13 / 69
第一章 2人の約束
12、食事前、総帥の部屋に……。
しおりを挟む
食事前に、移動できるベビーベッドや
固定式のベビーベッド、クーハン、
赤ちゃんの大量な衣類やおもちゃが
ぎっしり入ったカゴが運び込まれていた。
「ハルト様からです。」と言われ
アベリアちゃん用に用意されたものは、
パッと見でも、高級品だとわかる物や
布団、服、可愛いものばかりだった。
あと、どう見ても1歳以上で遊びそうな
おもちゃまであった。
お下がりらしいが、新品にしか見えない。
手作りのミトンに、靴下、肌着
どれもこれも可愛い花と龍?が
刺繍されていた。
ハルト様のお子様も、男の子なのかな?
可愛い小ぶりの花束が幾つかあり、
それらはなぜか俺宛だった。
男に花束……ここでは、ありなのかな?
でも、まあ…可愛い花をプレゼントしてくれる
その気持ちが、うれしいかも。
お手紙とメッセージカードには、
ヒューゴさんとハルト様、
マコト様からだった。
ゆっくり身体休めてね、とマコト様からの
メッセージカードには、日本語が書かれていた。
やはり、日本からこの世界に来たんだ。
なんとも言えない気持ちになってしまった。
大量のベビー用品は、お祝いの品が
被り未使用のまま、倉庫に
眠らせていた物だそうでハルト様は
もうすぐ出産ということらしく
ちょうど虫干しが終えたところだったらしい。
まだまだ、あるそうで気軽に使ってね。
という内容だった。
こちらも、日本語だった。
神子様は日本から召喚されたと聞いたけど、
俺は亡くなったと思うから、
日本に戻れば死んでしまうのだろうか?
転生しているなら、自分の姿はどうなんだろう?
そういえば、まだ鏡を見てない……。
新しい俺として、ここの世界で
生きるしかないんだけど、自分の姿が
わからないのは不安だ。
仕事場の子どもたちは、大丈夫かな?
警察は来たのかな?
もの思いにふけていると、ナオクルさんの
あたたかい大きな手が、俺のほっぺに
当てられたのだった。
心配そうに見つめられ、俺は大丈夫だと
言う感じでぎこちない笑顔を向けたのだった。
しばらくすると人の気配がしたので、
振り向くと適温のミルクを持った
"乳母"だと紹介された男性と
お世話係だという3人の男性が
驚いたような複雑な表情で固まっていた。
俺も驚いてしまった。
乳母って女性がなるもんじゃ……。
ハルト様の様に、男性っぽい女性なのかな?
いや、やはり喉仏あるし男性だよね?
「今すぐ準備出来た者だが…
少ないがすまない。」
「えっ?いえ、こちらこそすみません。」
少ないって何が…何?
俺の頭の中で、状況が飲み込めず
アワアワしていた。
ナオクルさんは、乳母と世話係だ。と
簡単に紹介されたが……。
「はじめまして、総帥。カドゥミ様。
私、乳母を務めさせていただきますミークと
申します。よろしくお願いいたします。
こちらの者はお世話係として
務めさせていただきます。右から
ハミラ、カウビ、ロイズでございます。」
「はぁ……よ、よろしくお願いします。」
ミルクと焼き肉?
ナオクルさんは無言で肯くどころか
目線すら向けず、その目線は俺と
アベリアちゃんを交互に見つめるばかりだった。
「何卒よろしくお願いします。なんなりと
お気軽にお申し付けくださいませ。」
「アベリア様をよろしければ、こちらに
寝て頂いてもよろしいでしょうか?」
さ、様づけ?えっ?
「あっ、はい。」
俺が半ば呆然としているうちに、目の前で
甲斐甲斐しくお世話されながら、
アベリアちゃんはベビーベッドに移され、
可愛い刺繍が施された柔らかそうな
生地の服を着て、眠ってしまった。
食事前までは、美味しいミルクティーと
一口サイズのクッキー数種類頂いた。
どれもこれも美味しかったが、なぜか
ナオクルさんが、飲ませてくれたり
食べさせてくれたのだ。
もちろん断ったのに、微笑まれた気がしたし
無言の圧?を感じたのだ。
俺ずっとナオクルさんの膝の上だよ。
何でだろう?
食事が運び込まれると、まるで
お節料理の様に立派な三段重ねの重箱に、
和洋折衷のおかずや美味しいご飯が
詰められていたのだ。
もちろんこの豪華な食事も、ナオクルさんが
食べさせてくれたのだった。
「うわぁ、すごい豪華。何か
お祝い事なんですか?」
「たしか…新しい国王になり10年目だ。
皆、落ち着きがなくなっている。」
「10周年…節目ならお祝いしなきゃね。
あっ、でも…俺……。」
ここって異世界だよね?
俺の財布も見当たらないし、お金がない。
ヤバい、どうしよう。
そう言えば、リナリアさんにカナップ
だったかな?そこまで保育士として
雇われたんだった。だけど……。
「どうかしたか?」
「……い、いえ。」
俺を落ち着かせようとしてくれているのか、
頭や背中を優しく撫でてくれていた。
「カズミは表情がよく変わるなぁ。疲れたか?」
「いえ、大丈夫です。」
「……。」
ナオクルさんは、俺の頬に大きな手で
触れると、あたたかな何かが流れてくる。
なんだか、ホッとする感じがした。
あたたかい何かに触れていたくて
思わず俺も手を重ね、目を閉じたのだった。
おでこに、柔らかな何かを感じたけど
いつの間にか眠ってしまったのだら、
気がつくと、晩ご飯の時間になっていた。
固定式のベビーベッド、クーハン、
赤ちゃんの大量な衣類やおもちゃが
ぎっしり入ったカゴが運び込まれていた。
「ハルト様からです。」と言われ
アベリアちゃん用に用意されたものは、
パッと見でも、高級品だとわかる物や
布団、服、可愛いものばかりだった。
あと、どう見ても1歳以上で遊びそうな
おもちゃまであった。
お下がりらしいが、新品にしか見えない。
手作りのミトンに、靴下、肌着
どれもこれも可愛い花と龍?が
刺繍されていた。
ハルト様のお子様も、男の子なのかな?
可愛い小ぶりの花束が幾つかあり、
それらはなぜか俺宛だった。
男に花束……ここでは、ありなのかな?
でも、まあ…可愛い花をプレゼントしてくれる
その気持ちが、うれしいかも。
お手紙とメッセージカードには、
ヒューゴさんとハルト様、
マコト様からだった。
ゆっくり身体休めてね、とマコト様からの
メッセージカードには、日本語が書かれていた。
やはり、日本からこの世界に来たんだ。
なんとも言えない気持ちになってしまった。
大量のベビー用品は、お祝いの品が
被り未使用のまま、倉庫に
眠らせていた物だそうでハルト様は
もうすぐ出産ということらしく
ちょうど虫干しが終えたところだったらしい。
まだまだ、あるそうで気軽に使ってね。
という内容だった。
こちらも、日本語だった。
神子様は日本から召喚されたと聞いたけど、
俺は亡くなったと思うから、
日本に戻れば死んでしまうのだろうか?
転生しているなら、自分の姿はどうなんだろう?
そういえば、まだ鏡を見てない……。
新しい俺として、ここの世界で
生きるしかないんだけど、自分の姿が
わからないのは不安だ。
仕事場の子どもたちは、大丈夫かな?
警察は来たのかな?
もの思いにふけていると、ナオクルさんの
あたたかい大きな手が、俺のほっぺに
当てられたのだった。
心配そうに見つめられ、俺は大丈夫だと
言う感じでぎこちない笑顔を向けたのだった。
しばらくすると人の気配がしたので、
振り向くと適温のミルクを持った
"乳母"だと紹介された男性と
お世話係だという3人の男性が
驚いたような複雑な表情で固まっていた。
俺も驚いてしまった。
乳母って女性がなるもんじゃ……。
ハルト様の様に、男性っぽい女性なのかな?
いや、やはり喉仏あるし男性だよね?
「今すぐ準備出来た者だが…
少ないがすまない。」
「えっ?いえ、こちらこそすみません。」
少ないって何が…何?
俺の頭の中で、状況が飲み込めず
アワアワしていた。
ナオクルさんは、乳母と世話係だ。と
簡単に紹介されたが……。
「はじめまして、総帥。カドゥミ様。
私、乳母を務めさせていただきますミークと
申します。よろしくお願いいたします。
こちらの者はお世話係として
務めさせていただきます。右から
ハミラ、カウビ、ロイズでございます。」
「はぁ……よ、よろしくお願いします。」
ミルクと焼き肉?
ナオクルさんは無言で肯くどころか
目線すら向けず、その目線は俺と
アベリアちゃんを交互に見つめるばかりだった。
「何卒よろしくお願いします。なんなりと
お気軽にお申し付けくださいませ。」
「アベリア様をよろしければ、こちらに
寝て頂いてもよろしいでしょうか?」
さ、様づけ?えっ?
「あっ、はい。」
俺が半ば呆然としているうちに、目の前で
甲斐甲斐しくお世話されながら、
アベリアちゃんはベビーベッドに移され、
可愛い刺繍が施された柔らかそうな
生地の服を着て、眠ってしまった。
食事前までは、美味しいミルクティーと
一口サイズのクッキー数種類頂いた。
どれもこれも美味しかったが、なぜか
ナオクルさんが、飲ませてくれたり
食べさせてくれたのだ。
もちろん断ったのに、微笑まれた気がしたし
無言の圧?を感じたのだ。
俺ずっとナオクルさんの膝の上だよ。
何でだろう?
食事が運び込まれると、まるで
お節料理の様に立派な三段重ねの重箱に、
和洋折衷のおかずや美味しいご飯が
詰められていたのだ。
もちろんこの豪華な食事も、ナオクルさんが
食べさせてくれたのだった。
「うわぁ、すごい豪華。何か
お祝い事なんですか?」
「たしか…新しい国王になり10年目だ。
皆、落ち着きがなくなっている。」
「10周年…節目ならお祝いしなきゃね。
あっ、でも…俺……。」
ここって異世界だよね?
俺の財布も見当たらないし、お金がない。
ヤバい、どうしよう。
そう言えば、リナリアさんにカナップ
だったかな?そこまで保育士として
雇われたんだった。だけど……。
「どうかしたか?」
「……い、いえ。」
俺を落ち着かせようとしてくれているのか、
頭や背中を優しく撫でてくれていた。
「カズミは表情がよく変わるなぁ。疲れたか?」
「いえ、大丈夫です。」
「……。」
ナオクルさんは、俺の頬に大きな手で
触れると、あたたかな何かが流れてくる。
なんだか、ホッとする感じがした。
あたたかい何かに触れていたくて
思わず俺も手を重ね、目を閉じたのだった。
おでこに、柔らかな何かを感じたけど
いつの間にか眠ってしまったのだら、
気がつくと、晩ご飯の時間になっていた。
1
お気に入りに追加
1,453
あなたにおすすめの小説
4人の乙女ゲーサイコパス従者と逃げたい悪役令息の俺
りゅの
BL
おそらく妹が買ったであろうR18の乙女ゲーの世界に入り込んでしまった俺は、気がついたらその世界の悪役として登場していた。4人のサイコパス従者に囲まれ絶体絶命ーーーやだ、視線が怖い!!帰りたい!!!
って思ってたら………あれ?って話です。
一部従者に人外要素ある上バリバリ主人公総受けです。対戦よろしくお願いします。
⚠️主人公の「身体の持ち主」かなりゲスいことやってます。苦手な方はお気をつけください
広告視聴・コメント・ブクマ大変励みになります。いつもありがとうございます。
HOT女性向けランキング 39位
BLランキング 22位
ありがとうございます
2024/03/20
EDEN ―孕ませ―
豆たん
BL
目覚めた所は、地獄(エデン)だった―――。
平凡な大学生だった主人公が、拉致監禁され、不特定多数の男にひたすら孕ませられるお話です。
【ご注意】
※この物語の世界には、「男子」と呼ばれる妊娠可能な少数の男性が存在しますが、オメガバースのような発情期・フェロモンなどはありません。女性の妊娠・出産とは全く異なるサイクル・仕組みになっており、作者の都合のいいように作られた独自の世界観による、倫理観ゼロのフィクションです。その点ご了承の上お読み下さい。
※近親・出産シーンあり。女性蔑視のような発言が出る箇所があります。気になる方はお読みにならないことをお勧め致します。
※前半はほとんどがエロシーンです。
潜入した僕、専属メイドとしてラブラブセックスしまくる話
ずー子
BL
敵陣にスパイ潜入した美少年がそのままボスに気に入られて女装でラブラブセックスしまくる話です。冒頭とエピローグだけ載せました。
悪のイケオジ×スパイ美少年。魔王×勇者がお好きな方は多分好きだと思います。女装シーン書くのとっても楽しかったです。可愛い男の娘、最強。
本編気になる方はPixivのページをチェックしてみてくださいませ!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21381209
召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる
KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。
ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。
ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。
性欲悪魔(8人攻め)×人間
エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』
玉縛り玩具ランブル!?~中イキしないと解けない紐~
猫丸
BL
目覚めたら真っ白な部屋で拘束されていた。
こ、これはもしや『セックスしないと出られない部屋』!?
……は?違うの?『中イキしないと解けない紐』!?
はぁぁぁぁぁ!?だから、俺のちんこ、しらない男とまとめて縛られてるの!?
どちらが先に中イキできるのか『玉ちゃん(主人公)・丸ちゃん(彼氏)vs対馬くん・その彼氏』の熱い戦いの火蓋が切って落とされた!!!!
えー、司会進行は『ウサギマスク』がお送りいたします。
=====
ワンライならぬ1.5hライで、お題が「玉縛り」だった時に書いた作品を加筆修正しました。
ゴリッゴリの特殊性癖な上に、ふざけているので「なんでもこーい」な方のみ、自己責任でお願いいたします。
一応ハッピーエンド。10,000字くらいの中に登場人物5人もいるので、「二人のちんこがまとめて縛られてるんだなー」位で、体勢とかもなんとなくふわっとイメージしてお楽しみいただけると嬉しいです。
男の俺が痴漢されてイッちゃうなんて…!
藤咲レン
BL
【毎日朝7:00に更新します】
高校1年生のミナトが、サッカー部の練習帰りの電車の中で痴漢をされてしまう。これまで恋愛を一度もしたことのないミナトは、理性と快楽の間で頭が混乱し、次第に正体不明の手の持ち主に操られはじめ、快楽が頭を支配してゆく。
2人が大人になってからのストーリー編も連載中です。
■登場人物
矢野ミナト
・身長170cm
・ノンケ(ストレート)
・年齢=彼女いない歴(童貞)
・色白だけど細マッチョ
・明るい性格
佐藤タカシ
・身長180cm
・初体験済(女性)
・サッカーレベル超うまい
・色黒でガッシリ体型
・ミナトのことが気になり、自分がゲイかどうか悩んでいる
・責任感の強い性格、真面目
悪役の弟に転生した僕はフラグをへし折る為に頑張ったけど監禁エンドにたどり着いた
霧乃ふー 短編
BL
「シーア兄さまぁ♡だいすきぃ♡ぎゅってして♡♡」
絶賛誘拐され、目隠しされながら無理矢理に誘拐犯にヤられている真っ最中の僕。
僕を唯一家族として扱ってくれる大好きなシーア兄様も助けに来てはくれないらしい。
だから、僕は思ったのだ。
僕を犯している誘拐犯をシーア兄様だと思いこめばいいと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる