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28、愚か者の行為
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パーラーは、ミニエラ宛ての誕生日の
品物を受け取るとその場で開封させ
半ばバカにしたような物言いをしていた。
ミニエラは14歳で成人していない
子どもなので、大人っぽくかわいさを
備えた一級品ばかりの贈り物だった。
一つ一つの品物を見ては贈り主の目の前で
"いささか幼稚ですが品物は良いですね。"
"少々色味は足りませんが、品質は
まぁ良さそうですね。"
と全ての者にこんな感じだった。
贈り主たちは、顔に笑顔を必死に貼り付け
心の中で盛大に顔を引き攣(つ)らせていた。
ミニエラの誕生を祝うパーティー(主役不在)の
招待客たちは居心地の悪いパーティーを
半刻(約1時間)やり過ごした。
そして理由をつけて帰ろうとする者が続出し
2刻(約4時間)のパーティー予定が、
早々と閑散としてしまった。
パーラーは、町のお店のシェフに
「あなたの料理の腕が悪いから
皆帰ってしまうじゃないのよ!!」と
まだ、招待客がいたにもかかわらず
見当違いな怒りをぶつけていた。
コンコン。
ガチャ。
ドア向こうにいた人物にパーラーは
驚きながらも表情をコロッと変えた。
「あなたぁ、ワタクシのとこに
帰って来て下さったのですねー。
もぉ~ワタクシ、あなたがいないあいだ
ずっと、ずっと寂しかったですわぁ。」
そう言いながらドアの向こうの人物に
喜色満面の笑みで抱きつこうとする
パーラーの腕を払い落とした。
「パーラー様、あなた様は何を我が家で
何をされているのでしょうか?」
「そんなの決まってるじゃないの。
ワタクシの優秀な娘であるミニエラの
誕生をお祝いするパーティーと
もう一つの、喜び事のお祝いじゃないのよ。」
「……あなたという人は……!!」
手に握りこぶしを作り怒りを抑えようと
努力しながら、心を沈めながら
冷たい声を出した。
「……あなたとは、今一度…話し合う
必要があるみたいですね。」
「そうね。これからの私たちの将来のこと
しっかりはなさないとね。そうだわ皆様、
ワタクシの旦那様が帰ってこられたなで
パーティーはこれにてお開きに
しますわね。ごめんあそばせ。」
「パーラー様、あなたと言う人は……。」
招待客にロクなあいさつをしない上
かなりの高圧的な態度をとるパーラーに、
愚かな人だと続けたかったが、
カルセッサー公爵は、言葉を飲み込んだ。
言っても無駄だと判断し、残っていた
パーラーの少ない招待客たちは
セバスチャンとカルセッサー公爵本人に
丁寧に見送られた。パーラーは
カルセッサー公爵の横に堂々と居座り
にこにこしていたのだった。
品物を受け取るとその場で開封させ
半ばバカにしたような物言いをしていた。
ミニエラは14歳で成人していない
子どもなので、大人っぽくかわいさを
備えた一級品ばかりの贈り物だった。
一つ一つの品物を見ては贈り主の目の前で
"いささか幼稚ですが品物は良いですね。"
"少々色味は足りませんが、品質は
まぁ良さそうですね。"
と全ての者にこんな感じだった。
贈り主たちは、顔に笑顔を必死に貼り付け
心の中で盛大に顔を引き攣(つ)らせていた。
ミニエラの誕生を祝うパーティー(主役不在)の
招待客たちは居心地の悪いパーティーを
半刻(約1時間)やり過ごした。
そして理由をつけて帰ろうとする者が続出し
2刻(約4時間)のパーティー予定が、
早々と閑散としてしまった。
パーラーは、町のお店のシェフに
「あなたの料理の腕が悪いから
皆帰ってしまうじゃないのよ!!」と
まだ、招待客がいたにもかかわらず
見当違いな怒りをぶつけていた。
コンコン。
ガチャ。
ドア向こうにいた人物にパーラーは
驚きながらも表情をコロッと変えた。
「あなたぁ、ワタクシのとこに
帰って来て下さったのですねー。
もぉ~ワタクシ、あなたがいないあいだ
ずっと、ずっと寂しかったですわぁ。」
そう言いながらドアの向こうの人物に
喜色満面の笑みで抱きつこうとする
パーラーの腕を払い落とした。
「パーラー様、あなた様は何を我が家で
何をされているのでしょうか?」
「そんなの決まってるじゃないの。
ワタクシの優秀な娘であるミニエラの
誕生をお祝いするパーティーと
もう一つの、喜び事のお祝いじゃないのよ。」
「……あなたという人は……!!」
手に握りこぶしを作り怒りを抑えようと
努力しながら、心を沈めながら
冷たい声を出した。
「……あなたとは、今一度…話し合う
必要があるみたいですね。」
「そうね。これからの私たちの将来のこと
しっかりはなさないとね。そうだわ皆様、
ワタクシの旦那様が帰ってこられたなで
パーティーはこれにてお開きに
しますわね。ごめんあそばせ。」
「パーラー様、あなたと言う人は……。」
招待客にロクなあいさつをしない上
かなりの高圧的な態度をとるパーラーに、
愚かな人だと続けたかったが、
カルセッサー公爵は、言葉を飲み込んだ。
言っても無駄だと判断し、残っていた
パーラーの少ない招待客たちは
セバスチャンとカルセッサー公爵本人に
丁寧に見送られた。パーラーは
カルセッサー公爵の横に堂々と居座り
にこにこしていたのだった。
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