間、新開発された魔道具の
影響だろうか?
まったく知らない文字なのに
何枚もの同じ形式の質の良い薄い紙。
しかも、このペンは魔道具なのか?
インクを付けなくても書けるのは
素晴らしい。しかも書きやすい。
思わず欲しい、と思ってしまった。
名前 高地 薫(たかち かおる)
性別 男
年齢 30歳
身長 186cm
体重 78kg
どうなさいましたか? いつからです?
1時間前、はらが痛い。
当診療所をお知りになったきっかけは何ですか?
通りがかり、たまたま。
「………。」
無意識にこの名前を書いてしまった。
なぜだろうか?
偽名を名乗る必要はないのに
なぜか書いてしまった。
エドリックなのに、なぜかこの名前が
気になってしまった。
琥珀色の鋭い目、
顔の作りは目の前の彼とは違い
ホリは深かった。
体格はそこそこ鍛えている。
だが自分が書いたはずの文字は
丸みを帯びたかわいい形の文字だった。
見慣れない名前なのになぜか
なんとも言えない気持ちが湧き上がるような
変な感覚まであった。
この世界に到着した途端、アーロン王子に
持たされた魔道具を確認していた。
確認後、見慣れない街を歩き回ると
ただならぬ雰囲気で人盛りが出来ていた。
頭一つか二つ分は背が高い俺は
人の間からその場所を見た。
髪の毛を変に持たれたり、様々な
器具で拷問されていた。
公開処刑なのか?!
表情は見えなかったが、髪の毛からは
ドロっとした液体が絡み付いていた!!
酷いことを……。
訳もわからず、結界に閉じ込められた
男性たちがいると思い、助けなければ
と思い結界の継ぎ目を見つけ思わず
飛び込んでしまった。
「いらっしゃいませ!ですが今回
貸切で公開ヘアモデルを実施してますので
申し訳ございませんが……。」
とやたらと低姿勢の男性が声をかけてきた。
そうかと思えば
「店長、来てください!!」
と大声で叫んだ。
ただならぬ剣幕で近寄る男性、そして
増えた男性に詰め寄られ、あれや
これよと言う間に髪の毛を整えられ、
落ち着いた色に染められてしまった。
スーツと呼ばれる服の前ボタンを
数個はずられたり、訳分からないものを
持たされたり大変だった。
クネクネしながらも話す男性は
「あなたに似合うと思うのヨォ。」と
ウインクされ、ヘアモデルとして
数回パシャパシャと光ったかと思うと
手のひらサイズの薄い板には
私?そっくりの髪の色が違う男が
映っていた。
鏡とは違うが、目の前の板に写る姿は
紛れもない自分だった。
もとの色は金髪に近い色なのかもしれない
髪の毛は彼のような黒い色ではないが
明るめの茶色に染められていた。
数カ所染め忘れたかのように
そのままの色を残していた。
ヘアモデルのお礼にと言われるがままに
数枚の精巧な作りの肖像画をもらった。
この国独自のお金を払う為、魔道具の一つ
この国のカードを取り出してみたが
「またきてね。待ってるわ。」と
体を擦り寄せながら耳元でささやかれた。
不思議な体験をしてしまった。
助けようとした男性もいつの間にか
いなくなっていた。
***
名前が、たかち かおる。
もう4年も経つのに、顔付きも体格も違う
そんなバカな……。
"カオル"しかも、同姓同名。
名前の漢字は違ったが同じ年齢。
「……高地、カオル…さん、はら…
お腹が痛いとのことで、触診しますね。
お腹を診るので、触り………。」
コンビニの袋を適当に置き、診療所の
一室に灯りを付けた。
男性にイスに座ってもらおうとしたが
あぶら汗も浮かべていたので、ベッドに
座ってもらいながら、ひと通りの問診と
保険証の有無を聞いた。
保険証は無いとの事だった。
保険証の事をきいたが、それは何?
という感じだった。
端正な顔立ちに眼光が鋭い男性、
2回言うことになるので、言葉を変えたが
まあ、イケメンの部類である。
その男性が、苦渋を浮かべお腹を
押さえながらも、必要最低限のことを
書いてくれた問診。
触診する為、男性は手を外した。
黒いスーツに、黒いシャツは
独特の匂いとべったりと濡れていた。
シャツに穴が空き、めくると鋭い
何かで刺された跡があり、そこから
鮮血が滲み出ていた。
「……!!」
手で押さえていたからか、圧迫出来ていたのか
深そうだが血は止まり気味だった。
「刺し傷、誰かにさされたんですね?」
「ちがう、これは自分でドジっただけだ。」
事件性がある傷は、届けなければ……。
「た、高地さん?」
「……世話になった。」
そう言いながら、お腹を押さえながら
ベッドから起き上がりフラつきながらも
出て行こうとした。
「ま、待ってください。その傷、縫う方が
早く治ります。縫った場合、1週間後に
抜糸する事になりますので、もう一度
きていただく必要がありますが
どうでしょうか?」
「どうでしょうか?とは?」
「傷を縫うか縫わないか、どちらに
しますか?縫う場合、1週間後
ここに来ていただくか、高地さんの
ご都合がいい病院で、抜糸していただく
必要があります。」
「1週間後…7日、13日の金曜か。」
「はい、そうですね。13日の金曜日ですね。」
「……期限。」
「えっ?」
高地さんはいつのまにかまた、ベッドに
座って、俺と視線を交わしていた。
「このキズ縫いますね。麻酔も使いますので
しばらく時間はかかりますが
大丈夫ですか?」
「……大丈夫だ。」
「そうですか。あとは保険証お持ちでしたら
後からでも大丈夫ですので、
なるべく早くお持ちくださいね。」
「……保険証?」
「はい。」
スーツを着ているしどこかの会社の
お偉いさんっぽい雰囲気だと思った。
なんらかのトラブルは避けたいのだろうけど
本当にこのままでいいのか、まだ迷っていた。
夏なのにスーツ、大変だなぁと
思うと同時にどこぞのスジの者か
マフィア?と思えてしまった。
スーツのちょうどポケットの位置
生地も分厚い場所だったからか
傷の深さはさほど酷くはなかった。
「では、麻酔など準備しますね。」
時計の針はいつの間にか夜の10時を過ぎていた。
刺し傷をキレイにしながら
「麻酔しますねー。ちょっとチクッと
するけど、はい、頑張ってねぇ。」
喋り終わらない間に、麻酔をした。
男性は驚いたあと、し終わった注射をみて
顔をひきつらせていた。
「麻酔が効いてきたら、縫っちゃいますね。
今、気持ち悪いとか気分が悪いとか
ないですか?」
「気持ち悪いと、気分が悪い、どう違うんだ?」
「あっ!そ、そうですよね。すみません。
えーと、麻酔をするとたまに、寒気や
発熱、しびれや喉の乾きとか
おこる場合があるんです。だから
気分とか悪くなってないかなと
思いまして、すみません。言葉足らずでした。」
「……そっか。いや悪いというか、
飯食いに行く前だったから、腹が減ったのと
喉が渇いているのは、麻酔前からだ。」
「ちょっと待って下さいね。この
砂時計でも見といて下さいね。」
ピンク、赤色、青色、黄色、白の
5色分の砂時計をひっくり返して
俺は、待合室のウォーターサーバーの
紙コップに水を入れた。
「お待たせしました。」
「ぜんぜん待ってねぇ。だが、この
砂時計、大きさもまばらで意味あるのか?」
「意味は特にないですね。待ってる間
暇ですし、本や雑誌より眺めるだけでも
カラフルな砂時計だと楽しめるかもって
思いまして色々置いときました。」
「先生、変わってるってよく言われないか?」
「う~ん。子どもを持つ親御さんには
面白いとか言われますね。」
「……。」
「はい、お水冷たいうちにどうぞ。」
ストローを挿して、ストロー口を曲げ
男性の口元に持っていった。
少し驚いていたが、よっぽど喉がかわいていたのか
それとも小さな紙コップだったからか
おかわりを3回もしたのだった。
まだ、飲めると言ったが縫合した後というと
また、顔をひきつらせながら
「終わったら、ご褒美くれ。」
「はい。わかりました。」
俺がにっこりして答えると
男性はなぜか目を見開いて、驚いていた。
子ども向けのシールや消しゴムでも
いいのだろうか?
デスクには置きっぱなしのシールや
消しゴムなどが、出しっぱなしだった。
大人の景品も考えた方がいいのか?
学生さん、高校生くらいまで中身が分からない
おもしろ消しゴムや、変な匂いの消しゴムを
診療あとなどにプレゼントしていた。
あっ、コンビニの当たったコーヒーを
この男性にプレゼントしよう。
いい事思いついた俺は、男性に
にっこり笑いながら傷口を
丁寧に縫っていった。
縫い終わったあと傷口をガーゼなどで
おおったあとクルマのシールを
ペタッと貼り付けた。
小児科というわけではないが、たまたま
住んでいる場所が、子どもが多い地域で
すぐ近くにはマンションや団地もあり
子どもと高齢者の患者さんが多いのだった。
同世代の患者さんは久々なこともあり
なぜか、途中から子どもに接するような
診察をしてしまっていたのだった。
「それが、素なのか?」
「……えっ?」
「まあ、いい…。懐かしい……。
こんな対応する奴が珍しくて、つい
面白くてな、礼はするぜ。異世界とか
興味あるか?」
「異世界ですか?想像つきませんが
たまに、面白そうだなあとは
思いますね。」
流行りの漫画やアニメは、子どもの
患者さんと話を合わすため多少なりとも
チェックはしていた。
「魔法が使えたら、こういうキズも
呪文唱えたら、あっという間に
治りそうですね。」
「ああ、あなたならきっと
すご腕の……なれそうだ。ぜひ一緒に……。」
最後のボールを出そうとしたが
期限の7日が来たのか、自分の周りに
帰還の陣が敷かれていった。
このままでは…と思い思わず彼を
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