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第一章 2人の約束
27、衣装合わせ
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*ナオクル・チロメドゥル総帥目線
10年…か。
つい先程国王になったと思ったら、
すでに……もう。
あれからどれくらい経つのだろうか…。
はるか昔、あの者が亡くなってから
全てが無になった。
あの日からいつもどおりの日常…。
起きているのか、寝ているのか、
私は生きているのか…わからない日常。
空腹は感じない。
神樹の森だけは、異変があれば自ら
趣き処理している。
基本、国同士の問題には関わらない。
あの日の前日、暇つぶしに急ぎでもない
書類を見ていた。
眺めていただけかもしれない。
急に懐かしさ、悲しさ、虚しさ、
何かの痛み、よくわからないモノが
掠めた気がした。
しばらくすると神樹の森と、国と国の
境目に瘴気が発生した。
いつもなら、神子に任すのに、
なぜか、迎えに行かなければ
ならない気がした。
"瘴気"なのに、なぜか足りないモノを
埋めてくれる気がした。
懐かしさや息苦しさ、ふわぁとした何か、
それらが私の頬をなでた気がした。
結局は、瘴気ではなく"カズミ"を
迎えに行ったんだと思った。
間違いない。
早く思い出してくれ。
出逢えてからは、私は生きてたんだと
思った。ぎこちなく笑ったら、
カズミは笑顔を返してくれる。
少し困らしたら、真っ赤な顔をして
怒って、恥ずかしがり、拗ねる。
コロコロ変わる表情に、今度こそ……。
"温かい気待ち"というのを伝えよう。
まずは衣装合わせて。
今の国王の祝賀会は7日間開催される。
衣装もたくさんいる。
どんなのが好みだろうか?
こだわりはあるだろうか?
ここに来た時は、締め付けるような
ズボンに、上の服もピッタリとしていた。
お腹に赤ちゃんがいたし。
慌ててゆったりしたものを
用意させたが、気に入ってくれただろうか?
本日は、身体のサイズをはかり
ちゃんとした服やドレスを
作ってやらないとな。
よくわからないから、とりあえず
人気の服職人、靴、アクセサリー、
その他の小物の専門の職人たちに
集まってもらった。
カズミを見せるのは嫌だったが、
今以上に可愛くて、着飾ったカズミを
見たくなったのだ。
供物や、色々な所で貰った布や皮、
色々な物のキバで、衣装を頼んだのだ。
なぜか私のも作るように勧められたが、
私は前に着たものでいいと思っていた。
「カズミ様とお色合わせして、
作製してもよろしいでしょうか?」
「頼む。」
カズミと同じ色。
カズミの色を纏うのか?
カズミは私の色を……。
黒に近い琥珀、銀色や赤い布、
職人達に「これらで作れるか?」
と聞いたら「頑張ります。」と
噛み合ってない会話と、
ものすごい勢いで、デザイン画と
いうものを書いていた。
私のはわからないが、カズミには
どれもこれも似合っていた。
全て作成する様に命じたら、
この2週間で20組みほどのドレスと
私の夜会服や、ちょっとしたところに
着ていく服?をたくさん作ってきたのだ。
銀色のドレスに赤い魔石。
黒に近い琥珀色の私の衣装。
早く驚く顔や照れた顔をみたい。
どれから着せて脱がそうか?
10年…か。
つい先程国王になったと思ったら、
すでに……もう。
あれからどれくらい経つのだろうか…。
はるか昔、あの者が亡くなってから
全てが無になった。
あの日からいつもどおりの日常…。
起きているのか、寝ているのか、
私は生きているのか…わからない日常。
空腹は感じない。
神樹の森だけは、異変があれば自ら
趣き処理している。
基本、国同士の問題には関わらない。
あの日の前日、暇つぶしに急ぎでもない
書類を見ていた。
眺めていただけかもしれない。
急に懐かしさ、悲しさ、虚しさ、
何かの痛み、よくわからないモノが
掠めた気がした。
しばらくすると神樹の森と、国と国の
境目に瘴気が発生した。
いつもなら、神子に任すのに、
なぜか、迎えに行かなければ
ならない気がした。
"瘴気"なのに、なぜか足りないモノを
埋めてくれる気がした。
懐かしさや息苦しさ、ふわぁとした何か、
それらが私の頬をなでた気がした。
結局は、瘴気ではなく"カズミ"を
迎えに行ったんだと思った。
間違いない。
早く思い出してくれ。
出逢えてからは、私は生きてたんだと
思った。ぎこちなく笑ったら、
カズミは笑顔を返してくれる。
少し困らしたら、真っ赤な顔をして
怒って、恥ずかしがり、拗ねる。
コロコロ変わる表情に、今度こそ……。
"温かい気待ち"というのを伝えよう。
まずは衣装合わせて。
今の国王の祝賀会は7日間開催される。
衣装もたくさんいる。
どんなのが好みだろうか?
こだわりはあるだろうか?
ここに来た時は、締め付けるような
ズボンに、上の服もピッタリとしていた。
お腹に赤ちゃんがいたし。
慌ててゆったりしたものを
用意させたが、気に入ってくれただろうか?
本日は、身体のサイズをはかり
ちゃんとした服やドレスを
作ってやらないとな。
よくわからないから、とりあえず
人気の服職人、靴、アクセサリー、
その他の小物の専門の職人たちに
集まってもらった。
カズミを見せるのは嫌だったが、
今以上に可愛くて、着飾ったカズミを
見たくなったのだ。
供物や、色々な所で貰った布や皮、
色々な物のキバで、衣装を頼んだのだ。
なぜか私のも作るように勧められたが、
私は前に着たものでいいと思っていた。
「カズミ様とお色合わせして、
作製してもよろしいでしょうか?」
「頼む。」
カズミと同じ色。
カズミの色を纏うのか?
カズミは私の色を……。
黒に近い琥珀、銀色や赤い布、
職人達に「これらで作れるか?」
と聞いたら「頑張ります。」と
噛み合ってない会話と、
ものすごい勢いで、デザイン画と
いうものを書いていた。
私のはわからないが、カズミには
どれもこれも似合っていた。
全て作成する様に命じたら、
この2週間で20組みほどのドレスと
私の夜会服や、ちょっとしたところに
着ていく服?をたくさん作ってきたのだ。
銀色のドレスに赤い魔石。
黒に近い琥珀色の私の衣装。
早く驚く顔や照れた顔をみたい。
どれから着せて脱がそうか?
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