上 下
6 / 6

その後

しおりを挟む
「今日は何の日でしょう?」
「11月29日やから、イイ肉の日かぁ。あっ、ステーキもいいけどお前のデカイハンバーグとか、肉団子が入った汁とかガッツリ食べたい。」
ごくっ。
「ァァァァァァーー!!」
何かのスイッチが入った佐藤に俺は、ここ数ヶ月毎日のように襲われていた。
一年も経つと慣れたもんで、初めて繋がった時の様に痛み止めを飲まなくても良くなった。
初めてヤッた、ヤられた日。
後ろのアナ、処女サヨナラの日。
ついでにイイ服、イイ福、イイ肉の日。
翌日は、11月30日だからイイ竿の日らしい(佐藤談)

童貞は守られたままなのでそのうち童帝様になるだろう俺、泣いていいですか?
こっそり、ちゃんと女性がいるそれなりのお店に行こうかと計画中。
ヒヤリ
一瞬、背筋に寒気が走った。
コイツのせいで……。
会社のPR VTRとホームページの画像に添付(てんぷ)された俺の舞妓姿はなぜか好評で一年たった今も、違う角度から撮った舞妓姿などアップされ続けていた。
新入社員募集の資料などにもその他のパンフレットなどにも幅広く使われる事になった。
謎の美女、謎のモデル、AIかと新入社員がコソコソ話をしていた時には、俺はどうしていいのかわからなかった。
初めて記念の後の数日後、震度3の地震がきた。
出勤していた時だったが帰宅すると、震度3だったのに安い賃貸の壁やらお風呂場のタイルも割れていた。
耐震のなんちゃらら前の建物だったからか、他の住人のとこにもダメージあったみたいで、建て替えが必要になってしまった。
約6ヶ月ほど、賃貸会社が敷金ゼロで格安物件を斡旋(あっせん)してくれるらしい。
とりあえずどこかに出ていかなければならないので、スーパーの店員さんに無料の段ボールを引っ越しの為、たくさん段ボールを貰った。
感謝、感謝、ありがたや、ありがたや。
家がすぐ近くだった佐藤と、よくスーパーで会うのだが、引っ越し準備だと話したら、翌日の夜見積もり、そしてなぜか次の会社休みの日引っ越し業者が来てあっという間に佐藤がいるハイツにお引越し。
ルームシェアだとか。
家賃を折半、生活費も入れると言ったが……ココの家賃今だに知らない俺。
携帯で検索したが出てこない。
賃貸だよな?
ニコイチの一軒家風ハイツ、上下に分かれていて、1階にちょっとした庭が付いてる感じで、その庭で家庭菜園を佐藤がしている。
絶対ココ高い物件だ!!
しつこく家賃の事や生活費を入れると言い続けると
「てぃーてぃーに挿れるのは俺だけ。」とか「家賃なんかはいいから、てぃーてぃーをここに閉じ込めで誰にも見せたくない。」とか怖い言葉ばかり吐かれた。
引っ越し費用も受け取ってもらえなかった。
同じ同僚だろう?
給料も同じくらいのはず。
食費すら受け取ってもらえないのは、同じく男として何だか情け無く思ったし、佐藤ばかりに負担はかけたくないと思い、一人暮らししていた生活費分を可愛くない大きめの貯金箱を無理矢理キッチンに置いた。
貯金箱に毎月突っ込んだお金で、年に一度はリッチな旅行、豪華な食事をしようと言うとしぶしぶ了承した佐藤だった。

佐藤と月日にそこそこ流された俺、一年経った今も佐藤が俺を好きでいてくれている。
毎日の様に好きだとか可愛いとか、あ、愛してるとか言ってくるし、ご飯も俺好みの物をよく作ってくれている。俺は佐藤に何を返せてるだろうか?
してもらいっぱなしでは不安になるし、あと何年好きでいてくれるんだろうか?
同性と同棲……。
同性婚はまだ認められてないし…あれっ?俺って佐藤のアレを受け入れてるし、佐藤の事…「……好き?」
「好きより愛してるよ。数十年後も死後の世界でも一緒にイチャイチャしようね。」



          完

*佐藤の住んでいる所は、親戚の所有物だった元ハイツ物件を格安で譲ってもらっていたので持ち家。
高校からバイトを必死にしお金を貯め、社会人になりさらに節約し貯めたお金で購入した元ハイツのお家。
それを秘密にしてるわけじゃないけど、田中の可愛さに持ち家だということを言い出せないまま、家賃は要らないと断ってるだけ。

う腐腐腐
11月29日、11月30日という色々な組み合わせから妄想した物語です。
最後まで読んで頂き、まことにありがとうございます。
感謝します。
皆様、もう12月になり寒くなりましたが、お身体お大事になさってくださいませ。

イイ運がたくさん芽生えますように!!
頑張りすぎないようガンバ!!
幸せになアレ!!


       ホンマにこれで終わり
       どうもおおきに!!
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

令息だった男娼は、かつての使用人にその身を買われる

すいかちゃん
BL
裕福な家庭で育った近衛育也は、父親が失踪した為に男娼として働く事になる。人形のように男に抱かれる日々を送る育也。そんな時、かつて使用人だった二階堂秋臣が現れ、破格の金額で育也を買うと言いだす。 かつての使用人であり、初恋の人でもあった秋臣を拒絶する育也。立場を利用して、その身体を好きにする秋臣。 2人はすれ違った心のまま、ただ身体を重ねる。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

失恋して崖から落ちたら、山の主の熊さんの嫁になった

無月陸兎
BL
ホタル祭で夜にホタルを見ながら友達に告白しようと企んでいた俺は、浮かれてムードの欠片もない山道で告白してフラれた。更には足を踏み外して崖から落ちてしまった。 そこで出会った山の主の熊さんと会い俺は熊さんの嫁になった──。 チョロくてちょっぴりおつむが弱い主人公が、ひたすら自分の旦那になった熊さん好き好きしてます。

愛する者の腕に抱かれ、獣は甘い声を上げる

すいかちゃん
BL
獣の血を受け継ぐ一族。人間のままでいるためには・・・。 第一章 「優しい兄達の腕に抱かれ、弟は初めての発情期を迎える」 一族の中でも獣の血が濃く残ってしまった颯真。一族から疎まれる存在でしかなかった弟を、兄の亜蘭と玖蘭は密かに連れ出し育てる。3人だけで暮らすなか、颯真は初めての発情期を迎える。亜蘭と玖蘭は、颯真が獣にならないようにその身体を抱き締め支配する。 2人のイケメン兄達が、とにかく弟を可愛がるという話です。 第二章「孤独に育った獣は、愛する男の腕に抱かれ甘く啼く」 獣の血が濃い護は、幼い頃から家族から離されて暮らしていた。世話係りをしていた柳沢が引退する事となり、代わりに彼の孫である誠司がやってくる。真面目で優しい誠司に、護は次第に心を開いていく。やがて、2人は恋人同士となったが・・・。 第三章「獣と化した幼馴染みに、青年は変わらぬ愛を注ぎ続ける」 幼馴染み同士の凛と夏陽。成長しても、ずっと一緒だった。凛に片思いしている事に気が付き、夏陽は思い切って告白。凛も同じ気持ちだと言ってくれた。 だが、成人式の数日前。夏陽は、凛から別れを告げられる。そして、凛の兄である靖から彼の中に獣の血が流れている事を知らされる。発情期を迎えた凛の元に向かえば、靖がいきなり夏陽を羽交い締めにする。 獣が攻めとなる話です。また、時代もかなり現代に近くなっています。

愛人は嫌だったので別れることにしました。

伊吹咲夜
BL
会社の先輩である健二と達哉は、先輩・後輩の間柄であり、身体の関係も持っていた。そんな健二のことを達哉は自分を愛してくれている恋人だとずっと思っていた。 しかし健二との関係は身体だけで、それ以上のことはない。疑問に思っていた日、健二が結婚したと朝礼で報告が。健二は達哉のことを愛してはいなかったのか?

騎士団で一目惚れをした話

菫野
BL
ずっと側にいてくれた美形の幼馴染×主人公 憧れの騎士団に見習いとして入団した主人公は、ある日出会った年上の騎士に一目惚れをしてしまうが妻子がいたようで爆速で失恋する。

理香は俺のカノジョじゃねえ

中屋沙鳥
BL
篠原亮は料理が得意な高校3年生。受験生なのに卒業後に兄の周と結婚する予定の遠山理香に料理を教えてやらなければならなくなった。弁当を作ってやったり一緒に帰ったり…理香が18歳になるまではなぜか兄のカノジョだということはみんなに内緒にしなければならない。そのため友だちでイケメンの櫻井和樹やチャラ男の大宮司から亮が理香と付き合ってるんじゃないかと疑われてしまうことに。そうこうしているうちに和樹の様子がおかしくなって?口の悪い高校生男子の学生ライフ/男女CPあります。

黄色い水仙を君に贈る

えんがわ
BL
────────── 「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」 「ああ、そうだな」 「っ……ばいばい……」 俺は……ただっ…… 「うわああああああああ!」 君に愛して欲しかっただけなのに……

処理中です...