男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき

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13、決心

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***チアキ目線***

クロード様、メロリラさん、キオーナさん
カルパネさん、そして俺の5人で
ニウェン村に向かう事となった。
5人だよ、4.5人じゃないよ。
ある意味主役的な位置での
目的、視察、偵察。
擬装、スムクル村から教会がある町に行
く予定の冒険者。
赤ちゃん(俺、主役)が産まれたから、
教会に祈りに行くと言う設定。
俺がいないと、この役割分担は無駄になるの。
俺、大事な役だよ!!
一歳になる頃までに教会で
祈りを捧げ、赤ちゃんの属性も
調べてもらえるそうだ。
主役なのに、赤ちゃん設定で
話したらダメって言われたー!!
くそっ~!!

俺の場合、先にギルド行って
身分証がわりのギルドカード
作ったから、魔法属性やら
レアスキル、ありがたい加護つきで
すごい事がわかったから
ある意味良かったのか?
もし、何も知らず"普通に"?
この世界で生まれ"普通に"
教会に行ってしまったならば
きっと、囚われていただろう。
『……ピピッ。』

スムクル村は、王都まで馬車で
2週間程度の距離だそうだ。
俺には遠いのか近いのかわからない。
2週間も馬車の旅は、お尻が痛く
なりそうだ。
ニウェン村に行く前、一騒動あった。
まあ、俺が悪かったのだけどね。

   *****

ニウェン村から逃げてきた母と子。
傷ついた子どもを癒した俺は
司教様たちに詰め寄られ質問攻めに
合いそうになっていた。
それを助けてくれたのが、頼りになる
筋肉ムキムキのワイルドイケメン
クロード様だ。
拍手、ぱちぱちぱちぱちぃ。
クロード様は司教様たちに
ぶっちゃけ話をした。
もう、ホントぶっちゃけ話すぎた。
ほぼ本音っぽいお話で重かった。
簡単に述べるとしたら……。
クロード様が率いる筋肉ムキムキ集団は
腐ったこの国の体制を変えたいという事。
強力な魔力を持つこの俺を、
国や貴族に囲い込まれなくない事。
俺に手出ししたら…わかってるだろ?
おいコノヤロウって感じ?!の
脅し……ゴホッゴホッガハッ。
……えっと、穏やかな表情で
お話し合いしていたからか、さらに怖かった。
そういった内容のお話しだったのに……。
自分の行く末なのに……。
小難しい話で所々わからなかったのだ。
半分眠くなってきたのと、
ボソボソ話す声が子守唄に聞こえてきたのだ。
決して途中から寝てたわけじゃない。
気づいたら、いつのまにか
お話は終わっていただけだ。
早い話が、え~っとたしか…うん、
とにかく王都の大神殿の上層部や王族、
貴族の一部はあまり良くないって
感じなのかもしれない。
囲われたら最後。
軟禁・監禁・手錠に足枷、
仕事する時だけ枷ははずされるが
その昔開発された隷属魔法で
自分の意思と関係なく、仕事を
させられるそうだ。怖っ!!
よくラベノとかである設定だ。
そういった知識はあまりないが
監禁も隷属も最低だ!
自分の意思とは関係なく
死ぬまでこき使われ、人殺しの
片棒担ぐのも嫌だ!!
王都は避けるべし。うん、鬼門だ。
司教様たちは渋々納得した様子だった。
しかも、クロード様に従いますって言ってた。
討伐隊、国に対抗するとなれば
反乱軍になるよね?!
司教様^_^てよたちは、味方になった
と思っていいのかな?
まあ、クロード様率いる討伐隊
メンバーは親切だし信用できそうだ。

クロード様が悩んでいたから
珍しい…と思い声かけしたら……。
「チアキと離れるのは寂しい!」
と泣き出した。
さっきまで真剣に俺の待遇の話してたよね?
えっ、離れる?あっ!
俺、突然現れたやっかいもの。
見た目子どもだから甘えすぎたのか。
クロード様たちは討伐隊。
村や町を悪いものから守る
そういう立場の人たちだよね?
皆優しくしてくれたから、俺ずっと
ここに居ていいんだと勘違いしてしまった。
中身は違うけどここでは3歳児だし
親がいないから、孤児院やそれなりの
場所にいるのが普通なんだ、よね?
なんとなくこの世界の事
大まかにわかった気がするし
離れるべきなんだ。
ヤバイ、なんだか目と鼻から何かが出そうだ。
何かを出したらダメだ。
同情されてしまう。
みんな優しくて良い人たちだから、
俺がまだここに居てもいいって
言ってくれるだろうけど、そろそろ
甘えちゃいけないんだ。
離れなきゃ……。
中身は18歳だしな。
この世界では大人だ。
それなら王都から離れた場所に
行けばいいかもしれない。
まだ、試してない魔法が
たくさんあるけれど全部使えそうだし、
人がいなさそうなとこで……。
そう考えた俺は、森の奥深くで
魔法の試し打ちするのもいいかもと思いついたのだ。
魔物が出てきても、ギルドカードに
書いてたチートでなんとかなりそうだ。
幸い、狩りをした獲物から
肉や素材になる過程は見たから
たぶん大丈夫、なはず。
15歳で成人だからあと12年……。
未成年のうちは森や洞窟で
一人暮らししようかな。
もふもふと友達になるのもいいかも。
さみしいけどしょうがない。
これ以上クロード様たちに
迷惑かけれないよ。
俺は姿勢を正し正座した。
「短いあいだでしたが、大変
おしぇわに(お世話に)なり
ありがちょうごじゃいました。」
頭をさげながらそう言ったあと
俺はそのまま立ち去ろうとした。
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