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第191話 すれ違い

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炊きだし広場にて。

グラン様の、居場所教えたけど、
数分で着くって、言ってしまった。
ついつい、いつものくせで、
守護獣で、数分だから、歩いたら、
かなりの、距離があるなぁ。
どうしよう?だいぶ歩くけど、
あの人たち、大丈夫かな?

炊き出し広場から入り口への道。

数十分歩いて、入り口らしき看板が、
ありました。
紋章入りの、馬車も数台、到着している、
ようでした。
また、あたりを見まわしても、グラン様は
いませんでした。
数人、馬車の置き場所や、移動する為なのか
指示されながら、馬車など動いてました。
念のため、また、グラン様の行方を、
お父さんが、聞いてくれました。
すると、急いで炊き出しの広場に、
行ったよと言われました。
……。すれ違ってしまったわ。
また、数十分歩いて、戻るのも疲れたので、
少し休んで行く事にしました。

お腹も空いたし、持ってきた魔法省開発品、
"すぐできーる鍋"で、簡単なスープを作ると
周りから視線を感じました。
美味しい匂いに、つられたのか、
「それは、なんですか?」
「すごく、美味しそうですね。」
グキュール。キュルキュル。
他の方たちも、お腹すいてるんだわ。

数人に、声をかけられ、スープのことや、
魔法省開発品の話をしました。
荷馬車から、大きな鍋を下ろしてもらい、
スープを作る事にしました。
コンロや火起こしは、お父さんが、
魔法で、作り出していました。
水を沸かす時など、炎の凝縮した球を、
大きな鍋に入れると、ボコボコっと数秒で、
お湯が湧きました。
魔法って便利だわ。

お鍋の中に、乾燥させた野菜や肉を入れ、
味噌ベースの豚汁のようなスープを
作りました。
疲労回復、美肌効果がある、お味噌を
使いました。

数日かけて、急いで駆けつけた人たちは、
体のあちこちの痛みや、疲れが取れたと
喜んで、くれました。

お腹も空いていて、どの馬車が、早く、
広場に行き、保護したものを乗せて、
また、数日、時間をかけ戻るか、
少しもめていたそうです。
少し休んで、明日出発したいと思って
いたそうです。

「目的地指定の移動。うーん。」
『お父さん、どしたの?』
『ん~。予想以上に、貴族にとっての
救助の長旅に、疲れたんだろ~なぁって
思って。』
『保護した者を、この状態で、気遣える
のかなぁって、思っちゃったの。』
……。
『たしかに、厳しそう。相手は、多くの
子どもだし、こまめに、食事や、トイレ
休憩をしながらの旅だからね。』
「ちょっと考案してみるわね。」

お父さんと私は、入り口の隅っこで、
お父さんに言われるまま、
アーザ邸の庭をイメージしながら、
お父さんが、作り出した、移動玉?
にイメージを記憶させていました。
完成した数十個の移動球を作り、
「私、完璧。天才だわ~。」と言い、
わたしの頭を撫でていました。
『もう、子どもじゃないし、立派な
大人なのに。』
「こころは、ずっーと、私たちの、
大切な子どもよ。」
なんだか、照れくさかったなので、
『ハイハイ。ありがとう。お父さん。』
って言ってしまいました。

「グランのとこに、合流しないとねー。」
「誰か、炊き出しの広場まで、
乗せてくれないかしら?」
すぐに、数台の馬車が、名乗り上げて
くれていました。
「何台移動させる予定なの?」
「荷馬車も入れて10台ずつ広場に、
移動させ、戻ってきたら、次の10台を
移動させる予定です。」
しばらく、お父さんは、考えながら、
「数珠つなぎでいいから、数台毎に、
荷馬車を入れて、順番に、炊きだしの
広場に行ってちょうだい。」

馬車の順番を管理していた人は、
でも、それは、出来ません。とか、
口ごもっていました。
そりゃーそうよね。
ポッと出の、神様だし、いくらなんでも
ジョルジュ様と、グラン様の指示を、
覆えす事になるもんね。

「私が、責任持つから、大丈夫よ。」
また、お父さんと、私の体が、
神々しく光っていました。
……。
なぜ、私まで光ってるんだろ?
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