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5、*誤魔化す?誤魔化さない? パート2
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*ちょっぴりR指定あります。
前後左右、特に背後にご注意下さい。
* リアム・ノア・クロート目線*
なぜこの部屋にしたのだろうか?
他にも部屋があるのに。
愚かで醜い私は無意識にここに足を向けてしまったと思いながら自分自身を抑えていた。
落ち着くらしいハーブティーをマシューが淹れてくれた。
ふわぁとした香りが漂(ただよ)った。
内部屋用の鍵はなく外からしかかけれない鍵、外からの鍵はしていない。
普段ならマナーなどに口うるさいマシューでさえ、私がハーブティーをグイッと飲み干しても何も言わなかった。
マシューが気を利かしたのか、部屋の外には護衛がいた。
大丈夫、大丈夫と言い聞かし、何に対して大丈夫なのかもわからなくなった気がした。
ハーブティーはいつ効くのだろうか?
全く落ち着かないどころが気になる事ばかりだった。
"少女"の……いや、"美少女"の神からのギフトに敵わなかっただけかもしれない。
小柄で美形、神聖な色をもつ"少女"を誰にも見せたくない。
同時に私の醜い姿を見せたくない、見せてはいけないと思った。
銀色の髪に水色の目。
嫌われる要素しかないこの醜さ。
私は一生独身で国王である兄の為、この国を良くしようと思っている。
色なしと次男以降の身体が大きな集団を作り、休む暇もなく戦ってきた。
たくさんの者を殺(あや)めた血塗られた手。
色なしでなければ、違った生き方ができたかもしれない。
色なしが生まれると、すぐに殺されたり売られたりするが私は王族に生まれたから生かされてていた。
私は恵まれている。
それなのに……。
私の醜い姿と同様な醜い心が顔を出した。
うち部屋には小さな明かりとりのための窓があるだけで、カーテンをすればほぼ暗闇になる。
少年だと思っていた子どもは、少女だった。
私とは違う対局にある色。
何もなにも染まらない漆黒の黒。
神に愛された色。
劣等感、嫉妬(しっと)、羨望(せんぼう)、渇望(かつぼう)、そして絶望。
私には持ち得ない色。
その美少女である彼女に近づき武器を隠し持っていないかと思い、布をとるとプルルンとした小ぶりで柔らかな双丘が手に当たった。
ムニっ。
……柔らかい。
そして、柔らかな双丘には控えめな頂(いただ)きがあった。
「ま、まさか?!」
硬い生地のズボン。
かなりの年代物なのか脛のところや太もも部分には擦り切れたような穴が空いているズボンをぬがした。
下着まで黒い神聖な黒。
柔らかで破れそうな生地をソォーっと降ろした。
ない。
やはり、ない。
念の為と言いながら恐る恐る、その部分を触った。
黒い柔らかな下生え、男である象徴的なものはなく子どもを産めるというあの場所と、自分にもある後孔。
間違いなく性別は女性だった。
「か、身体の汚れを?!」
"クリーン"を使えば一瞬で終わるのに、なぜかこの時魔法を使う事を忘れていた。
マシューが用意した湯を使い少女の身体を丁寧に清めて行った。
少し擦(こす)ってしまったところが、赤くなっていた。
胸は吸い付きたいほど柔らかいが、他の部分はかなり痩せている。
手は荒れ、涙を流したあとなのか目元と頬に筋が出来ていた。
一瞬特殊スキルを使おうと思ったが直接、この少女から聞きたかった。
子ども独特の高い声だと思ったが、声変わりのない少女だから澄んだ声だったのかと思った。
可愛い声。
それなのに私は威嚇(いかく)し、無抵抗な少女の手足を拘束した。さらに身ぐるみを剥いでしまった。
犯罪者向けの荒い目の生地の服。
羞恥心(しゅうちしん)があるものならぱ、それ1枚では恥ずかしくて逃げない透け感ある生地。
私は1人で入るのでほとんど使わないが、入浴時に使う湯帷子(ゆかたびら)より薄いというか、荒い目で織られた物を着せている。
こんな物を着せていたら、飢えた者どもに襲われてしまう。
女性というだけで襲われ囲われるのだから。
犯罪者や刺客かもしれないが、貴重な女性だ。
マシューに言ってちゃんとした物を用意させよう。
そう思いマシューに声をかけようとした。
先程から、マシュー、マシュー、マシューと心の中で連呼して心を落ち着けている。
マシューが好きなわけじゃないが、自分自身の愚息が勃ち上がるのを必死で押さえてるだけだ。
ちなみにマシューの身体を想像しただけで、トリハダがたち、さらに吐き気がした。
家令として他の執事たちより上等な服を脱いでいくマシュー……ヤバい、限界だ。
使用人として色々優秀であったとしても、恋愛うんぬんに関しての感情は一切ない。
恋愛とか縁遠くこの先もありえない。
妄想を振り払うかのように立ちあがろうとしたその時、
「図書館(行かなきゃ)。」
薄くドアを開けたうち部屋から澄んだ小さな声がした。
目覚めたのか?!
今の格好を見たら驚くだろうか?
薄暗い部屋に足を踏み入れたその時、
「遅刻!!!」
ガバッ
「……っ!!!」
チ、チコク?チ国?そんな国聞いた事ない。
チ国という所から来たのか?
その前の言葉が"トショカン"。
トショカン、としょかん、図書室ことか?
彼女がベットに座っている姿に、つい見惚れてしまった。
やはり私は魅了にかかってしまったのだと思った。
前後左右、特に背後にご注意下さい。
* リアム・ノア・クロート目線*
なぜこの部屋にしたのだろうか?
他にも部屋があるのに。
愚かで醜い私は無意識にここに足を向けてしまったと思いながら自分自身を抑えていた。
落ち着くらしいハーブティーをマシューが淹れてくれた。
ふわぁとした香りが漂(ただよ)った。
内部屋用の鍵はなく外からしかかけれない鍵、外からの鍵はしていない。
普段ならマナーなどに口うるさいマシューでさえ、私がハーブティーをグイッと飲み干しても何も言わなかった。
マシューが気を利かしたのか、部屋の外には護衛がいた。
大丈夫、大丈夫と言い聞かし、何に対して大丈夫なのかもわからなくなった気がした。
ハーブティーはいつ効くのだろうか?
全く落ち着かないどころが気になる事ばかりだった。
"少女"の……いや、"美少女"の神からのギフトに敵わなかっただけかもしれない。
小柄で美形、神聖な色をもつ"少女"を誰にも見せたくない。
同時に私の醜い姿を見せたくない、見せてはいけないと思った。
銀色の髪に水色の目。
嫌われる要素しかないこの醜さ。
私は一生独身で国王である兄の為、この国を良くしようと思っている。
色なしと次男以降の身体が大きな集団を作り、休む暇もなく戦ってきた。
たくさんの者を殺(あや)めた血塗られた手。
色なしでなければ、違った生き方ができたかもしれない。
色なしが生まれると、すぐに殺されたり売られたりするが私は王族に生まれたから生かされてていた。
私は恵まれている。
それなのに……。
私の醜い姿と同様な醜い心が顔を出した。
うち部屋には小さな明かりとりのための窓があるだけで、カーテンをすればほぼ暗闇になる。
少年だと思っていた子どもは、少女だった。
私とは違う対局にある色。
何もなにも染まらない漆黒の黒。
神に愛された色。
劣等感、嫉妬(しっと)、羨望(せんぼう)、渇望(かつぼう)、そして絶望。
私には持ち得ない色。
その美少女である彼女に近づき武器を隠し持っていないかと思い、布をとるとプルルンとした小ぶりで柔らかな双丘が手に当たった。
ムニっ。
……柔らかい。
そして、柔らかな双丘には控えめな頂(いただ)きがあった。
「ま、まさか?!」
硬い生地のズボン。
かなりの年代物なのか脛のところや太もも部分には擦り切れたような穴が空いているズボンをぬがした。
下着まで黒い神聖な黒。
柔らかで破れそうな生地をソォーっと降ろした。
ない。
やはり、ない。
念の為と言いながら恐る恐る、その部分を触った。
黒い柔らかな下生え、男である象徴的なものはなく子どもを産めるというあの場所と、自分にもある後孔。
間違いなく性別は女性だった。
「か、身体の汚れを?!」
"クリーン"を使えば一瞬で終わるのに、なぜかこの時魔法を使う事を忘れていた。
マシューが用意した湯を使い少女の身体を丁寧に清めて行った。
少し擦(こす)ってしまったところが、赤くなっていた。
胸は吸い付きたいほど柔らかいが、他の部分はかなり痩せている。
手は荒れ、涙を流したあとなのか目元と頬に筋が出来ていた。
一瞬特殊スキルを使おうと思ったが直接、この少女から聞きたかった。
子ども独特の高い声だと思ったが、声変わりのない少女だから澄んだ声だったのかと思った。
可愛い声。
それなのに私は威嚇(いかく)し、無抵抗な少女の手足を拘束した。さらに身ぐるみを剥いでしまった。
犯罪者向けの荒い目の生地の服。
羞恥心(しゅうちしん)があるものならぱ、それ1枚では恥ずかしくて逃げない透け感ある生地。
私は1人で入るのでほとんど使わないが、入浴時に使う湯帷子(ゆかたびら)より薄いというか、荒い目で織られた物を着せている。
こんな物を着せていたら、飢えた者どもに襲われてしまう。
女性というだけで襲われ囲われるのだから。
犯罪者や刺客かもしれないが、貴重な女性だ。
マシューに言ってちゃんとした物を用意させよう。
そう思いマシューに声をかけようとした。
先程から、マシュー、マシュー、マシューと心の中で連呼して心を落ち着けている。
マシューが好きなわけじゃないが、自分自身の愚息が勃ち上がるのを必死で押さえてるだけだ。
ちなみにマシューの身体を想像しただけで、トリハダがたち、さらに吐き気がした。
家令として他の執事たちより上等な服を脱いでいくマシュー……ヤバい、限界だ。
使用人として色々優秀であったとしても、恋愛うんぬんに関しての感情は一切ない。
恋愛とか縁遠くこの先もありえない。
妄想を振り払うかのように立ちあがろうとしたその時、
「図書館(行かなきゃ)。」
薄くドアを開けたうち部屋から澄んだ小さな声がした。
目覚めたのか?!
今の格好を見たら驚くだろうか?
薄暗い部屋に足を踏み入れたその時、
「遅刻!!!」
ガバッ
「……っ!!!」
チ、チコク?チ国?そんな国聞いた事ない。
チ国という所から来たのか?
その前の言葉が"トショカン"。
トショカン、としょかん、図書室ことか?
彼女がベットに座っている姿に、つい見惚れてしまった。
やはり私は魅了にかかってしまったのだと思った。
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