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20、"マモノ"のお店
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「俺…いや、私の名前は……はぁ~
やっぱやめた、テキトーに
呼んでくれていい。あんたの名前は?」
「……。」
「んっ、私なんかに名乗りたくないの?
それとも、名乗れば食べられるとか
乗っ取られるとか思った?」
「……。」
ドワーフ族以外の場所に行くとき
認識阻害とか沈黙魔法、かかっていたし
喋らなくていいと思ってたけど、
今日の俺、会議ということで
沈黙魔法かかってなかったんだった……。
「こんな私とは話すのは嫌なのかな?」
「……あっ、ごめんなさい。話せる事
忘れてました。普段は外に出る時
沈黙魔法かかってるので……。」
「なんですって!!ちょっと、それって
虐待じゃないの!!かけたやつ、ちょっと
殺してくる。お前にそれかけたやつの
名前と住所教えろ!!」
イヤイヤイヤ、そんなん教えるわけないし
ちょっと殺してくる、って
ちょっと散歩行ってくる、って感じで
軽く言わないでよ。
それに、住所って町の名前すら覚えてないよ。
「くそっ!!やはり俺らの種族以外
酷い奴らばかりなのね!!」
「……い、いえ(そうじゃないんです)」
って言おうとしたら
「もう、あんなとこに戻らなくてもいいわ。
同族の匂いがする、あなたの面倒くらい
私が立派に育ててあげるわ。」
「……いえ、結構です。」
「遠慮なんか要らないわ。俺…じゃなくて
私、こう見えてナンバー(ゴニョゴニョ)を、
トータル10数年してきたのよ。」
「……。」
さっきから一人称が、"俺"と"私"
コロコロ変わり過ぎてますよ?!
「今は人族の町に、数箇所の食事処を
設けて料理出来る人を指導して
何人か雇ってあげてるんだけど
あなた1人くらい、いえあなた位の子なら
可愛いし、イイ匂いだし何人かは養えれるわよ。」
「……あ、あのぉ~、お仕事は
食事処の店長さんですか?」
「まあ、そんなところ。何店舗か
掛け持ちして俺好みの味を作れるヤツを
各地域に確保してるんだ。料理開発の
本業に集中したいから接客は
極力してないんだけど、最近
ここいら一体の特に人種が辞めてしまったから
次の候補がなかなか見つからないんだよ。」
なかなかの話が長い人?なのかもしれない。
何度も、ため息をつきながら話していた。
「なんだか質の良い従業員がなかなか
いないんだよなぁ~、はぁ~。」
「なんだか大変ですねぇ。」
これはグチなのかなぁ?
地域限定品、同じ味?同じ調理法?
店構えはめんどくさいから、だいたい同じ
とか言うてるけど、チェーン店の
料理開発してるお仕事なのかな?
お料理は好きだけど最近、良い食材が
手に入らないとか、他にも色々
同じような内容の話しながら、
のんびりお空の旅を続けていた。
「私たちが売ってそれを人族が買う。
気に入らない奴には売らないし、
私たちは人族より強いから
おバカな奴には、色々とお仕置きするだけ。
安心してちょうだい。あんな所にいたから
まともに食事もしてないんじゃない?」
「いえ、マルチダお母さんや他の
ドワーフ族の人たちにお世話に
なってましたし、食べ物もちゃんと
食べてました。」
「ドワーフ族?!……そういえば
いた様な…身長は同じくらいかしら?
でも、あなたは人族よりの私たちと同じ、
どちらかが人族で、どちらかが同族って事ね。」
さっきから、この男性の言葉が気になるけど
なんだろう?
人族向けの食事と私たち独自の食事
どちらがいい?と聞かれたので
「人族向け?でお願いします。」
と答えたら、"マモノ"のお店ハキダメ"
「……。」
従業員入り口と書かれたとある
おもむきある1軒のお店に連れていかれた。
扉をくぐった瞬間テルは
"マッ、マモノだ。マモノがいる!!"と
顔が青ざめのだった。
「あなた可愛すぎるから、ハゲミママの
次くらいだから、ナンバー2になりそうね。」
「……。」
人気・売り上げ順で不動の第1位は
この店のママであるハゲミママだそうだ。
第2位と第3位がほんのわずかだけど
2位がヒゲミちゃん、3位が料理担当の
ウサミというオネェさま方だそうだ。
んっ?この人も料理担当って言ってたよね?
***
その頃、人族の町のとある会議室では
テルが堂々と魔族に攫われた事により
大騒ぎになっていた。
フェーリス国の宰相、ジョナサーンと
騎士団を代表して赤騎士団団長の
ドムドーム・バンハーグ
冒険者ギルド長、マルチダ
商人・商業ギルド長、デトロワの連盟で
騎士団全体と主に冒険者たちに
テルの捜索命令が出されたのだった。
・身長約160cm、黒目黒髪
・ドワーフ族の秘蔵っ子
・名前は"テル"
*認識阻害がかかっている恐れあり。
やっぱやめた、テキトーに
呼んでくれていい。あんたの名前は?」
「……。」
「んっ、私なんかに名乗りたくないの?
それとも、名乗れば食べられるとか
乗っ取られるとか思った?」
「……。」
ドワーフ族以外の場所に行くとき
認識阻害とか沈黙魔法、かかっていたし
喋らなくていいと思ってたけど、
今日の俺、会議ということで
沈黙魔法かかってなかったんだった……。
「こんな私とは話すのは嫌なのかな?」
「……あっ、ごめんなさい。話せる事
忘れてました。普段は外に出る時
沈黙魔法かかってるので……。」
「なんですって!!ちょっと、それって
虐待じゃないの!!かけたやつ、ちょっと
殺してくる。お前にそれかけたやつの
名前と住所教えろ!!」
イヤイヤイヤ、そんなん教えるわけないし
ちょっと殺してくる、って
ちょっと散歩行ってくる、って感じで
軽く言わないでよ。
それに、住所って町の名前すら覚えてないよ。
「くそっ!!やはり俺らの種族以外
酷い奴らばかりなのね!!」
「……い、いえ(そうじゃないんです)」
って言おうとしたら
「もう、あんなとこに戻らなくてもいいわ。
同族の匂いがする、あなたの面倒くらい
私が立派に育ててあげるわ。」
「……いえ、結構です。」
「遠慮なんか要らないわ。俺…じゃなくて
私、こう見えてナンバー(ゴニョゴニョ)を、
トータル10数年してきたのよ。」
「……。」
さっきから一人称が、"俺"と"私"
コロコロ変わり過ぎてますよ?!
「今は人族の町に、数箇所の食事処を
設けて料理出来る人を指導して
何人か雇ってあげてるんだけど
あなた1人くらい、いえあなた位の子なら
可愛いし、イイ匂いだし何人かは養えれるわよ。」
「……あ、あのぉ~、お仕事は
食事処の店長さんですか?」
「まあ、そんなところ。何店舗か
掛け持ちして俺好みの味を作れるヤツを
各地域に確保してるんだ。料理開発の
本業に集中したいから接客は
極力してないんだけど、最近
ここいら一体の特に人種が辞めてしまったから
次の候補がなかなか見つからないんだよ。」
なかなかの話が長い人?なのかもしれない。
何度も、ため息をつきながら話していた。
「なんだか質の良い従業員がなかなか
いないんだよなぁ~、はぁ~。」
「なんだか大変ですねぇ。」
これはグチなのかなぁ?
地域限定品、同じ味?同じ調理法?
店構えはめんどくさいから、だいたい同じ
とか言うてるけど、チェーン店の
料理開発してるお仕事なのかな?
お料理は好きだけど最近、良い食材が
手に入らないとか、他にも色々
同じような内容の話しながら、
のんびりお空の旅を続けていた。
「私たちが売ってそれを人族が買う。
気に入らない奴には売らないし、
私たちは人族より強いから
おバカな奴には、色々とお仕置きするだけ。
安心してちょうだい。あんな所にいたから
まともに食事もしてないんじゃない?」
「いえ、マルチダお母さんや他の
ドワーフ族の人たちにお世話に
なってましたし、食べ物もちゃんと
食べてました。」
「ドワーフ族?!……そういえば
いた様な…身長は同じくらいかしら?
でも、あなたは人族よりの私たちと同じ、
どちらかが人族で、どちらかが同族って事ね。」
さっきから、この男性の言葉が気になるけど
なんだろう?
人族向けの食事と私たち独自の食事
どちらがいい?と聞かれたので
「人族向け?でお願いします。」
と答えたら、"マモノ"のお店ハキダメ"
「……。」
従業員入り口と書かれたとある
おもむきある1軒のお店に連れていかれた。
扉をくぐった瞬間テルは
"マッ、マモノだ。マモノがいる!!"と
顔が青ざめのだった。
「あなた可愛すぎるから、ハゲミママの
次くらいだから、ナンバー2になりそうね。」
「……。」
人気・売り上げ順で不動の第1位は
この店のママであるハゲミママだそうだ。
第2位と第3位がほんのわずかだけど
2位がヒゲミちゃん、3位が料理担当の
ウサミというオネェさま方だそうだ。
んっ?この人も料理担当って言ってたよね?
***
その頃、人族の町のとある会議室では
テルが堂々と魔族に攫われた事により
大騒ぎになっていた。
フェーリス国の宰相、ジョナサーンと
騎士団を代表して赤騎士団団長の
ドムドーム・バンハーグ
冒険者ギルド長、マルチダ
商人・商業ギルド長、デトロワの連盟で
騎士団全体と主に冒険者たちに
テルの捜索命令が出されたのだった。
・身長約160cm、黒目黒髪
・ドワーフ族の秘蔵っ子
・名前は"テル"
*認識阻害がかかっている恐れあり。
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