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ハル王妃

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和やか雰囲気で晩餐会を締め括ろうとした
ショーオ、国王は慌てた。

いつもは穏やかな表情を絶やさず、
微笑んでいるハル王妃が、晩餐会の後半から
苦しそうな表情を、浮かべ額には
汗をかいていた。時間が経つごとに
さらに険しい表情になっていたのだった。
早めに切り上げようと、締めの言葉を
のべるため立ち上がっときに、ハル王妃は
急に崩れ落ちるように、倒れた。

毒?!

俺とシヴァーディーも立ち上がり、毒を
中和する為の魔法を練り上げようとした。
国王の言葉を聞くまでは……。

「ヴィル、大丈夫だ。」
「でも……。」
国王は、ニッコリ笑顔で、ハル王妃を
お姫様抱っこし、晩餐会に出席していた
皆に言葉を投げかけた。
「ご来賓の皆様、ご心配いりません。
我が妻、我が王妃は今、産気づいたので
しばしば席を外します。ただいまから
我が王妃は、立派に子を産めるよう準備を
進めてきますので、一旦失礼します。」
「「「「「「「……。」」」」」」」
「こ、こ…子?」
弟か妹って事だよな?
母は、確かに最近少し吹くよかになった気が
していたが、妊娠には気がつかなかった。
他の兄弟は……。
姉以外は、ポカーンっとした表情をしていた。

晩餐会がお開きになった1時間後、
超安産で、小さな妹が生まれた。
本来なら来月あたりの出産だったらしい。
妊娠に関しては、ギリギリに伝えようとしたまま
結局は、伝え忘れたそうだった。

妹は小さいながらも、大声で泣いて自分の
存在を皆に知らしめた。
翌日には皆からの祝福を受けていた。
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