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パーティー 2

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馬車が、ガタゴトガタゴト音をたてながら
ゆっくり走っていた。

王家の紋章を付けた豪華な馬車の内装は、
広々としていて毛足の長いじゅうたんに
ふかふかのクションがしきつめられていた。
そのおかげなのか、公爵邸にしては、
一番王城から離れた場所。
貴族に与えられる土地のギリギリの
場所にスール公爵の邸宅があった。

俺は、痛くもないおしりと腰を擦りながら
立ち上がり、なぜか緊張してしまった。

コンコンっ。

「ヴィル様、スール公爵邸に到着致しました。
ドアを開けても、よろしいでしょうか。」
「ああ。頼む。」
かちゃ。

基本、一人でなんでもしていた俺は
このやりとりでさえ、面倒に思っていた。

扉くらい、自分で開けれるし、
馬だって操れる。
馬車なんかに乗らなくても、馬で
乗り入れた方が早く着くのに……。
わずらわしい。
少し、険しい表情になっていたかもしれない。

馬車の扉が開くと、御者がビクッとした。
「も、申し訳ございませんでした。
何か、粗相がございましたら……。」
「何もない。快適だった。ありがとう。」
「ハッ。あ…あ、ありがとう…ご、
ございます…。」

いつもの反応だ。
俺の何が怖いんだ。
最近では、魔力コントロールも出来ているし
自作のたくさんの魔具で、周りに流れる魔力も
減ったはずだ。

魔具、自作の魔法道具は、腕輪に足輪
ネックレスに指輪、ピアスなど色々付けていた。

「デルラン王国第4王子、
ヴィル・フォレス・デルラン王子の御到着です。 」

スール公爵邸に降りたつと、
引き寄せられるように二階の一番右端、
カーテンが掛かった窓が気になった。

しばらく窓を見つめると、微かに
カーテンが揺らめいた気がした。

「あ、あの~ヴィル・フォレス・デルラン王子
本日は、我がスール邸にお越し頂き……。」
スール公爵自らの、ありきたりで丁寧な
挨拶だった気がする。

声はきこえているが、顔も声もなぜか
印象に残らない不思議な感覚だった。
見ているのに、これといって特徴のない
顔に、デルラン国に1番多いとされる
濃い茶色の髪。
成人を迎えただろうと思われる1番目と
2番目の息子も、多少の濃淡はあるが、
父親に似たような濃い茶色だった。

「家族は、これだけか?」

本来なら呟くはずもない言葉が
出てしまった。
しまったと思った時には、遅かった。
3人の親子は、顔を強ばらせていた。

「済まなかった。不躾な言葉を
許してくれ。」

「い、いえ…私の妻と娘がおりますが、
ただいま体調を崩しているので、
大変ご恐縮ですがお出迎えすら、
出来ずに、大変申し訳ございません。」

「体調不良なら、仕方がない。
大事にいたせ。」

大丈夫か?と聞いた方がいいのか?
それとも、ここで祝いの品だけを
渡して、帰ろうか?

また、二階の右端が気になり
なぜかどこからともなく、視線感じた。
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