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33、接近
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*ハーフン公爵家
オレオール・ノア・ハーフンの姪である
レイラ(一歳半)はテルが公爵邸に
運び込まれてから無意識に身体の中に
おさまり切らない魔力をテルに分け与えていた。
"テルのそばにいると身体が軽くなる。"
家族以外で優しく接してくれるうえ
心地良い魔力、手を繋げるとお互いの
魔力は交流し身体の中に溜まりがちだった
魔力が流れるので、四六時中テルに
くっついていたのだった。
テルが来るまでは、魔道具であふれ出る
魔力を魔石に吸い込ませるだけだった
一歳半のレイラは、自分の意識で
魔力を放出させることすら出来なかったのだ。
オレオールが帰宅し、家族以外での
お気に入りの人がなぜか、急に
いなくなってしまった。
なぜいなくなってしまったのかを
一歳半のレイラは理解出来なかったのだった。
今日もテルと一緒だと思っていたレイラは
泣き叫びながら溜まった魔力が暴発
してしまったのだった。
レイラの母マリーと乳母、使用人たちは
レイラの魔力暴発に巻き込まれ、顔や
身体に切り傷や火傷を負ってしまったのだ。
周りの惨憺(さんたん)たる光景に
レイラは気を失うように倒れたのだった。
駆けつけた公爵とフェニーチェたちは
絶句した。
誰もが助からないと思ってしまった。
「父上、テルに回復薬を人数分
用意してもらうよう魔道通信を繋いで下さい。」
「オ、オレオール?何を?」
「早く急いで下さい。緊急の魔道通信でも
魔法の手紙でもどちらでも構いません。」
オレオールの父である公爵本人と
公爵夫人は、ドワーフ族の族長と
マモノのお店ハキダメのハゲミママと
仲良くなったと聞いてやり取りもひんぱんに
してるだろうと思い、連絡をとって
くれるように頼んだのだった。
すぐさま、公爵は緊急の魔道通信をし
2箇所に連絡を入れたのだった。
連絡が入った頃、テルはドワーフ族の
洞窟の露天風呂にマモノのお店ハキダメの
オネエ様方と入っていた。
ドワーフ族のマルチダお母さんが
公爵邸の事を伝えると、すぐさま
行動開始した。
「回復薬、傷薬、万能薬あとはえーと……。」
「可愛いテルちゃん落ち着きない。
テルちゃんの作る回復薬はね、人族には
すごい威力なのよ。」
「えっ?でもギルドや騎士団に渡して
しまったけど、大丈夫かな?」
「うふふ。あれらは効果を薄めて
彼らに渡したわ。テルちゃん、自分の
作った物はあまり鑑定してないでしょう?」
「マルチダお母さん…あ、あの俺
ありがとうございます。
初めの頃、Cランクで良くて
Bランクだったからそのくらいかと
思ってました。」
「私たちは可愛いテルちゃんを守るためなら
何でもするわ。ハゲミママたちも同じ
気持ちだと思うわ。」
「……。」
「テルちゃん私たちは、あなたが
大好きで可愛い家族だと思ってるの。
大切なテルちゃんを守るためその回復薬を
渡す前に誓約書をそれぞれに
書いてもらいなさい。回復薬で
治した後でもいいから、念のため
回復薬を使う者、使うのを見た者などに
ちゃんとサインさせなさい。」
「……はい。」
自分の作った薬を改めて鑑定すると
ほとんどがSランクでたまにAランクが
あるくらいだった。
「鑑定。」
回復薬Sランク:魔力・体力全回復、
状態異常正常化、骨折から瀕死まで全回復
幻の回復薬
「……。」
作った回復薬Sランクと、マルチダお母さんが
準備してくれた魔法の誓約書の束を
カバンに入れた。そして俺たちは
マルチダお母さんたちに見守られながら
ハゲミママ、ウサミさん、ヒゲミさんが
一緒にもう一度ハーフン公爵邸に
向かったのだった。
ほぼ転移魔法を使ったんじゃないのか?
と思えるほど早かった。
公爵邸から連絡を受けてから約四半刻
(約30分)経っていた。
公爵邸に到着すると、すぐさま案内されたが、
その場所に向う途中どころか公爵邸に到着と
同時に焦げ臭い匂いと血の匂いが
していた。その部屋にいた者は
ほぼ皆、虫の息だった。
公爵邸の侍医がストックしていた
ありったけの回復薬や癒し魔法を使い
懸命に癒そうとしていた。
扉がほぼ焼け落ちた部屋に足を踏み入れると
使用人4人、乳母1人、マリー次期公爵夫人は
焦げた床の上に倒れ、見える範囲の
衣服もぼろぼろになっていた。
ブランケットがかかっていない手や顔は
酷い火傷状態になっており、見た事は
なかったがまるで焼死体のようだと
テルは思ってしまった。
「テル、来てくれてありがとう。
すまなかった。」
「……オレオールさ、様?」
優しい声質でいきなり抱きしめられた
テルは何が起きたのか一瞬わからなかった。
「ニホンにいた時のように、呼び捨てで
呼んで欲しい。」
「!!!」
記憶が戻ったの?やっぱり、日本にいた
コスプレイヤーはオレオールさんなの?
聞きたい事がたくさんすぎてテルは
言葉を選んでいたら、
「ちょっと、そこのお二人さん、
そーいうことは後でたっぷりしてくれて
いいから、テルちゃんとっとと回復薬出して!
あと誓約書もね。今この場にいる人全員
サインできる人はして。回復して
書ける様になってからでもいいけど
ここにいる人というか公爵邸から
逃げれないように結界をしたから
ごめんねぇ~。」
「「「「「「「!!!」」」」」」」
手分けしながらほぼ焼死体のような身体に
俺が作った回復薬を身体にかけて行った。
みるみるうちに肌は、本来の色を
取り戻し顔や手足、至る所の傷や火傷は
完治して行った。
その場にいたほとんどの者は、奇跡を
目にし驚異しながらも喜びの涙を流していた。
レイラちゃんの魔力暴発は、暴走とは違い
一瞬だったこと。
溜まってしまった魔力が感情に反応し
爆発が起きた状態だった為、人の命を
奪う1歩手前で抑えられていたようだった。
だが、自分が人を傷つけたのはわかったのか、
翌日になっても目覚めず、6日経った今も
まだ目覚めようとはしなかった。
テルは公爵邸の侍医やハゲミママたちと
連絡を取りながら今も、公爵邸に
滞在していた。
「レイラちゃん、まだ眠いのかな?
寝る子は育つって言うけど、ご飯を
ちゃんと食べないと大きくならないよ。」
「……。」
「レイラちゃんのお父さんとお母さんも
心配してるよ。」
ピクッ
レイラちゃんの指先が微かに反応した。
「レイラちゃんのお母さんや乳母…さん?
レイラちゃんのお世話してくれていた皆も
皆無事だよ。だから、みんなで
美味しい物食べよう。」
ピクっピクっ
「早く起きないと、俺1人でレイラちゃんの
好きな食べ物ぜ~んぶ食べちゃうよ。」
「テルが可愛い。私がテルを食べたい。」
「……。」
テルはオレオールの言葉に照れてしまった。
「もぉ、オレオールさんは、黙ってて!
レイラちゃんの手がピクピク動いたし
反応あったの。レイラちゃんの好きな食べ物
なんだろう?好みの食べ物を
眠ってるレイラちゃんの鼻の下に置いて
匂いを嗅がしたら起きないかな?」
「テル、レイラはそんなに食い意地は
はってないと思うぞ?」
「そうかな?だってまだ小さな子どもだし
ちゃんと食べて寝ないと大きくならないんだよ?
無理矢理、食べさそうか?回復薬を
口に流し込むとか……。起きてくれないと
喉詰まらせたら怖いな……。」
「テル…それはちょっと……。」
「この際、脇の下とか足の裏くすぐろうか?」
*テルは真剣に考えてます。
「匂いがキツくておいしい料理、
ニンニクが効いたステーキ肉や
ハンバーグ……ハンバーグならレイラちゃんも
食べれるよね?ニンニクはなしでもいいけど
ニンニク…すりおろしたのをレイラちゃんの
枕元に置いたら、レイラちゃん起きるかな?」
「……。」
オレオールはテルが考えだす事に
ヒヤヒヤしながらもコロコロかわる
テルの表情を楽しんでいた。
「ねぇ、オレオールさん、ここの調理場
ちょこっと貸してくれないかな?」
「調理場?テルが自ら作るつもりか?」
「うん、そうしようかなって。やわらい物なら
シチュー系とかハンバーグ、プリンなら
身体を座った状態にして、お口もぐもぐ
出来ないかなぁと思ったんだけど
どぉかな?」
「わ、私も……。」
「えっ?オレオールさんも手伝ってくれるの?」
「いや……そうじゃなくて……。」
オレオールはテルの可憐な花が咲いたような
可愛い笑顔に言葉を詰まらせてしまったのだ。
オレオールもテルの手作り料理を
食べたいと言えないまま、調理場を
使う許可をもらいに部屋を出ようとした。
「……やっ、イヤ、行っちゃヤダ。」
「「!!」」
弱々しい力でテルの服をつかみ、
ほぼ黒になった髪の毛と目の色のレイラの
瞳からポロポロと涙が流れたのだった。
オレオール・ノア・ハーフンの姪である
レイラ(一歳半)はテルが公爵邸に
運び込まれてから無意識に身体の中に
おさまり切らない魔力をテルに分け与えていた。
"テルのそばにいると身体が軽くなる。"
家族以外で優しく接してくれるうえ
心地良い魔力、手を繋げるとお互いの
魔力は交流し身体の中に溜まりがちだった
魔力が流れるので、四六時中テルに
くっついていたのだった。
テルが来るまでは、魔道具であふれ出る
魔力を魔石に吸い込ませるだけだった
一歳半のレイラは、自分の意識で
魔力を放出させることすら出来なかったのだ。
オレオールが帰宅し、家族以外での
お気に入りの人がなぜか、急に
いなくなってしまった。
なぜいなくなってしまったのかを
一歳半のレイラは理解出来なかったのだった。
今日もテルと一緒だと思っていたレイラは
泣き叫びながら溜まった魔力が暴発
してしまったのだった。
レイラの母マリーと乳母、使用人たちは
レイラの魔力暴発に巻き込まれ、顔や
身体に切り傷や火傷を負ってしまったのだ。
周りの惨憺(さんたん)たる光景に
レイラは気を失うように倒れたのだった。
駆けつけた公爵とフェニーチェたちは
絶句した。
誰もが助からないと思ってしまった。
「父上、テルに回復薬を人数分
用意してもらうよう魔道通信を繋いで下さい。」
「オ、オレオール?何を?」
「早く急いで下さい。緊急の魔道通信でも
魔法の手紙でもどちらでも構いません。」
オレオールの父である公爵本人と
公爵夫人は、ドワーフ族の族長と
マモノのお店ハキダメのハゲミママと
仲良くなったと聞いてやり取りもひんぱんに
してるだろうと思い、連絡をとって
くれるように頼んだのだった。
すぐさま、公爵は緊急の魔道通信をし
2箇所に連絡を入れたのだった。
連絡が入った頃、テルはドワーフ族の
洞窟の露天風呂にマモノのお店ハキダメの
オネエ様方と入っていた。
ドワーフ族のマルチダお母さんが
公爵邸の事を伝えると、すぐさま
行動開始した。
「回復薬、傷薬、万能薬あとはえーと……。」
「可愛いテルちゃん落ち着きない。
テルちゃんの作る回復薬はね、人族には
すごい威力なのよ。」
「えっ?でもギルドや騎士団に渡して
しまったけど、大丈夫かな?」
「うふふ。あれらは効果を薄めて
彼らに渡したわ。テルちゃん、自分の
作った物はあまり鑑定してないでしょう?」
「マルチダお母さん…あ、あの俺
ありがとうございます。
初めの頃、Cランクで良くて
Bランクだったからそのくらいかと
思ってました。」
「私たちは可愛いテルちゃんを守るためなら
何でもするわ。ハゲミママたちも同じ
気持ちだと思うわ。」
「……。」
「テルちゃん私たちは、あなたが
大好きで可愛い家族だと思ってるの。
大切なテルちゃんを守るためその回復薬を
渡す前に誓約書をそれぞれに
書いてもらいなさい。回復薬で
治した後でもいいから、念のため
回復薬を使う者、使うのを見た者などに
ちゃんとサインさせなさい。」
「……はい。」
自分の作った薬を改めて鑑定すると
ほとんどがSランクでたまにAランクが
あるくらいだった。
「鑑定。」
回復薬Sランク:魔力・体力全回復、
状態異常正常化、骨折から瀕死まで全回復
幻の回復薬
「……。」
作った回復薬Sランクと、マルチダお母さんが
準備してくれた魔法の誓約書の束を
カバンに入れた。そして俺たちは
マルチダお母さんたちに見守られながら
ハゲミママ、ウサミさん、ヒゲミさんが
一緒にもう一度ハーフン公爵邸に
向かったのだった。
ほぼ転移魔法を使ったんじゃないのか?
と思えるほど早かった。
公爵邸から連絡を受けてから約四半刻
(約30分)経っていた。
公爵邸に到着すると、すぐさま案内されたが、
その場所に向う途中どころか公爵邸に到着と
同時に焦げ臭い匂いと血の匂いが
していた。その部屋にいた者は
ほぼ皆、虫の息だった。
公爵邸の侍医がストックしていた
ありったけの回復薬や癒し魔法を使い
懸命に癒そうとしていた。
扉がほぼ焼け落ちた部屋に足を踏み入れると
使用人4人、乳母1人、マリー次期公爵夫人は
焦げた床の上に倒れ、見える範囲の
衣服もぼろぼろになっていた。
ブランケットがかかっていない手や顔は
酷い火傷状態になっており、見た事は
なかったがまるで焼死体のようだと
テルは思ってしまった。
「テル、来てくれてありがとう。
すまなかった。」
「……オレオールさ、様?」
優しい声質でいきなり抱きしめられた
テルは何が起きたのか一瞬わからなかった。
「ニホンにいた時のように、呼び捨てで
呼んで欲しい。」
「!!!」
記憶が戻ったの?やっぱり、日本にいた
コスプレイヤーはオレオールさんなの?
聞きたい事がたくさんすぎてテルは
言葉を選んでいたら、
「ちょっと、そこのお二人さん、
そーいうことは後でたっぷりしてくれて
いいから、テルちゃんとっとと回復薬出して!
あと誓約書もね。今この場にいる人全員
サインできる人はして。回復して
書ける様になってからでもいいけど
ここにいる人というか公爵邸から
逃げれないように結界をしたから
ごめんねぇ~。」
「「「「「「「!!!」」」」」」」
手分けしながらほぼ焼死体のような身体に
俺が作った回復薬を身体にかけて行った。
みるみるうちに肌は、本来の色を
取り戻し顔や手足、至る所の傷や火傷は
完治して行った。
その場にいたほとんどの者は、奇跡を
目にし驚異しながらも喜びの涙を流していた。
レイラちゃんの魔力暴発は、暴走とは違い
一瞬だったこと。
溜まってしまった魔力が感情に反応し
爆発が起きた状態だった為、人の命を
奪う1歩手前で抑えられていたようだった。
だが、自分が人を傷つけたのはわかったのか、
翌日になっても目覚めず、6日経った今も
まだ目覚めようとはしなかった。
テルは公爵邸の侍医やハゲミママたちと
連絡を取りながら今も、公爵邸に
滞在していた。
「レイラちゃん、まだ眠いのかな?
寝る子は育つって言うけど、ご飯を
ちゃんと食べないと大きくならないよ。」
「……。」
「レイラちゃんのお父さんとお母さんも
心配してるよ。」
ピクッ
レイラちゃんの指先が微かに反応した。
「レイラちゃんのお母さんや乳母…さん?
レイラちゃんのお世話してくれていた皆も
皆無事だよ。だから、みんなで
美味しい物食べよう。」
ピクっピクっ
「早く起きないと、俺1人でレイラちゃんの
好きな食べ物ぜ~んぶ食べちゃうよ。」
「テルが可愛い。私がテルを食べたい。」
「……。」
テルはオレオールの言葉に照れてしまった。
「もぉ、オレオールさんは、黙ってて!
レイラちゃんの手がピクピク動いたし
反応あったの。レイラちゃんの好きな食べ物
なんだろう?好みの食べ物を
眠ってるレイラちゃんの鼻の下に置いて
匂いを嗅がしたら起きないかな?」
「テル、レイラはそんなに食い意地は
はってないと思うぞ?」
「そうかな?だってまだ小さな子どもだし
ちゃんと食べて寝ないと大きくならないんだよ?
無理矢理、食べさそうか?回復薬を
口に流し込むとか……。起きてくれないと
喉詰まらせたら怖いな……。」
「テル…それはちょっと……。」
「この際、脇の下とか足の裏くすぐろうか?」
*テルは真剣に考えてます。
「匂いがキツくておいしい料理、
ニンニクが効いたステーキ肉や
ハンバーグ……ハンバーグならレイラちゃんも
食べれるよね?ニンニクはなしでもいいけど
ニンニク…すりおろしたのをレイラちゃんの
枕元に置いたら、レイラちゃん起きるかな?」
「……。」
オレオールはテルが考えだす事に
ヒヤヒヤしながらもコロコロかわる
テルの表情を楽しんでいた。
「ねぇ、オレオールさん、ここの調理場
ちょこっと貸してくれないかな?」
「調理場?テルが自ら作るつもりか?」
「うん、そうしようかなって。やわらい物なら
シチュー系とかハンバーグ、プリンなら
身体を座った状態にして、お口もぐもぐ
出来ないかなぁと思ったんだけど
どぉかな?」
「わ、私も……。」
「えっ?オレオールさんも手伝ってくれるの?」
「いや……そうじゃなくて……。」
オレオールはテルの可憐な花が咲いたような
可愛い笑顔に言葉を詰まらせてしまったのだ。
オレオールもテルの手作り料理を
食べたいと言えないまま、調理場を
使う許可をもらいに部屋を出ようとした。
「……やっ、イヤ、行っちゃヤダ。」
「「!!」」
弱々しい力でテルの服をつかみ、
ほぼ黒になった髪の毛と目の色のレイラの
瞳からポロポロと涙が流れたのだった。
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