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第一章 2人の約束

41、信じれる者

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凄まじい力、威圧に蹴落とされた私たち。
畏怖の念しか抱けなかった神々しすぎる
あの姿の総帥。ひと型をとらず本来の姿の
総帥のあの姿に、キズだらけになりながらも
総帥に抱きつき口づけしながら癒したカズミ様。
神子たちとリストン王国の国王の私は
一瞬この部屋で、何が起きたのかわからなかった。
わかった事といえば、総帥の暴走を止めれたのは
ただ1人、カズミ様だけという事だ。
どのくらいの時が流れたかは分からないが、
総帥が再びいつもの姿に戻ると、
微笑みながらカズミ様は気を失ってしまった。
裸のままの総帥と、ほぼ裸で
キズだらけのカズミ様のお二人の姿は、
まるで1枚の絵画の様だった。
         **
カズミは動くに動けなかった。
目の前というかほっぺには、大きく
硬くなった、ナオクルさん立派なモノ。
口を開けば、それが入りそうだった。
時折脈打つ、凶悪な大きさのモノ。
この状態はヤバイ。
嫌と言うか、恥ずかしくて動けなかった。
しばらく動けないでいると、フッと耳元に
息を吹きかけられた。
「あぁ……んっ。」
起きている俺に気づいたナオクルさん。
俺の頭を撫でた後、痛々しい表情で俺をみた。
たしかに俺の身体中がチクチクするし、痛かった。
だけど、ナオクルさんに見つめられているのを
意識してしまうとなぜか、身体中が熱く感じてきた。
「……。」
口元に移動したナオクルさんの反り勃つモノの
先端からは透明な蜜が溜まっていた。
感じているんだ。
でもここは、助かって良かったって
喜ぶシーンであって、チーンが勃つ場合じゃない。
朝立ちの様な生理現象で龍の姿から
ひと型に戻ると、あそこが勃ってしまうのか?
この世界の生態は、まだまだわからないだらけだ。
俺もほぼ裸だし恥ずかしいから見ないで、って
言った方がいいのかな?
俺は心の中で、かなりどうしようか迷っていた。

「カズミを…癒してくる。」
「「「「「「「……。」」」」」」」
んっ。ナ、ナオクルさん?!
そ、その言い方は……ヤバイ。誤解されるよ。
皆からの視線を受けながら、俺は
ナオクルさんに抱っこされ、
気づけば寝室に連れていかれていた。

「……いやっ。」
これから自分の身に起きる事が想像できた。
助け出される前にされていた事を
思い出し、思わず身体が震えた。
一度震えだすとなかなか治らない震え。
そんな俺を気遣いながら、頭や
背中をトントンしたり、ぎゅーと
抱き締めてくれていた。
「…怖くて、嫌で…気持ち悪かった。」
「…ヌメヌメするし、気持ち悪い。」
「俺汚れた……。」
「変な薬、塗られたし……。」
「……(口に液体)いれられた。」
「……(お尻にも液体)いれられた。」
「口が……口に、気持ち悪い。」
泣きながら俺はとりとめないことを
口走っていた。
ナオクルさんの表情は見てないから
わからないけど、時折微かに震えながら
ずっと俺を抱きしめてくれていた。
ふわぁ~と温かな空気に包まれたと
思ったら、急な眠気がきた。
「キズは癒した。お前はきれいだ。
何も心配するな。」
頭を撫でられながら浅い眠りから
深い眠りに変わったのを確認した。
媚薬を盛られたのか、色づいた乳首に
反り勃つカズミのペニスをほっとけなかった……。
私も我慢できない状態だが……。
媚薬効果を薄め刺す為、と言い訳しながら
ナオクルはカズミの慎ましやかな蕾を舐めた。
「……んぁぁ。」
眠っているはずなのに、魅惑的な声が
吐息と一緒に漏れていた。
舐めほぐした所に指をそーっと挿れた。
中は熱く、ギュギュとゆびを締め付けてくる。
自分のペニスを挿れたい気持ちを押し込め
カズミのイイところを探し、刺激しながら
白濁を吐き出させた。
今度は乳首をコリコリしたり、
舐めまわしながら、カズミの
ペニスを上下にさすったり口に含んだ。
歯を立てない様に気をつけながら、
たまを手のひらで優しく転がし、
カリ部分を執拗に舌で攻めたのだった。
カズミの身体からほとんどの媚薬が
抜けたのだった。
「続きは、意思がある時に……。」
ナオクルは、カズミの濡れた目尻と
おでこにキスを落とし、
幾重にも結界を張り部屋を出た。

先程の部屋に戻り「ゴミを捨ててくる。」
と言い残し困惑の表情を浮かべた皆に
目を向けず、城を後にした。
バカス帝国の飢えた市街地に
2つの肉の塊を捨てた。
何かをわめきながら、痩せ細った
者たちの集団に取り囲まれた肉の塊。
やがて醜い肉の塊だったモノは
もの言わぬ肉の塊になっていた。
カラになった城。
スルス・トルッテ・バカス元帝王
ヤルッス・ウバッテ・バカス
元第一王子は消えた。

再びリストン王国に戻り、国王や
長年の付き合いのチャベツ神に
バカスの王族の裁きを頼んだ。
人間の良し悪しはわからないし、
妊夫、小さな子どもや成人していない
子どももいる。
望まぬ婚姻、無理矢理された他国の者。
戦いに敗れた国の被害者……。
カズミなら、バカス帝国の全てを滅するのを
嫌がりそうだと思ったからだ。
結界を新たに作り、閉じ込めていた空間から
バカスの王族を取り出した。
意思表示出来る子どもから
取り調べをしていった。
国民の様に飢えては居ないが
きれいな顔立ちなのに、皆
顔色が悪かった。
リストン国王とナオクル、神子たち
そして神々しい神々がいたからかも
しれない。
一人一人、遮音の部屋で事情を聞き
今後の処置をどおするか問いかけた。
ほとんどの者が処刑されると思って
いたのか、温かな対応に涙した。
ほぼ全員、バカス帝国に戻りたくはないとの
意思表示をし、妊夫に至っては
産みたくないという者までいた。
リストンの国王は、「長引きそうだ。」
とため息まじりで呟いていた。
帝王との子ども達も、複雑な表情を
しており、中には国民が苦しんでいる事に
気付き、なんとか助けたいと思っていた者もいた。
バカス帝国の帝王と第一王子は
神の怒りに触れ滅び、王族も
1人残らず消えたと発表した。
祝賀会2日目の事であった。

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