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11、謝罪 *R指定入ります
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*R指定入ります。
前後左右、特に背後にご注意下さい。
「……お、恐れながら、お話したい事があります。」
緊張しながら入った部屋に、ポツンと身体をさらに小さくした彼女がいた。
小さ過ぎず大きくもないのに、彼女の声が私の中で何度も繰り返されていた。
彼女も緊張からか、膝に乗っている小さな手が心なしか力が入り震えていた。
彼女の小さな震え、可憐な黒い潤んだ目、表情や姿勢に私は生唾(なばつば)を飲み込み、やっと絞り出せた言葉は"なんだ?"という短い言葉だった。
マシューの淹れたお茶を飲み干したばかりなのに、喉がカラカラに乾いてきた。
顔が引きつり顔もいつも以上に強張る気がした。
案の定、彼女も緊張というより恐怖を感じていそうだった。
やはり、色なしで忌み嫌われている私の醜い顔は見たくないんだと思った。
彼女には嫌われたくないと思ってしまった。
嫌われ怖がられるのに慣れているはずなのに。
名前………そう、名前だ。
「…… リアム・ノア・クロート、この公爵家の当主だ。マリ クロサワという名だそうだな。話したい事があると聞いたのでここに来たが……話がないなら…… 」
「す、すみません。ごめんなさい。ご当主様それともえ~と…だ、旦那様?ご主人様?すみません、仕事を…わ、私なんかでも、働けそうな仕事場所ございませんか?私、掃除、洗濯、洗い物など出来ます。よ、よろしくお願いします。」
「うぐっ。」
リアムはマリの口から"旦那様"、"ご主人様"という言葉にうっかり反応してしまっていた。
おさまっていたモノが、急速に元気になり下着とズボンを突き上げ痛くなるほど張り詰めていた。
無意識のうちに、 リアムはマシューを見ながらいつもの呪文……マシューマシューマシューマシューマシューを唱えていた。
「……。」
マシューは冷ややかな視線をリアムに送った。
「旦那様、とりあえず呼び方はどうされますか?」
ヨビカタ?よびかた、よび……。
「マ、マリと言ったな。マリ、私の事は"リアム"でいい。」
「……リアム様。」
「……ぐぅ。」
ダメだ、マシューマシューマシューマシューマシューマシューマシューマシューマシューマシュー
「し、仕事はマシュー、いやメアリーに教えてもらいながら私の身の回りの世話をしながら、ここに慣れてくれ。」
「は、はい。ありがとうございます。ご主人様。」
「うぐっ!!」
彼女は天然なのか!!
私を殺す気か!!!
「リアムと呼べ!!マシュー、メアリーあとはまかせた。」
逃げるように言い捨て、少し出たかもしれない堪え性のない愚息を叱責(しっせき)しながら、シャワーを浴びながら何度か吐き出したのだった。
身の回りの世話……。
なぜあんな事言ってしまったんだと後悔する事が、近い未来何度も起こってしまった。
***
「リ、リアム様、お着替えとタオルと…え~と飲み物です。」
「マリ、一気に言わなくてもいいのですよ。声かけも基本こちらからはしないように。順番に、覚えなさい。お手伝いする事はないですか?という気持ちを込めて、旦那様からの指示を待ち、いち早く気づく事が大切です。」
メアリーは、マリにお世話役としての仕事を教えていた。
シャワーの音が遠く聞こえるほどマリの声に耳をすましていた。
愚息はおさまるどころかますます大きくなり、何度吐き出しても硬くなるのだった。
長い間シャワーを浴び続け、しまいには冷たい水をあびてもおさまらない愚息にあきらめ、シャワーを終えた。
ガラッ
「「!!!」」
「……。」
なぜ、まだ、ここにいるんだ?!
声が出ないほど驚いてしまった。
普段から人の気配に敏感なはずが、愚息に注意し過ぎておそろかになってしまった。
いくら長年の付き合いだからといって醜い私の醜い昂なりをメイド長であるメアリーはもちろん、マシューでさえ見た事はない、はず。
風呂上がりの裸の私のお世話は物心ついた時には1人で風呂やシャワーを浴び、自分で身体を拭いていた。
たまに、ボタンを掛け違えたりするときだけマシューやメアリーが手直しする程度だった。
それも幼き時の話だ。
ひと通りの事は自分で出来るので、世話役は置いていない。
本来ならなら着替えなどの準備の他、使用人に身体を洗ってもらったり拭いたりなどのお世話も貴族はしてもらっているのだろうが、私は"普通"ではないのでお世話係や側仕えの者すらいない。
なのに……。
「も、申し訳ございません。ひゃぁっ!!」
ぺちっ
「うっ!!」
「!!!」
頭を下げた彼女の顔面に私の愚息があたり、勢いは幾分おさまった白い液体が彼女に飛んでしまった。
不可抗力?!
顔にかかったトロミある液体を、あろうことか彼女の小さな口の中に入ってしまった。
うっすらと開いた口から赤い小さな舌が見えた。
「あっ、シャンプー?ボディーソープが……んっ。さすが公爵家のものですね。甘い香りがすると思ってましたが、公爵家の石鹸類は甘いのですね。」
「「!!!」」
舐めた?いや飲んだのか?!
しかも甘い?
その昔、数100年前以上昔だが獣人族がいたそうだ。
獣人族は鼻がよく、自分との相性が合う者とは香りや相手の蜜が甘く感じるそうだ。
番(つがい)というもので、祐逸無二(ゆういつむに)であるそうだ。
一目惚れとか、直感などと似たような現象であり、その者としか交われないほど愛し合うそうだ。
まさか、彼女が?
そんなわけない。
私は彼女に魅了されてしまっ……番(つがい)なの、か?
「……旦那様?申し訳ございません。私の不手際です。お召し物などはこちらでございます。御前(おんまえ)失礼します。さぁ、マリもこちらへ。」
メアリーらしくもない態度でいつも以上の早口だった。リアムは脱衣所にポツンと一人取り残されたのだった。
バスローブを着て自室に戻るまでかなりの時間が経っていた。
前後左右、特に背後にご注意下さい。
「……お、恐れながら、お話したい事があります。」
緊張しながら入った部屋に、ポツンと身体をさらに小さくした彼女がいた。
小さ過ぎず大きくもないのに、彼女の声が私の中で何度も繰り返されていた。
彼女も緊張からか、膝に乗っている小さな手が心なしか力が入り震えていた。
彼女の小さな震え、可憐な黒い潤んだ目、表情や姿勢に私は生唾(なばつば)を飲み込み、やっと絞り出せた言葉は"なんだ?"という短い言葉だった。
マシューの淹れたお茶を飲み干したばかりなのに、喉がカラカラに乾いてきた。
顔が引きつり顔もいつも以上に強張る気がした。
案の定、彼女も緊張というより恐怖を感じていそうだった。
やはり、色なしで忌み嫌われている私の醜い顔は見たくないんだと思った。
彼女には嫌われたくないと思ってしまった。
嫌われ怖がられるのに慣れているはずなのに。
名前………そう、名前だ。
「…… リアム・ノア・クロート、この公爵家の当主だ。マリ クロサワという名だそうだな。話したい事があると聞いたのでここに来たが……話がないなら…… 」
「す、すみません。ごめんなさい。ご当主様それともえ~と…だ、旦那様?ご主人様?すみません、仕事を…わ、私なんかでも、働けそうな仕事場所ございませんか?私、掃除、洗濯、洗い物など出来ます。よ、よろしくお願いします。」
「うぐっ。」
リアムはマリの口から"旦那様"、"ご主人様"という言葉にうっかり反応してしまっていた。
おさまっていたモノが、急速に元気になり下着とズボンを突き上げ痛くなるほど張り詰めていた。
無意識のうちに、 リアムはマシューを見ながらいつもの呪文……マシューマシューマシューマシューマシューを唱えていた。
「……。」
マシューは冷ややかな視線をリアムに送った。
「旦那様、とりあえず呼び方はどうされますか?」
ヨビカタ?よびかた、よび……。
「マ、マリと言ったな。マリ、私の事は"リアム"でいい。」
「……リアム様。」
「……ぐぅ。」
ダメだ、マシューマシューマシューマシューマシューマシューマシューマシューマシューマシュー
「し、仕事はマシュー、いやメアリーに教えてもらいながら私の身の回りの世話をしながら、ここに慣れてくれ。」
「は、はい。ありがとうございます。ご主人様。」
「うぐっ!!」
彼女は天然なのか!!
私を殺す気か!!!
「リアムと呼べ!!マシュー、メアリーあとはまかせた。」
逃げるように言い捨て、少し出たかもしれない堪え性のない愚息を叱責(しっせき)しながら、シャワーを浴びながら何度か吐き出したのだった。
身の回りの世話……。
なぜあんな事言ってしまったんだと後悔する事が、近い未来何度も起こってしまった。
***
「リ、リアム様、お着替えとタオルと…え~と飲み物です。」
「マリ、一気に言わなくてもいいのですよ。声かけも基本こちらからはしないように。順番に、覚えなさい。お手伝いする事はないですか?という気持ちを込めて、旦那様からの指示を待ち、いち早く気づく事が大切です。」
メアリーは、マリにお世話役としての仕事を教えていた。
シャワーの音が遠く聞こえるほどマリの声に耳をすましていた。
愚息はおさまるどころかますます大きくなり、何度吐き出しても硬くなるのだった。
長い間シャワーを浴び続け、しまいには冷たい水をあびてもおさまらない愚息にあきらめ、シャワーを終えた。
ガラッ
「「!!!」」
「……。」
なぜ、まだ、ここにいるんだ?!
声が出ないほど驚いてしまった。
普段から人の気配に敏感なはずが、愚息に注意し過ぎておそろかになってしまった。
いくら長年の付き合いだからといって醜い私の醜い昂なりをメイド長であるメアリーはもちろん、マシューでさえ見た事はない、はず。
風呂上がりの裸の私のお世話は物心ついた時には1人で風呂やシャワーを浴び、自分で身体を拭いていた。
たまに、ボタンを掛け違えたりするときだけマシューやメアリーが手直しする程度だった。
それも幼き時の話だ。
ひと通りの事は自分で出来るので、世話役は置いていない。
本来ならなら着替えなどの準備の他、使用人に身体を洗ってもらったり拭いたりなどのお世話も貴族はしてもらっているのだろうが、私は"普通"ではないのでお世話係や側仕えの者すらいない。
なのに……。
「も、申し訳ございません。ひゃぁっ!!」
ぺちっ
「うっ!!」
「!!!」
頭を下げた彼女の顔面に私の愚息があたり、勢いは幾分おさまった白い液体が彼女に飛んでしまった。
不可抗力?!
顔にかかったトロミある液体を、あろうことか彼女の小さな口の中に入ってしまった。
うっすらと開いた口から赤い小さな舌が見えた。
「あっ、シャンプー?ボディーソープが……んっ。さすが公爵家のものですね。甘い香りがすると思ってましたが、公爵家の石鹸類は甘いのですね。」
「「!!!」」
舐めた?いや飲んだのか?!
しかも甘い?
その昔、数100年前以上昔だが獣人族がいたそうだ。
獣人族は鼻がよく、自分との相性が合う者とは香りや相手の蜜が甘く感じるそうだ。
番(つがい)というもので、祐逸無二(ゆういつむに)であるそうだ。
一目惚れとか、直感などと似たような現象であり、その者としか交われないほど愛し合うそうだ。
まさか、彼女が?
そんなわけない。
私は彼女に魅了されてしまっ……番(つがい)なの、か?
「……旦那様?申し訳ございません。私の不手際です。お召し物などはこちらでございます。御前(おんまえ)失礼します。さぁ、マリもこちらへ。」
メアリーらしくもない態度でいつも以上の早口だった。リアムは脱衣所にポツンと一人取り残されたのだった。
バスローブを着て自室に戻るまでかなりの時間が経っていた。
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