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考え方

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無意識に飲んだシヴァーディー特性の
お砂糖入りハーブティー。
"香茶"は甘くてスッキリした味だった。
悔しいことに、俺好みの味で美味しかった。
気のせいか、疲れも多少取れた気もする。
恐るべし、シヴァーディー特性の"香茶"。
相手を想いながら作るお茶。

ハーブの中でも香り高い物をセレクト
しているのか、甘めの香りで味は
スッキリする物を、混ぜ合わせたものを
シヴァーディーが魔力で乾燥させていた。
これだけで売り物になりそうだ。

それらを、(魔力で作り出した水)
最適な温度にした湯の中で
ゆっくりと作る"香茶"。
魔術師が作り出す"香茶"は
毒にも薬にもなる"香茶"だが
好意に思う相手に入れる“香茶"は
特別な効果もあるらしい……。

はあ~。

魔術師やお城を守る衛兵達の為に
デルラン王国のお城の食堂は、
24時間体制だった。
だが、深夜勤務出来る調理の者が
確保出来ず、現状維持が難しかった。

「ヴィル様、何もそこまでしなくても
いいかと思うんですが……。」
「だが、(夜間は)人数も少ないし
(夜間の調理人)なくてもあまり、
困らないだろう。」
「……わ、私は行ってないだけで
他の方は必要だと思いますし……。」

「具体的な(深夜の食堂の利用者)人数を
把握をして……。」
ヴィルは、頭の中で色々シュミレーション
しながら、小声でブツブツ呟いていた。

「場合により……つぶす。」

シヴァーディーは、必死に取り繕っていたが
「つぶす。」の言葉に青ざめてしまった。

魔術師はデルラン王国に約100 人
いるかどうかで、国管理、デルラン王国に
直で雇われている魔術師は
わずか10人ほどだった。

ヴィルが本気だと悟ると、ヴィルの
傍を離れる事が多くなっていた。
1日の半分は、魔術師が多くいる
魔術塔に籠るようになっていた。
だが、ヴィルから離れた分あえる時間には
過度なボディータッチや、変なクネクネした
動きが多くなっていった。

そんな彼と、久々に庭でのお茶会を
する事になった。

「ヴィル様、お誘いありがとうございます。
シンディー嬉しい。」
「あ、あぁ。名前…やはりシンディーって
呼んで欲しいのか?」
「…はい。」
「確か、亡くなられたと聞いたが……。
病気か何かか?」
「……。」
「あぁ、すまない。話しにくいなら
いいから…気にしないでくれ。すまない…。」
一瞬悲しげな目をしたシヴァーディーだったが
持ち前の明るさで話はじめてくれた。

「いや~ん。ヴィル様、やっと
私に興味もってくれたのね。」
「……。」
「義理の姉、シンディーはヴィル様みたいな
方だったのよ~。」
「俺…?!」
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