[Ｒ１８]ピュアな子の日常に、白馬のお、王子様ですか？！

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燃えさかる炎。
焦げ付いたナニかの匂いと土埃。
傷ついた鮮やかな金髪に赤い血が…。
「……約束だよ。」
「……きっと…必ず…。」

傷ついた手が触れるか触れないかの
ところで、夢ははいつも終わる。

物心ついた時からたまに見る夢だった。
明日は高校生活最後の日。
３月３日ひな祭りの卒業式。
乙女チックな日だが、いつもと変わらず
学校が早く終わる日や、休みの日は
個人経営のスーパーでバイトを終わらせて
寝に帰るだけの毎日。
昨年末、片親だった母は風邪をこじらせ
呆気なく死んだ。オヤジは知らない。
小さい頃に別れたのか生きてるのか
死んでるかわからない。
一枚も写真がないからわからないが、
俺は完璧母親に似ているのか、身長165㎝
体重は51kg。
女顔…。コンプレックといえばコンプレック
だが、幸い男友達も女友達も、そこそこの
付き合いが出来てる思う。
高校入学と同時に家計の足しにと思いバイトを
しているから、愛想はいい方だと思っている。
自分目線だから、誰も言ってくれないから
イマイチ自分自身のことは、わかない。

個人経営ナナイロスーパー、略して"ナイス"
……。(俺が略した訳ではない。)
ナイスの店長は、七瀬(ななせ)という色男が
経営しているからと自分で言っているし、
だからナイスなスーパーらしい……。
なないろの虹の様に演技のいいスーパーとか
他にも、なんか色々いっていたが、忘れた。
とにかく七瀬店長は身長170㎝以上はあり
体重は0.1豚…ゴホッゴホッ、0.1トン、つまり
100キロ以上はある大きな男だった。
顔はまあ、かっこいいというか只者では
ない雰囲気がありありの人物である。
アパートから徒歩5分位の近場でバイト。
しかも、品揃えというかコンビニの3倍程度の
広さなのに、マニアックな商品や取り寄せ、
学生には大助かりな文具類や駄菓子から
レトルト商品が充実したスーパー。
地域密着型というのか独特のお店だからか
そこそこ田舎だからか、お取り寄せ商品や
手づくり作品？工芸品？まであった。

「咲良くん、今日もご苦労様。」
「あっ、店長、お疲れ様です。」
「咲良くん、水臭いなあ。君と俺の
仲なんだし他にもう誰もいないし、
ロジャーって呼び捨てにして。」
「七瀬店長……。」
そう、ここの店長はどっかの国の血が入ってる
そうで、日本人にしてはイカツク、目は切れ長
あと、鼻筋が通ってるのか男らしく
整ってる感じの顔立ちなのだ。
「明日は卒業式だろ。お祝い第一弾、
売れ残りの今日までの賞味期限の
惣菜とケーキだ。可愛い可愛い咲良くん
たーんと食って大きくなーれ。
ほれ、これも一緒に食うぞ。」
「これもあれも、廃棄処分のですよねー？
まだ、食べれるのに、もったいない。
もう少し、控えめに作らないのですか？」
「世間一般的にはそう思うわなっ。まっ、
再利用はバッチリだから気にせず
食べれるだけ、食べろ。明日から忙しいしな。」
「えっ？明日からなんかイベントですか？」
「まっ、イベントというか…なんだぁ…
卒業だし、色々とな……。」
「あっ、俺だけが卒業じゃないし、
惣菜コーナーもご馳走とか、ケーキ、
あとは果物売れるのかな？」
「そ、そうだな…。」

閉店後のナナイロスーパー、略して
"ナイス"でお腹いっぱいになるまで
晩ご飯とケーキを食べ帰宅したのだった。
寒いかったが眠かったのもあり簡単に
シャワーをすませ、布団に潜り込み
また、いつもの夢を見てしまうのだろう
と思いながら寝たのだった。