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14、たくらみ(#不快な表現あり)とお出かけ
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ミニエラは、荒い息づかいとうっとりした
表情でとある物をマジックバックに入れていた。
「うふふっ。これでリアンジュお姉様に……
ふふふっ、待っていて下さいお姉さま。
早く行かなきゃ。」
ミニエラは、汚れた手や服もそこそこに
明るい場所に出ると、数日前からちびちびと
食べていた食糧や回復剤を飲んだ。
そして身体強化をし、超人的な速さで
その場を後にしたのだった。
***
「んぁぁ~。……はぁはぁはぁ。」
薄暗い小屋で男女が淫らな水音を響かせていた。
「いつものように、地形を変えてある。」
「………あぁ……んっ。」
「あとは、おまえがぶっ放すだけだ。ほらよっ!!」
「ンッあぁぁぁ!!」
後孔に挿し込んでいた男のモノを
抜き取ると白いとろみある液体が
女の後孔からぽたぽたと地面に落ちていった。
イッたあと惚けてる女を放置し
男はそそくさと闇に紛れていった。
息と服装を整えた女は、顔をしかめながら
男とは違う方向の闇に紛れたのだった。
***
今日は待ちに待ったお出かけの日。
お忍びの貴族という設定なので
いつものゴテゴテしたドレスよりは
少しだけ落ち着いた感じだそうだ。
オレにとってはヒラヒラがいつもより
ほんのわずか減っただけのコスプレ衣装
というかゴスロリ状態だと思った。
髪の毛は幾重にも編み込みこまれた
ハーフアップのツインテール。
薄紫色のドレスに裾や袖口に
ほんのりプラチナゴールドの刺繍が
施されていた。
王族であるディオ様カラーである。
アメジストの色だと王族バレバレだから
という事で薄紫色のドレス……。
わかる人にはわかる色。
リアンジュの耳には小ぶりなアメジストの
ピアスがあり、ツインテールに隠れて
しまっているが頭から爪先まで
ディオ色に染まっていた。
紺色を基調とした軍服に似た服を着た
ディオの姿に、リアンジュ(中身32歳の男)は
不覚にもときめいてしまった。
お忍びの貴族だけど、お忍びする気
まったくないだろ!!っとも思った。
そう思っているリアンジュもディオ同様
美しく、美男美少女であるため
たとえ、ボロをまとったとしても
貴族のお忍びとしか思えないだろう。
「えっ?」
「防犯上、ディオ様とリアンジュ様には
偽名と認識阻害の魔法を施してからの
外出となります。」
認識阻害ってファンタジーでよくある
顔を認識されず顔を見てもぼやけて
記憶に残りくくする魔法、そう
あの超有名な魔法だよな。
「兄上がリアンジュ様に魔法を施しますか?」
「ああ。」
ディオ、リアンジュ、軍のトップであり
第二王子であるオリヴァー、その他の
護衛5名にリアンジュの乳母の子
アイザックも参加する大所帯となった。
「街までは隠し紋の馬車で移動し、
休憩を挟みながら徒歩で移動します。
ご希望の場所があればお知らせ頂ければ
その都度対処させていただきます。」
オリヴァー・ミラ・グアーラ
24歳、第二王子、神出鬼没の軍の総司令官。
熊のように、大柄な身体で
にこにこしながら戦場で戦う戦闘狂。
というのがリアンジュの中の記憶、
第二王子であるオリヴァー様の印象だった。
あまり接触はなかったのか、男らしい
筋肉質の体格でデカくて怖いとか
少しイカついが顔は整っているとかの
オレの印象とは違っていた。
戦場でにこにこしながら敵を倒してたら
怖いと思うんだが、リアンジュが
関心なかったのかもしれない。
ゴツゴツした節くれな手と太くて
たくましい腕、少し腕まくりした
腕には大小の古傷があり日焼けしていた。
それに比べるとディオ様は色白を
通り越して青白い顔だった。
手にはいつも手袋をし、暑い日も寒い日も
首元まである服をきっちり着ていた。
冷ややかな眼差しだけでも、暑い日など
気温が下がりそうだと心の中で思った。
氷魔法とか得意そうだ。
「んっ?」
ディオ様が俺を見た。
正確にはリアンジュを見た。
「アン様気になるお店でもありましたか?」
リアンジュの中身は32歳の男で
日本名は加藤杏樹(かとう あんじゅ)だった。
偽名を使う際、まったく違う名前だと
反応出来ないので似た名前を考えたのが
"アン"だった。
リアンジュもあんじゅも似た名前で
良かったと思うが性別が違う事に関しては
未だに違和感ありまくりだった。
お風呂やトイレもなるべく見ない様に
していたが、毎回の事ながら膨らんでくる
柔らかな胸と毎月来る恐怖の生理に
女は大変だと思ってしまった。
「……。」
ディオ様の前でオリヴァー様の事
考えてましたって言う勇気はないので
ごまかすために、適当に(指差しは
ダメだと思い)手で方向を示したのだった。
あっ!それは偶然だった。
行列が出来ており屈強な男が買った
その場でかぶりついていた。
異世界ならではの串肉だ。
香ばしい匂いにつられるように
歩こうとしたが、グイッと手を引かれてしまった。
「……。」
ディオ様がリアンジュの瞳をジーッとみた。
「……。」
串焼き肉食べたい、って言ったほうがいいのか?
王族だから買い食い的なものは禁止なのか?
毒見自体めんどうなので、自ら料理
作りたいし出来たての温かな食事を
食べたいだけだ。
同じ転生するなら冒険者とかがよかったなあ。
「お二人さん、道の真ん中でにらめっこは
やめてそこに席を用意したから、ほら
これ、ご希望の品だろう?」
「……ありがとう(ございます)。」
マジか!!オリヴァー様のニカッて笑う
男らしい笑顔にキュンとなったオレは
リアンジュ設定を忘れ笑顔でお礼を言った。
「「「「「……。」」」」」
リアンジュの笑顔の破壊力は抜群で
あらゆる魔法や毒に慣らされた
オリヴァー様直属の部下たちでさえ
立っているのがやっとだった。
ディオは、眩しいものを見るかの様に
目をさらに鋭くしたのだった。
リアンジュの笑顔を引き出したのが
自分でないのが残念に思うと同時に
弟のオリヴァーに対してモヤモヤした
気持ちになったのだった。
表情でとある物をマジックバックに入れていた。
「うふふっ。これでリアンジュお姉様に……
ふふふっ、待っていて下さいお姉さま。
早く行かなきゃ。」
ミニエラは、汚れた手や服もそこそこに
明るい場所に出ると、数日前からちびちびと
食べていた食糧や回復剤を飲んだ。
そして身体強化をし、超人的な速さで
その場を後にしたのだった。
***
「んぁぁ~。……はぁはぁはぁ。」
薄暗い小屋で男女が淫らな水音を響かせていた。
「いつものように、地形を変えてある。」
「………あぁ……んっ。」
「あとは、おまえがぶっ放すだけだ。ほらよっ!!」
「ンッあぁぁぁ!!」
後孔に挿し込んでいた男のモノを
抜き取ると白いとろみある液体が
女の後孔からぽたぽたと地面に落ちていった。
イッたあと惚けてる女を放置し
男はそそくさと闇に紛れていった。
息と服装を整えた女は、顔をしかめながら
男とは違う方向の闇に紛れたのだった。
***
今日は待ちに待ったお出かけの日。
お忍びの貴族という設定なので
いつものゴテゴテしたドレスよりは
少しだけ落ち着いた感じだそうだ。
オレにとってはヒラヒラがいつもより
ほんのわずか減っただけのコスプレ衣装
というかゴスロリ状態だと思った。
髪の毛は幾重にも編み込みこまれた
ハーフアップのツインテール。
薄紫色のドレスに裾や袖口に
ほんのりプラチナゴールドの刺繍が
施されていた。
王族であるディオ様カラーである。
アメジストの色だと王族バレバレだから
という事で薄紫色のドレス……。
わかる人にはわかる色。
リアンジュの耳には小ぶりなアメジストの
ピアスがあり、ツインテールに隠れて
しまっているが頭から爪先まで
ディオ色に染まっていた。
紺色を基調とした軍服に似た服を着た
ディオの姿に、リアンジュ(中身32歳の男)は
不覚にもときめいてしまった。
お忍びの貴族だけど、お忍びする気
まったくないだろ!!っとも思った。
そう思っているリアンジュもディオ同様
美しく、美男美少女であるため
たとえ、ボロをまとったとしても
貴族のお忍びとしか思えないだろう。
「えっ?」
「防犯上、ディオ様とリアンジュ様には
偽名と認識阻害の魔法を施してからの
外出となります。」
認識阻害ってファンタジーでよくある
顔を認識されず顔を見てもぼやけて
記憶に残りくくする魔法、そう
あの超有名な魔法だよな。
「兄上がリアンジュ様に魔法を施しますか?」
「ああ。」
ディオ、リアンジュ、軍のトップであり
第二王子であるオリヴァー、その他の
護衛5名にリアンジュの乳母の子
アイザックも参加する大所帯となった。
「街までは隠し紋の馬車で移動し、
休憩を挟みながら徒歩で移動します。
ご希望の場所があればお知らせ頂ければ
その都度対処させていただきます。」
オリヴァー・ミラ・グアーラ
24歳、第二王子、神出鬼没の軍の総司令官。
熊のように、大柄な身体で
にこにこしながら戦場で戦う戦闘狂。
というのがリアンジュの中の記憶、
第二王子であるオリヴァー様の印象だった。
あまり接触はなかったのか、男らしい
筋肉質の体格でデカくて怖いとか
少しイカついが顔は整っているとかの
オレの印象とは違っていた。
戦場でにこにこしながら敵を倒してたら
怖いと思うんだが、リアンジュが
関心なかったのかもしれない。
ゴツゴツした節くれな手と太くて
たくましい腕、少し腕まくりした
腕には大小の古傷があり日焼けしていた。
それに比べるとディオ様は色白を
通り越して青白い顔だった。
手にはいつも手袋をし、暑い日も寒い日も
首元まである服をきっちり着ていた。
冷ややかな眼差しだけでも、暑い日など
気温が下がりそうだと心の中で思った。
氷魔法とか得意そうだ。
「んっ?」
ディオ様が俺を見た。
正確にはリアンジュを見た。
「アン様気になるお店でもありましたか?」
リアンジュの中身は32歳の男で
日本名は加藤杏樹(かとう あんじゅ)だった。
偽名を使う際、まったく違う名前だと
反応出来ないので似た名前を考えたのが
"アン"だった。
リアンジュもあんじゅも似た名前で
良かったと思うが性別が違う事に関しては
未だに違和感ありまくりだった。
お風呂やトイレもなるべく見ない様に
していたが、毎回の事ながら膨らんでくる
柔らかな胸と毎月来る恐怖の生理に
女は大変だと思ってしまった。
「……。」
ディオ様の前でオリヴァー様の事
考えてましたって言う勇気はないので
ごまかすために、適当に(指差しは
ダメだと思い)手で方向を示したのだった。
あっ!それは偶然だった。
行列が出来ており屈強な男が買った
その場でかぶりついていた。
異世界ならではの串肉だ。
香ばしい匂いにつられるように
歩こうとしたが、グイッと手を引かれてしまった。
「……。」
ディオ様がリアンジュの瞳をジーッとみた。
「……。」
串焼き肉食べたい、って言ったほうがいいのか?
王族だから買い食い的なものは禁止なのか?
毒見自体めんどうなので、自ら料理
作りたいし出来たての温かな食事を
食べたいだけだ。
同じ転生するなら冒険者とかがよかったなあ。
「お二人さん、道の真ん中でにらめっこは
やめてそこに席を用意したから、ほら
これ、ご希望の品だろう?」
「……ありがとう(ございます)。」
マジか!!オリヴァー様のニカッて笑う
男らしい笑顔にキュンとなったオレは
リアンジュ設定を忘れ笑顔でお礼を言った。
「「「「「……。」」」」」
リアンジュの笑顔の破壊力は抜群で
あらゆる魔法や毒に慣らされた
オリヴァー様直属の部下たちでさえ
立っているのがやっとだった。
ディオは、眩しいものを見るかの様に
目をさらに鋭くしたのだった。
リアンジュの笑顔を引き出したのが
自分でないのが残念に思うと同時に
弟のオリヴァーに対してモヤモヤした
気持ちになったのだった。
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