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第151話 のぞみ

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ガラスの、割れる音がする?
騒がしい、懐かしい声。でも、
なんか、言い合い?漫才?
眠い。まだ、寝てたいなぁ。
………。
「だれ?起こさないで。」

グラン目線

俺は、驚いた。こころに、似ている、
黒目で、黒髪の、女の子が、こころを
かばうように、俺たちをにらんでいた。
俺は、話しかけようとすると、
「のぞみ?のぞみなのか?」
女装神様は、泣いていた。

のぞみと呼ばれた女の子は、
睨みつけながら「だれよ?」って、
女装神様に、言うと、さらに、
泣いていた。女装神様が。
「僕は、のぞみと、こころの
お父さんだよ。」
はっ?
「のぞみと、こころは、二卵性の双子
だったんだ。だけど……。」
「一つの命は、成長しなかったんだ。」
「お腹の中で、9か月の時で、成長がとまり、
緊急帝王切開で、出産したけど、
一人だけしか、助けれなかったんだ。」
「2人とも、かわいい女の子で、
小さすぎた、赤ちゃんだったんだ。」
………。

「双子ってわかってから、名前も、
考えてたし、服も、かわいいのを、
たくさん、作ったりしたよ。」
「自分でも、呆れるくらい、
たくさん用意してたんだ。」
「産後、葬儀を、終わらせた後、
普通にみえたけど、マリは、
こころを見ると、
泣いてばかりだったんだ。」

「俺は、いつもの女装より、もっと濃く
化粧もして、服も、可愛すぎるのを、
着てみたら、マリは、笑ってくれたんだ。」
「かわいい格好をして、こころと、
お揃いの服を着たら、さらに
笑ってくれたんだ。」
………。
「のぞみのかわりには、なれないけど、
まりに、少しでも、笑って欲しかった。」
「僕も、趣味の、服作りや女装も、
堂々と出来たんだ。」
………。
「こころが、7歳の時、私たち夫婦は、
車の、事故に遭い、あっけなく、
亡くなったんだ。」
「俺たちは、こころを残してしまい、
しばらく、さまよってた。」
「そこで、神と名乗るものに出逢い、
のぞみが、行った世界を、
教えてもらったの。」
「やっと、のぞみに逢えた。」
………。
「抱きしめていいか?のぞみ。」
「いや。」
女装神様は、号泣した。
………。

「終わった?」
ピエロの存在を、すっかり、
忘れていた。
のぞみと言われた女の子は、
ピエロを見ると、嬉しそうにし、
抱きついていた。
それを見た、女装神様は、さらに、
めんどくさい位、泣いていた。
「のぞみちゃん、今日も、かわいいね。」
ピエロに、声をかけられた、
女の子は、嬉しそうに、笑っていた。
「一緒に、寝ている、こころちゃんに、
用事あるんだけど、起こしてもらえる?」
「いや。また、1人になる。」
「わがままな、女の子嫌いだよ僕。」
「わかった。起こす。」
嫌そうにしながらも、ピエロに、
従ってる女の子を見るのは、
なんだか嫌なかんじだった。
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