60 / 69
第二章 婚姻に向けて
56、ソリトル領
しおりを挟む
ボイニー王国のオレット王弟殿下、
スウランの元王子リナリア・セレイスさんを
(勇逸の妻、最愛の妻)失ったオレット王弟殿下は、
なぜか俺たちについてくる事になった。
同時に浄化も必要になるかもしれないと
言い出したマコト様も、色々と準備をし
嬉しそうに旅に同行する事になった。
といっても、ナオクルさんの転移だけどね。
かなりの大人数だけど大丈夫かな?
と思ったけど、「魔力はそれなりに消費
出来るから魔力暴走しなくてすむ。」って
安心できるのか出来ないのかわからない
答えをくれたのだった。
王弟殿下の馬車2台と護衛、
ソリトル伯爵の馬車1台とアイテムバック
アイテムバックには、荷馬車2台分くらいの
褒美品や医療品、食糧品が詰め込まれたそうだ。
俺とナオクルさん、そしてマコト様、
アベリアちゃんに乳母のミークさんと
ライトちゃん。
ハミラさん、カウビさん、ロイズさん
アベリアちゃんのお世話係兼護衛。
(各騎士団からのよりすぐりだから
腕はたしかだそうだ。)
かなりの大所帯だけど大丈夫なのかな?
って思ったら、あっという間に森の中?!
帰り道に山間部の村々を巡って行く
予定だったみたいだけど、
ここであってるのかな?
転移前に、伯爵に場所のイメージを強く
思ってもらい、手をかざし読み取ったらしい。
ナオクルさんが、そこに全員
転移させたみたいだった。
ぞろぞろ行くのもちょっとと思ったから、
村の中には、伯爵と俺とナオクルさん、
そしてアベリアちゃんとで行く事になった。
あとは、村の外の森の中で待機しながらの、
ちょっとした魔物など狩りをするみたいだった。
「あっ!!シューちゃん!」
「ホントだぁ、でも、あれ?可愛いお兄ちゃんと
きれいな人。あっ、赤ちゃん。」
「久しぶりだな。元気だったか?」
「うん。シューちゃんも元気そうだね。」
「あぁ、村長はいるかな?」
「うん、畑にいるよ。たぶん。」
「呼んでくるぅ~。」
「あっ、行くからいい…って言うつもりが
相変わらず足が早いなあ。」
「……。」
「子どもが……。」
「ははっ。ここは国境沿いだからね。」
「……?」
国境沿い?肌の色どころか、初めて見る
もふもふ、ケモ耳の可愛い子どもたち。
異世界バンザイ。人間の子どもだけじゃなく
様々な種族が一緒に住んでるんだ。すごい。
「これはこれは。シューガー・ソリトル 様、
そして、美形揃いですね。はじめまして
このヨセ村の村長です。」
「は、はじめまして。」
「……。」
村長に隠れるように村長と同じくらいの
身長の子どもや明らかに大きな?
なんだろう大人にしては、若いような
種族がわからない者が多かった。
「ほっほ。小人族のドワーフや他の
種族を見るのは初めてなのかな?」
「は、はい。」
「総帥、カズミくん。このヨセ村はね、
人族より力はある者が多いし、混じり者や
忌み子と蔑まされ、他の所から運良く
たどり着いた者が多いんだよ。」
伯爵は義理の親だから俺に対して"様"付けは
やめて呼び捨てにして欲しいって、
お願いしたけど、"くん"づけなら、
まだいいのか…いきなりはやはり、難しいかな?
「……忌み子って……。」
「前国王の時よりは、だいぶ良くなったし
奴隷制度もなくなった。だけど、一度
あったことは、なかなかなくならないし
奴隷、愛玩、わざと無理矢理な交配で
奇形児や魔物のような子どもが作らされてる
現実を知って欲しい。」
伯爵は真剣な表情で、俺の目を見ながら話してくれた。
「……はい。」
伯爵と村長はアイコンタクトをとり
俺に丁寧に説明してくれた。
「この子はたぶんじゃが犬鬼族のコボルトと
兎人属、こちらはリザードマンとなんじゃろな?
親に捨てられたり、騎士団が捕まえてくれた
他国の奴隷商人から引き取った子じゃ。
他の子も、元々が色々な所からの
寄せ集めの村、ヨセ村、なかなか良い名前の
村じゃろ?!はははっ。」
村の名前、この人がつけたのか?
「村長、なかなか頻繁に来れなくてすまない。」
「いえいえ、シューちゃんもよく出来た
領主じゃし、他の領に誇れる領主様になってるよ。」
「ありがとう。そう言ってくれて、私を
甘やかしながら苦言も言うし、色々助けてくれて
ありがとう。助かるよ。」
「全く、前国王もシューちゃんを見習わないから
神罰が落ちて亡くなったんだ。って
亡くなった者の悪口はダメじゃな。すまん。」
そう言いながら、笑い合う2人は素敵に見えた。
「信頼し合っていて、すごいなあ。」
「「今でこそ(だな。)じゃな。」」
「……えっ?」
このダワーフの村長と伯爵は、笑い出した。
昔は犬猿の仲と言えるほど、領主と村長は
お互い嫌っていたそうだ。
ソリトル伯爵のひいお爺さんの頃からの
付き合いで、息子自慢、孫自慢で
意気投合したものの、困っている者を
片っ端からお世話するし、後先考えずに
助けるから、自分の食べる物がなくなるほど
だったり、騙されたりしてボロボロに
なったひいお爺さんにお灸を据えたらしい。
どんなお灸かは、現領主はしらないとの事。
「……。」
根っからのお人好し領主は、今も
引き継がれているそうで、歴代の領主に
苦言多めの、アドバイスを
口うるさく言っていたらしい。
あまりにもダメ出しにするものだから、
伯爵の親は早々に今の伯爵に領主を任せ、
自由気ままに、色々あちこちに手を出して
人助けしまくっているらしい。
領地の境目を重点的に回っているらしい。
「なんだかすごい人の息子になったんだ、俺。」
ポソっと呟いた俺の言葉で、ヨセ村は
お祝いムードになった。
スウランの元王子リナリア・セレイスさんを
(勇逸の妻、最愛の妻)失ったオレット王弟殿下は、
なぜか俺たちについてくる事になった。
同時に浄化も必要になるかもしれないと
言い出したマコト様も、色々と準備をし
嬉しそうに旅に同行する事になった。
といっても、ナオクルさんの転移だけどね。
かなりの大人数だけど大丈夫かな?
と思ったけど、「魔力はそれなりに消費
出来るから魔力暴走しなくてすむ。」って
安心できるのか出来ないのかわからない
答えをくれたのだった。
王弟殿下の馬車2台と護衛、
ソリトル伯爵の馬車1台とアイテムバック
アイテムバックには、荷馬車2台分くらいの
褒美品や医療品、食糧品が詰め込まれたそうだ。
俺とナオクルさん、そしてマコト様、
アベリアちゃんに乳母のミークさんと
ライトちゃん。
ハミラさん、カウビさん、ロイズさん
アベリアちゃんのお世話係兼護衛。
(各騎士団からのよりすぐりだから
腕はたしかだそうだ。)
かなりの大所帯だけど大丈夫なのかな?
って思ったら、あっという間に森の中?!
帰り道に山間部の村々を巡って行く
予定だったみたいだけど、
ここであってるのかな?
転移前に、伯爵に場所のイメージを強く
思ってもらい、手をかざし読み取ったらしい。
ナオクルさんが、そこに全員
転移させたみたいだった。
ぞろぞろ行くのもちょっとと思ったから、
村の中には、伯爵と俺とナオクルさん、
そしてアベリアちゃんとで行く事になった。
あとは、村の外の森の中で待機しながらの、
ちょっとした魔物など狩りをするみたいだった。
「あっ!!シューちゃん!」
「ホントだぁ、でも、あれ?可愛いお兄ちゃんと
きれいな人。あっ、赤ちゃん。」
「久しぶりだな。元気だったか?」
「うん。シューちゃんも元気そうだね。」
「あぁ、村長はいるかな?」
「うん、畑にいるよ。たぶん。」
「呼んでくるぅ~。」
「あっ、行くからいい…って言うつもりが
相変わらず足が早いなあ。」
「……。」
「子どもが……。」
「ははっ。ここは国境沿いだからね。」
「……?」
国境沿い?肌の色どころか、初めて見る
もふもふ、ケモ耳の可愛い子どもたち。
異世界バンザイ。人間の子どもだけじゃなく
様々な種族が一緒に住んでるんだ。すごい。
「これはこれは。シューガー・ソリトル 様、
そして、美形揃いですね。はじめまして
このヨセ村の村長です。」
「は、はじめまして。」
「……。」
村長に隠れるように村長と同じくらいの
身長の子どもや明らかに大きな?
なんだろう大人にしては、若いような
種族がわからない者が多かった。
「ほっほ。小人族のドワーフや他の
種族を見るのは初めてなのかな?」
「は、はい。」
「総帥、カズミくん。このヨセ村はね、
人族より力はある者が多いし、混じり者や
忌み子と蔑まされ、他の所から運良く
たどり着いた者が多いんだよ。」
伯爵は義理の親だから俺に対して"様"付けは
やめて呼び捨てにして欲しいって、
お願いしたけど、"くん"づけなら、
まだいいのか…いきなりはやはり、難しいかな?
「……忌み子って……。」
「前国王の時よりは、だいぶ良くなったし
奴隷制度もなくなった。だけど、一度
あったことは、なかなかなくならないし
奴隷、愛玩、わざと無理矢理な交配で
奇形児や魔物のような子どもが作らされてる
現実を知って欲しい。」
伯爵は真剣な表情で、俺の目を見ながら話してくれた。
「……はい。」
伯爵と村長はアイコンタクトをとり
俺に丁寧に説明してくれた。
「この子はたぶんじゃが犬鬼族のコボルトと
兎人属、こちらはリザードマンとなんじゃろな?
親に捨てられたり、騎士団が捕まえてくれた
他国の奴隷商人から引き取った子じゃ。
他の子も、元々が色々な所からの
寄せ集めの村、ヨセ村、なかなか良い名前の
村じゃろ?!はははっ。」
村の名前、この人がつけたのか?
「村長、なかなか頻繁に来れなくてすまない。」
「いえいえ、シューちゃんもよく出来た
領主じゃし、他の領に誇れる領主様になってるよ。」
「ありがとう。そう言ってくれて、私を
甘やかしながら苦言も言うし、色々助けてくれて
ありがとう。助かるよ。」
「全く、前国王もシューちゃんを見習わないから
神罰が落ちて亡くなったんだ。って
亡くなった者の悪口はダメじゃな。すまん。」
そう言いながら、笑い合う2人は素敵に見えた。
「信頼し合っていて、すごいなあ。」
「「今でこそ(だな。)じゃな。」」
「……えっ?」
このダワーフの村長と伯爵は、笑い出した。
昔は犬猿の仲と言えるほど、領主と村長は
お互い嫌っていたそうだ。
ソリトル伯爵のひいお爺さんの頃からの
付き合いで、息子自慢、孫自慢で
意気投合したものの、困っている者を
片っ端からお世話するし、後先考えずに
助けるから、自分の食べる物がなくなるほど
だったり、騙されたりしてボロボロに
なったひいお爺さんにお灸を据えたらしい。
どんなお灸かは、現領主はしらないとの事。
「……。」
根っからのお人好し領主は、今も
引き継がれているそうで、歴代の領主に
苦言多めの、アドバイスを
口うるさく言っていたらしい。
あまりにもダメ出しにするものだから、
伯爵の親は早々に今の伯爵に領主を任せ、
自由気ままに、色々あちこちに手を出して
人助けしまくっているらしい。
領地の境目を重点的に回っているらしい。
「なんだかすごい人の息子になったんだ、俺。」
ポソっと呟いた俺の言葉で、ヨセ村は
お祝いムードになった。
0
お気に入りに追加
1,452
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる