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だから貴方が……。

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質問1、彼女を気に入っているところを
3つあげよ。

うーん。
3つ?そんなの一つしかない。
彼女の全てが好きだ。

質問2、彼女の嫌いなところを3つあげよ。

嫌いなところなんかない。

質問3、趣味は?

趣味?考えた事ないな…。
魔石作りは魔力過多の解消する為だったけど、
解消しなくて、逆にストレスが溜まってたし……。
魔力暴発による破壊行動は、趣味じゃいし…。
難しい質問だ。
あっ!!

朝早くヴィル王子の仕事机に、わざわざ
目立つように、一通の封筒が入っていた。
しかも、王家の父専用の封印付き。
急ぎの仕事……。
まさか…争い事、国と国の戦い……。

俺は15歳の成人とともに正式に
魔術師団特別筆頭の肩書を
父、国王から賜わった。
父母や兄姉は反対したが、
魔術師長官が、俺に提案してきた。

魔術を使わなければならない戦事に、
真っ先に駆けつけ、自分自身の
防御しながら国ににも防御結界を
施す大切な役目。
私の父が国王となってから
国同士の小競り合いが
大きいもので2回ほど、
あったらしいが……。
その当時の魔法長と国王には、
力不足のため全てを守り切れなかったらしい。

首都を中心にしか、守れなかった。
捨て置かれた村、町は数多くあった。

魔力の大きな俺が生まれた時には、
この力を国の役に立てれるように
育てられたみたいだった。

残念ながら俺には、守りの力はあまりなく
ただひたすら攻撃出来る力…破壊する力が
強すぎた。コントロール出来ない
赤ん坊時代には、泣くと同時に何かしら
物が壊れたり、床や壁にヒビが入ったそうだ。
よく捨てられずに、ここまで育てて
くれたもんだと親兄姉や周りの方々に
感謝の気持ちでいっぱいだ。

あっ、思考が飛びすぎた。
訳わかない質問表が、国王から届いてたんだ。
回答は、本日夕食時まで…?

なんなんだろな?
この質問他にも色々、どうでもよさそうな
質問が、続いていた。
とりあえず、早く片付けて仕事に取り掛かる
ヴィル王子だった。


朝、ヴィル王子とほぼ同時刻に
王妃からの個人的な封印付きの手紙が
オリービア宛に届けられていた。

内容を見ると一枚目は、私を含めた
私達に対しての気遣って下さった内容。
もう一枚は、質問表。

回答をこの紙に直接書くようにしたら
いいみたいで、質問の一つ一つに
空欄があり、書き込めるように
なっていた。

さっそく回答にとりかかった。

好きな色は……。
ヴィル様の色。深みのある紅色。
温かい色。

嫌いな……。
暗いジメジメした所。
食べ物なら、辛いもの、酸っぱすぎるもの、
苦いものかなぁ。
嫌いな人は、怒りん坊な人、怒鳴る人
怖い人、不誠実な人、痛いことする人……。
私のお父様……。
あっ、これは書けないわね。

質問等は、10項目程度あった。
回答は夕食時前まで?

書き上げた後に、お城の中を散歩
しながら王妃の元に行く
アリービアがいた。

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