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第150話 ゆめ

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俺は、夢の国には、光が満ちあふれていると
かってに、思っていた。
こころの夢の中に、俺は、入ったはずだ。

真っ暗な闇で、何も見えない。
これは、本当に、こころの夢の中なのか?
なぜ、こんなに、冷めざめとした暗くて、
さみしい場所なんだ?
手を伸ばしても、自分の手すら、
見えない闇。
この中に、俺のこころは、本当に、
いるのか、不安になってきた。
早く、見つけてあげないと。

「グラン君、気をしっかりもたないと、
とりこまれるよ。しゃーないから、
お手て、お義父さんが、繋いであげよう。」
いらんわ。
バッシッ。ぴしっ。
「暗闇で、見えないのに、なんで、
手のある位置、わかるのよぉ。」
「なんとなくだ。」
ぴしっ。
「お義父さん?お義父さんなら
お義父さんらしく、男の格好してくれ。」
ぴしっ
「もぉ。これは、私の正装なのよ!」
「子どもが小さい時?マリーチェと
出会う前から、これで、働いていたわよ。」
「オカマバー?」
ぴしっ。ピリリっ
「ちがうわよ。ちゃんとした、本格的な
コーヒーショップで、喫茶店も、
兼ねてた、かわいいお店なのよ。」
………。
さっきから、ぴしっとか、パッシッ、
ピリピリうるさい。
ビシッ。バリバリパリーン。

えっ?
何かが、盛大に割れた音がしたと、
思ったら、光が、差し込んできた。
うっ。まぶしい。
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