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第170話 グランとジョルジュ

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家の前に、見知らぬ子ども達が、
寝ていた。
スラム街出身の11人と、不思議な
赤ちゃん姿の、人型の高魔力。
朝目覚めると、ホーンから、伝えられた。
面談をしたら、予想以上の、
問題で、ジョルジュに、連絡した。

子ども達は、栄養状態が、悪く、
一人の子は、熱がではじめた。
何日も、徒歩で、野宿。
寒さをしのぎながら、固まって、
温め合いながら、寝ていたそうだ。

衣服はサイズが合わない服に、
ほとんどが、はだし。
個室を準備させようとしたが、
怖がらせてしまい、
皆同じ部屋で、過ごすことを、
希望した。
広めの部屋に、ベッドを運び入れ、
病気の子だった子には、
回復薬を薄めたものを、与え、
今は、寝ている。
クッションを床に落とし、
床で丸まって寝ていた。
病気が悪化しては、いけないと思い、
床で寝ていた子どもをベッドに、
ソーっと、戻してあげた。

小さな子どもたちは、ふかふかの
ベッドを喜んでくれたそうだ。
ベッドの上で、ピョンピョンしていた。
少し、大きめの子ども達は、まわりを
警戒しながらも、ベッドやソファーで、
座ったり、床にクッションを敷いて、
座ったり、していた。
お菓子も、初めて見るのか、
「これは、何?」と質問したり、
年長者の子どもが、皆にお菓子を、
配り終えてから、一斉に食べはじめたり
していた。
2つ目の、お菓子も、同じように、
分け与えていた。まだ、小さくて、
食べにくそうに、していた子には、
手伝ってあげたり、助け合いながら、
食べていた。
メイドに、対して、まだ、警戒を
解いてないのか、自分達で、していた。

アールという15歳だという子から、
ジョルジュが、来てから詳しい事情を
聞き出した。

興味が、惹かれたのは、スラム街の
事もだが、シヅウェル様の対応だった。
アールの妹、守護獣みたいな、存在。

魔力を分け与え、アールが、
生きている限り、亡くなった妹も、
生き続ける、珍しい存在。

コンコン。
こころが、遠慮がちに、入ってきた。
ミィみたいな、子どもが、気になり、
顔を見に来たんだろうな。
「はじめまして。私はこころよ。」
ニホンゴ?
アールも、こころを見た瞬間、
驚いた表情をしていた。

「転生者?」
アールは、ホッとしたような表情で、
赤ちゃん型の、妹を抱きしめ、
泣いていた。

アールも、転生者だったそうだ。
前世の記憶は、ほぼないそうだ。
母親に、昔、言ったら、殴られたそうで、
それからは、誰にも言わなかったそうだ。
ただ黒髪に、黒目は、懐かしいって、
言いながら、泣いていた。

俺の周りは、転生者だらけだ。
シヅウェル様が、この地に、この子達を、
導いたのも、転生者だからか?
妹の、存在も、守護獣に似ているが、
別物に、感じられた。

「妹ちゃんの、名前は、なんて言うの?」
こころが、アールに聞いていた。
「名前ないです。スラム街では、
捨て子は、当たり前。
犯罪も当たり前、いつ死んでも、
おかしくない街です。」
……。
「仲間の名前も、自分でつけたり、
テキトーに、考えた名前ばかりです。」
……。
「お兄ちゃんとして、妹ちゃんに、
名前のプレゼントしてあげたら、
すごく喜ぶかも。どうかしら?」
「名前、プレゼント。」
アールは、黙って、考えてるようだった。
「もう少し、考えてみます。」

スラム街、問題を後回しにした結果、
貧富の差が、激しくなり、
出来上がった街。
対応を、急がねばならない。

与えるだけでは、ダメだ。
職と、食。次に、衣服や住居。

ジョルジュは、偵察部隊を、
派遣して対応策を練るのと言い、
城に戻って行った。

俺は、アールと、妹の、魔力が高いので、
監視を含め、家で出来る、書類の
仕事を、ジョルジュに、どっさり、
置いていかれた。
あきらかに、ジョルジュ担当の書類も、
含まれていた。
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