【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。

カヨワイさつき

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1、約束?

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「田辺君悪いけど欠員出たから
このまま最終までバイト頼むよ。」
「……は、はいわかりました。」
ここ数日毎日バイトざんまい。
朝5時からコンビニ、昼はカフェ
夕方から深夜まで居酒屋。
ここんとこ毎日欠員による残業で
寝不足だけど、約3ヶ月前知り合った
騎士風のコスプレイヤーと初めての
友達になった。
最初こそ言葉は通じなかったけど
イケメンコスプレイヤーは頭の中身も
優秀なのかたった3ヶ月で日本語
マスターしたかもしれない。
俺はというと身振り手振りで説明する程度だ。
1人ならたまに漫画喫茶などで寝泊まりするのだが
オレオールさんと俺との2人だから
バックパッカー向けの安いホステルを
たまに利用していた。
お金はないとの事で身につけてるのは
本格的な鎧に綿?シャツにいつの時代の
下着なんだ?というふうなヒモで結ぶ
タイプの短パンが下着だそうだ。
そして、お持ちのオレオールさんの
オレオールさんは立派すぎだった。
しかもヤバい組織に所属なのかというくらい
筋肉質な素晴らしい身体の所々に
刃物傷?があり職業なんだろう?と
聞くのにためらってしまった。
「オレオールさんは、ここに来るまで
…仕事…何してるの?」
「フェーリス国の騎士だよ。」
「フェ、フェーリス国の騎士?」
「そう。こことは何もかもが違うが
私のいる国もいいとこだよ。」
「ヘェ~、俺は外国や旅行にも行ったことないから
オルオールさんの国行ってみたいな。」
「……ああ、テルなら歓迎するよ。」
ちゅっ。
「や、やめてって、ここは日本だし
あいさつでそういうのん、す、する習慣
ないからやめてほしい。」
「テルはいつも可愛いな。」
ココ最近、オレオールさんはやたらと
スキンシップして来るようになった。
俺が3つのバイト掛け持ちしている間
履歴書とかも要らない日雇いバイト
ティッシュ配りをオレオールさんはしていた。
イケメンコスプレのまま配ると
あっという間なくなり、宣伝効果が
すごいらしく日雇いのはずなのに
優先的に仕事を回してくれてるそうで
週に4日は短時間単発でバイトしていた。
「テルにはいつも苦労かけるねぇ。」
「それは言わない約束だよ。」
「ヤクソク…ごめん、したこと
私は忘れたようだ。すまない。」
「…ごめん、約束は…ごめん。」
オレオールさんごめんなさい、そのセリフ
言ってみたかっただけで、約束してないし
時代劇でよくあるセリフなんだ。

チュッ。
申し訳ない気持ちでいっぱいになってると
また、ほっぺにチュッされてしまった。
「こ、ここは日本だから……。」
「はいはい、言わない約束ねっ。」
イケメンのウインクは破壊力抜群だった。
男が男に惚れるのはこんな感じなのかな?
バッグパック向けのホステル先でも
オレオールさんは人気で、誰かが
置いていったらしい古いタイプの
テレビに繋げるゲーム機とコントローラーで
魔物を倒してレベルアップしていく
RPGにハマっているみたいだ。
「やはり剣だけではダメだな。色々な
武器を手に入れなければ……。」
「こんな形の武器、使いにくいはずなのに……。」
まるで本物の騎士のような振る舞いで
他の皆にも人気者だった。

あの日まで……。
「初めてのバイト代で買ってみた。
安物でごめんね。いつか…国に……。
テル、かわいいよ。」
チュッ。
青い綺麗な石のネックレスはまるで
オレオールさんの瞳のように輝いていた。
毎日のように居酒屋のバイト先に
迎えに来てくれていたオレオールさんは
いなかった。
翌日もその次の日も、まるで
いなかったかのように消えてしまった。
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