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月の事

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デルラン王国とハルルーン王国は1年を
通して比較的、温暖な季節であった。

農作物もよく育ち、土壌改革をしてからは
大きく良く育ち病気に強い品種も生まれていた。
薬学の研究者も増え、薬草から薬を作る
技術もどんどん開発されていた。
その中でも群を抜いて品質もよく
開発されたのが、ハンドクリーム。
二番目にお肌がスベスベになる、
美容液類だった。
飲み薬では、お腹痛などの薬で
小粒で飲みやすい薬を目指した
割と飲みやすくなった薬であった。
開発途中だが、冒険者や商売人に
人気の薬だった。

その他にも野菜や穀物の苗なども、
輸出され国外を問わず、デルラン王国の
農作物は大人気だった。

デルラン王国では一年に一度、
10の月の初日から3日間お祭りが
開催されていた。
(一年を、ひと月30日で区切り
12の月で一年の世界。)
(主食のパンの材料、小麦類が取れる季節。)

豊穣祭が3日間、開催される事となっていた。
現王のショーオと、ハルルーン王国の
ハル姫の成婚から続く豊穣祭は
以前にもあったらしいが、不作の年には
開催される事はなく、不定期だったらしい。
平和とスラム街ゼロを目指している国を
アピールし、各町や主要な村などに
無料の炊き出しを行なっていた。

相談や生の声を聞くのを名目に
月に一度のペースで、無料炊き出しが
されていた。
平和な国造りの中の一つとして、
国戦争孤児、捨て子、虐待された子などの
保護。救護に力を入れていた。

数十年前には奴隷制度も撤廃されており、
今では犯罪奴隷だけが、厳しい管理のもと
存在していた。

成婚前まで、国同士などの小競り合いで、
国庫、財政危機に何度かなっていたり、
せっかく実った農作物が、魔獣や害獣に
やられたりし、税収も難しかった。

食べる事が大好きなショーオは、
王子時代から数人を巻き込んで
農作物の品種改良や土壌改良を行っていた。
国王となった今でも、当時から一緒に
し続けていた者を、国の研究者として
正式に雇い、農作物と薬草を中心に
改良し続けてられていた。

町や村には果実や実がなる植物が
多く植えられ、国民の木として
親しまれている。
誰でも気軽に食べれるように、
誰もが飢える事がないように、
という願いも込められていた。

個人的に販売してはいけないが、
お祭りなどで使用するのは良しと
されていた。
クッキーやパン生地に練り込んだり
ジュースなどにもなったりしていた。
王城にも同じ樹木や品種改良した
作物が元気よく育っていた。
それらを使い、新鮮な農作物で
各国の、お客様もおもてなしする予定だ。

あちこちからいい香りがただよい、
王城の厨房も忙しさが増していた。

もともとは、デルラン王国も
ハルルーン王国もあまり名前だけの
友好国で腹の探り合いばかりしていた。

今のような国同士の付き合いが出来るのも
デルラン王国に嫁いできたハルルーン王国の
姫、ハル姫、ハル王妃のおかげだった。

ハル王妃は、デルラン王国の国民からも
絶大な支持を得ていた。
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