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8、パーラーの娘ミニエラ

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性格悪いパーラーという女がこの世界では
貴重な女である私を生んだ。
私の名はミニエラ。
パーラーという女の顔に似てしまった私は
釣り目をごまかすかの様に
毎日自分の目元をタレ目風に
マッサージし髪の毛も下の方にしか
結ばない様にしていた。
パーラーから生まれた私は、貴重な
女の子として私も大切に扱われていた。
チヤホヤし過ぎてワガママに育ちそう
と自分自身思いながら、周りとうまく
付き合っているつもりだった。
パーラーという母は社交界でも
有名で華やかで高位貴族と女である
という武器からか高飛車でかなり
性格が悪かった。
33歳で父と喧嘩し、なぜか私まで
連れて家出をしたのだった。
家出と言っても馬車と荷馬車2台を使い
豪華な家具や私から見れば、けばけばしい
原色のドレスや金やド派手に飾り付けた
宝石を持ち出しおしかけ女房気取りで
とある場所に居座った。
最悪な性悪女のパーラーだよ。
うわぁ~なんでこんな人が
私の産みの親なのよぉ~、最低最悪だぁ。
まぁ、そんなイヤ~な女であるパーラーを
公爵家の人たちは追い出そうとしたが
運悪く私が高熱を出してしまったのだった。
生まれたばかりの赤ちゃんだった
私にはどうする事も出来なかった。
母であるパーラーは私をダシにし
公爵様に迫った。
香水臭い母に気分が悪くなったと
思っていたが、高熱がひくと同時に
私は前世を思い出していた。

パーラー、先王と先王の第二妃との間に
生まれた王妹。
公爵夫人のように振る舞う叔母。
リアンジュの父とは腹違いの妹だが
リアンジュの父に異常なほど
好意にを持ち、先王の命令で
他の貴族と政略結婚させられたのだった。
王族は一夫多妻、一妻多夫、複数を
娶る事が出来たので王族である母も
当然のように複数の男と関係を持っていた。
だが、降嫁した母は元王族であり
今現在は高位貴族というだけで
複数との婚姻は出来なかった。
降嫁イコール王族を抜けるという事なのに
パーラーは王族だったことに
誇りを持っており、プライドも高く
周りから白い目で見られているにも
関わらず、夜会の後などまるで娼婦のように
複数の男と楽しんでいた。
そんなパーラーに愛想をつかした
パーラーの夫は別の女性と不倫したのを
きっかけに夫に非があるかのように
ここぞと思うくらい多額の慰謝料を
ふっかけ離婚手続きをし始めた。
リアンジュの母ソフィアの訃報をきき
喜んだが離婚手続き中に身重である事が
わかった為、ミニエラという私を
産んでから家を出ようと準備したらしい。
パーラーってバカじゃないの?
私の父って誰なのよ。

家出の準備を約1年足らずかけ
離婚手続きを難航させながらも
そのまま愛しい公爵様がいる
公爵邸に居座るようになったのだ。
私の世話は私を気の毒に思ったのか
離婚手続き中の父が雇っている
乳母が私の世話をしてくれていた。
お父様ありがとうございます。

幼児の頃には身体もそこそこ動く様になり
前世の事を小出しに思い出しながら
悪役パーラーから私が大好きな
リアンジュ様を私なりに守るようにした。
もしかして私の前世オトコだったのかもしれない。
リアンジュ様が大好きだし、見た目も
麗しく最高。ただ残念なのは
パーラーの子として生まれた事と
腐っても女として生を受けているので
それなりに縁談の申し込みはあった事だ。
邪魔くさいから何も知らないフリして
無視をしているけど、ここ最近
リアンジュ様が倒れられてから
性格が変わった気がする?
しかも婚約者であるディオ様が
迎えに来るのは婚姻を結んでからだよね?

"冷酷非情王子と人形の様な姫の恋愛事情"
と言うドロドロした恋愛小説の舞台に
出てくる登場人物と同じ名前だと
気づいたのは生まれてすぐ高熱を出した時だ。
それからの私は小さい時から
思い出した事など書き綴っていた。

☆グアーラ王国☆
国土の3分の1が魔の森
国民のほとんどが初期魔法が使える国で
魔道具作りが盛んである。
リアンジュ様とディオ様が住んでいる国。

☆ベルク国☆
鉱山で潤っている国。

☆シーバハル国☆
海に面した国。
海軍が中心で水属性魔法の使い手が多い。

*リアンジュ・ラルカ・カルセッサー*
私が大好きなリアンジュ様。
わずか1歳でグアーラ王国の第一王子
ディオ様13歳と婚約。
父は現国王の弟、故母はベルク国の第2王女
ソフィア様でリアンジュ様を産んだ後、
亡くなっている。産褥死。
愛妻家だったリアンジュ様の父は、
最愛の妻を亡くし悲しみに暮れ
いつしか家庭を顧みない人になっていた。
そこに叔母だと名乗るパーラーと
当時生まれたばかりのパーラーの娘
私の事だけど、ミニエラを連れて
公爵家の本宅に押しかける。
リアンジュ様の父がほとんど家に
いないことをいい事にパーラーは
後妻のように振る舞うようになっていった。
パーラーは我が産みの親として最悪な人。

*カルセッサー公爵*
41歳
リアンジュの父。
現王の弟。
最愛の妻を亡くし仕事に没頭する。
妻に酷似するリアンジュに複雑な思いがあり
小説の後半に書かれている。
自分勝手だったから、ミニエラである
私はムカついたわ。

*ソフィア*
リアンジュ様を産んですぐ亡くなった。
死亡時16歳。
ベルク国の第2王女。
リアンジュ様に似たすごくキレイな女性。

*パーラー*
33歳の性悪女。
ミニエラの母親。ミニエラの父はある意味
誰だかわからないくらいやりまくっている人。
おしかけ女房?!
先王と先王の第二妃との間に生まれた王妹。
わがままで狡猾、派手好き。
公爵夫人のように振る舞う
リアンジュ様からみて叔母。
リアンジュ様の父とは腹違いの妹だが
リアンジュ様の父に異常なほど
好意にを持っている。先王の命令で
他の貴族と政略結婚させられる。
パーラーの夫は別の女性と不倫し、
離婚手続き中リアンジュ様の母の訃報を聴き
子どもを産んだあとは家出をし
家出先である公爵邸にそのまま
居座るようになった。
次第にリアンジュ様をイジメるようになった。

*ミニエラ*
13歳、これ私ね。
パーラーの娘。
1歳違いのリアンジュ様を姉として
慕っているというか大好き。
実は、転生者である。
悪役のパーラーの娘じゃなく
なんならリアンジュ様の
婚約者に生まれたかった。

*3公爵家のうち2公爵は男児のみ。

*ディオ・ハウ・グアーラ*
26歳、第一王子。
13歳の時、わずか1歳の公爵家の娘
リアンジュ様と婚約する。
リアンジュ様が成人する時、
成婚の儀式をする予定。
魔法・魔術が得意で魔法・魔術省のトップ。
冷酷非情とウワサされているが、実は
不器用で過保護、しかも心配性
ただ表情筋が死んでいるだけの人。

*オリヴァー・ミラ・グアーラ*
24歳第二王子、神出鬼没、軍の総司令官。
熊のように、大柄な身体で
にこにこしながら戦場で戦う戦闘狂。

*ルーク・ラル・グアーラ*
20歳、第三王子。
頭が良く誰とでもすぐに打ち解けられる
コミュニケーション能力の持ち主。
見た目同様中身も軽薄に見え
振られてばかりの恋多き王子。

*マルク*
リアンジュ様の父の腹違いの弟 。
コイツが厄介者でろくでもないやつだ。
ベルク国の第2王女だったリアンジュ様の
母ソフィア様に好意を持っている。
パーラーと裏で手を組みリアンジュ様に
危害を加える悪役。

リアンジュ様の母ソフィア様は
小説の挿し絵にはリアンジュ様を
大人にした感じで優しい眼差しで
赤ちゃんを抱っこしている姿で
部屋の壁に肖像画として飾られていた。
その絵を見て泣く公爵様のエピソードや
リアンジュ様に対しての思いなど
はらわたが煮えくりかえりそうだった。
育児放棄にネグレスト、暴力はないものの
居ないもののように扱っていたし
リアンジュ様の父として私が
認めないわ。許さん。
最低の親だ。
こんなバカな父にライバル視しているのが
さらにバカなマルク。
コイツだけは許せない。
公爵邸にアレコレ手を入れ画策し
私の母扱いのパーラーと、生々しい
接触をするバカだ。
んっ?重複して覚え書きに書いてるわ。
あらっ、嫌だわ私ったら。オホホ。

*男性は15歳の成人、女性は初潮があれば
成人と満たされる世界。
リアンジュ様はなんと珍しい
両性具有で腐女子も喜ぶ設定ありの
小説となっていた。
あれ?私って前世オトコなの?
それともオンナだったの?

美男美(少)女の2人の恋物語?
年齢差12歳のディオ様とリアンジュ様。
リアンジュ様14歳、ディオ様26歳。

1歳から5歳までほとんど公爵家の
本宅のお部屋で過ごしていて
6歳からリアンジュ様の乳母と
家令のセバスチャンの勧めで
家庭教師がつくけど、確か
4回?リアンジュ様が攫われそうに
なったり、家庭教師の持ってきた
お菓子に睡眠薬が入っていて
襲われそうになったりしていた。
幼児を襲うバカもいるんだと
小説を読んでいた時は思っていたけど
この世界に生まれてから、小説と
同じ様な事が何度かあり怖くなってしまった。

頭の回転があまり良くない私の
頭を駆使して、小説でのリアンジュ様の事を
思い出そうとしたけど、思い出した時には
直前だったり間に合わなかったりした。
しかも、あれだけ大好きな小説だっのに
なぜか肝心のストーリーや最後を
思い出せないでいた。
暇さえあれば思い出したり
実際起こった出来事も含め
私は日本語で書いていた。
高級な少し厚みがある紙に
未だに慣れない羽ペンとインクに
苦戦しながら、数十ページにわたり
思い出したら書き留めていた。
時系列もバラバラだったが
誰かに見せるわけではないし
周りからは日記を書いている様にしか
見えてないはずだ。
よし、続きを書こう。

*セバスチャン*
45歳公爵邸の家令。
イケおじ。リアンジュ様の味方。

*アントニ*
27歳、公爵邸の家令補佐。
たしかディオ様の乳兄弟のうちの1人だったはず?
リアンジュ様の味方。

*リアム*
20歳
名前は覚えてるのに、よく思い出せないわ。
この人どこで絡むんだったかな?
顔は良かったはず?
あれ?あまり印象ないからきっとモブかもしれない。
小説の中の人ってほとんどイケメンなのよね。

*クロエ*
32歳、平民出身。
夫は公爵邸の庭師カーター。
リアンジュ様の大切な乳母。
リアンジュ様を守ってくれてありがとう!!

*アイザック*
14歳、リアンジュ様の乳母の子。
リアンジュより半年年上の同じ年で
兄貴気取りだけどリアンジュ様に
恋心を寄せてる人物。
わかるわかるその気持ち。
リアンジュ様最高だから仕方ないのよ。

リアンジュ様を守るため周りの人を
巻き込んでいく物語?
ディオ様の優しさに基づきながらの
怒りによる復讐、報復、制裁。
ディオ様もリアンジュ様も滅多に
表情が崩れないけど、2人は
婚姻してから心を開き仲間が増えて
いくという形。
あと何だろう?
とりあえずリアンジュ様への私の
思いはキリなさそうだから
この辺で書き留めるのはやめとこう。
あっ、お城に行ってしまったから
麗しいお顔が見えないから
さみしい。次に逢えるのはいつかしら?

そういえばもうすぐ15歳だし
婚約者から正式な婚姻を結ぶはず。
婚姻式……。
パーラーとマルク……。
あっ!!!
リアンジュ様を助けなきゃ、
ど、どうしよう?!

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