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シンディー
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シヴァーディーの義理の姉シンディー。
その義理の姉シンディーに似ている俺?
顔か、性格か?
ヴィルは、自分の女装姿を思わず想像
してしまった……。
乏しい想像の女装した俺と
半分女装した様なシヴァーディー。
厄介な魔獣に遭遇した気分だ。
成人してからの俺は目まぐるしいほど
忙しく過ごしていた。
朝はオリービアに魔力を吸いとってもらう
という名目で、わざと長めに時間を
取っている大事な"用事"。
ヴィルにとって1日のうちで1番、
癒される貴重な時間だった。
それが終わると朝食。
運が良ければオリービアを眺めながら
朝食が食べれる。
最近は新しいスール公爵(オリービアの
兄たち)を応援する為、こっそりと
動いていた。
4大公爵の一つに、第4王子がバックに
付いていると思われると、勢力争いに
なる可能性があるので、あくまでも
こっそり目立たない様にしている。
村や町などの小さな揉め事から、
魔獣倒し。
無名の冒険者として、こっそり
やっつけることもあれば、
嘆願書があれば、公務として地域を
問わず、魔術師として自ら率先して
魔獣狩りをしていた。
そして、息抜き…。いい運動にもなっていた。
俺は書類整理や書類を捌くのが苦手だった。
魔獣がりの回数もわずかながら
増えている気がした。
書類はギルドからの依頼や嘆願書、
各地に派遣した魔術師からの調査書を
比較してみると、やはり、
何かがおかしかった。
「ヴィル様、また難しいお顔されてますね~。」
「シ、シヴァーディー…か。」
「もぉ~。私はヴィル様が大好きな
シンディーです。」
「……。」
「シンディー…俺…似てるのか?」
「えっ?そこ?悩んでいたのは、もしかして
私の義理の姉と似てるって言ったのを……
気になっていたんですか?」
「ち、ちがう…とも言えないが…たしかに
気になるとこもある。」
「ごめんなさいヴィル様。
姉のシンディーは、頑張り屋さんで
ちょっと頑固なんだけど…ヴィル様の様に
少しだけど魔力が多かったのよ。」
「……。」
「幸せな結婚、望まれて結婚したんだと
思ったら、ただ単に魔力が多い相手に
子どもを産ませたかったらしく、姉以外にも
何人もの女を孕ませていたの。」
「……。」
「私はまだまだ、その時嫁ぐ義理の姉は
幸せそうに見えたけど……。内情は
違ってた。そのうちの、一つが
私が子どもすぎて当時は……。
助けれなかった……。
わからない事だらけだったけど……。」
「……。」
「子どもを産んだ直後に、
シンディー姉さんは相手に、
「魔力が少ないな。今度はもっと
魔力が多いモノを産んでくれ。」
って言われたみたいなの。
証言は、当時の義理の姉の出産に
関わったうちの一人を見つけたわ。」
「……。」
「…そう言われた姉は産後、子どもを残して
産褥死したの。」
「残された赤ん坊は、魔力が少ないとされ
ろくに育てられそうになかったから、
姉をお世話してくれたその1人の養子に
なっていたの。姉に似た面影の可愛い子よ。」
「そ、その子は、今…元気なんだ……な。」
暗い表情だったシヴァーディーは
明るい表情になった。
「元気よ。私もちょくちょく稽古つけたり
しながら遊んでるし、この調子で行けば……。」
「なんだ?俺の知ってる人なのか?」
「いいえ。まだ、ヴィル様と会ってないです。
でも、また紹介したいのでこの件は
また、次回にいいでしょうか?」
「あぁ。なんか隠し事って感じで…嫌だがな…。」
「うふふ?ゆくゆくは、会えますし
公正な目で見ていただきたいの。」
「……ああ。わかった。」
「ヴィル様のお顔を曇らせていた
原因は、他に何がありますの?」
その義理の姉シンディーに似ている俺?
顔か、性格か?
ヴィルは、自分の女装姿を思わず想像
してしまった……。
乏しい想像の女装した俺と
半分女装した様なシヴァーディー。
厄介な魔獣に遭遇した気分だ。
成人してからの俺は目まぐるしいほど
忙しく過ごしていた。
朝はオリービアに魔力を吸いとってもらう
という名目で、わざと長めに時間を
取っている大事な"用事"。
ヴィルにとって1日のうちで1番、
癒される貴重な時間だった。
それが終わると朝食。
運が良ければオリービアを眺めながら
朝食が食べれる。
最近は新しいスール公爵(オリービアの
兄たち)を応援する為、こっそりと
動いていた。
4大公爵の一つに、第4王子がバックに
付いていると思われると、勢力争いに
なる可能性があるので、あくまでも
こっそり目立たない様にしている。
村や町などの小さな揉め事から、
魔獣倒し。
無名の冒険者として、こっそり
やっつけることもあれば、
嘆願書があれば、公務として地域を
問わず、魔術師として自ら率先して
魔獣狩りをしていた。
そして、息抜き…。いい運動にもなっていた。
俺は書類整理や書類を捌くのが苦手だった。
魔獣がりの回数もわずかながら
増えている気がした。
書類はギルドからの依頼や嘆願書、
各地に派遣した魔術師からの調査書を
比較してみると、やはり、
何かがおかしかった。
「ヴィル様、また難しいお顔されてますね~。」
「シ、シヴァーディー…か。」
「もぉ~。私はヴィル様が大好きな
シンディーです。」
「……。」
「シンディー…俺…似てるのか?」
「えっ?そこ?悩んでいたのは、もしかして
私の義理の姉と似てるって言ったのを……
気になっていたんですか?」
「ち、ちがう…とも言えないが…たしかに
気になるとこもある。」
「ごめんなさいヴィル様。
姉のシンディーは、頑張り屋さんで
ちょっと頑固なんだけど…ヴィル様の様に
少しだけど魔力が多かったのよ。」
「……。」
「幸せな結婚、望まれて結婚したんだと
思ったら、ただ単に魔力が多い相手に
子どもを産ませたかったらしく、姉以外にも
何人もの女を孕ませていたの。」
「……。」
「私はまだまだ、その時嫁ぐ義理の姉は
幸せそうに見えたけど……。内情は
違ってた。そのうちの、一つが
私が子どもすぎて当時は……。
助けれなかった……。
わからない事だらけだったけど……。」
「……。」
「子どもを産んだ直後に、
シンディー姉さんは相手に、
「魔力が少ないな。今度はもっと
魔力が多いモノを産んでくれ。」
って言われたみたいなの。
証言は、当時の義理の姉の出産に
関わったうちの一人を見つけたわ。」
「……。」
「…そう言われた姉は産後、子どもを残して
産褥死したの。」
「残された赤ん坊は、魔力が少ないとされ
ろくに育てられそうになかったから、
姉をお世話してくれたその1人の養子に
なっていたの。姉に似た面影の可愛い子よ。」
「そ、その子は、今…元気なんだ……な。」
暗い表情だったシヴァーディーは
明るい表情になった。
「元気よ。私もちょくちょく稽古つけたり
しながら遊んでるし、この調子で行けば……。」
「なんだ?俺の知ってる人なのか?」
「いいえ。まだ、ヴィル様と会ってないです。
でも、また紹介したいのでこの件は
また、次回にいいでしょうか?」
「あぁ。なんか隠し事って感じで…嫌だがな…。」
「うふふ?ゆくゆくは、会えますし
公正な目で見ていただきたいの。」
「……ああ。わかった。」
「ヴィル様のお顔を曇らせていた
原因は、他に何がありますの?」
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