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第142話 ピエロ

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「夢の国には、かわいい神様がいるよ。」
「のぞみって名前だよ。ふふっ。」
………。
「あっそうだ。言っておかないと、
気がすまないんだけど…。」
「僕と、あんな下等な夢魔と、
一緒にしないでほしいなぁ。」
「僕は、魔神だよー。」
「のぞみちゃんのような、夢の力も、
色々使えれる神様だよ。」
「そして、のぞみちゃんのように、
夢も希望も与えれる、優秀な魔神。」
「でも。得意技は二人とも、
狩りだよ。ふふふっ。」
ピエロ様が、なんだか、怖く感じました。
魔神。たしか、力が強くて、
魔力が、高い神様の事だったかな?

「こころちゃんは、僕みたいに、
神にもなれる存在だから、わりと、
みんなに、人気なんだよねー。」
「今は、人族?んー?魔人なのかな?」
「でも、なんだか、内面弱そうだから、
簡単に、御しやすいかんじだねぇー。」
「あれっ。怒った?あはっ。」
……。
「難しいかったかなぁ?君を、簡単に、
操りやすいって事だよ。」
グラン様が、私とピエロ様の
間に入り、かばうように、
抱きしめてくれました。
「こころは、俺が守るから。」
「何者からも守るから、
俺のそばにいろ。」
「ふっははは。」ピエロ様が、
笑っていました。

「僕は、夢の国の、のぞみちゃんが、
いいからね。安心してねぇ。」
「でも、のぞみちゃんが、君を気に入れば、
僕も、君を気にいるかもねぇ。ふふっ。」
「今は、まぁ、いいかなぁ。」
「あっ。力、もう、行き渡ったかな?」
「風の神様の力も、炎も、皆すごいね。」
一瞬、ピエロ様が、邪悪な顔つきに
なったような気がしました。
「ひと段落したかなぁ。あはは。」
なんだか、だんだん怖くなってきました。

「んー。君は、神の器に、
充分なりうるからねぇー。」
「他の神族が、君に、たぶん惹かれるよ。」
「旦那も、大変だねー。でも、君なら、
たくさん旦那がいてもいいかな。」
「僕は、気に入った子に、旦那いたら、
消しちゃうけどね。あははは。」
………。
「さっきから、黙って聞いてたら、
オイッ、コラァ。神だか、魔神だか、
知らないが、ざけんな、おまえ。」
グラン様が、ピエロ様に……。
怖い。どちらも、怖いよ。
でも……。私は、グラン様に、
しがみついてしまいました。
グラン様は、ぎゅーっと、
抱きしめてくれました。

「私の娘に、やめてちょうだいよね。」
「怖がらせるなら、君にだけ、
グッズまわさないわよ~。」
「あはは。ごめん。冗談。冗談だから。」
「もうやめる。やめるから、新作の、
美少女戦隊のグッズ、また、よろしくね。」
新作?美少女戦隊のグッズ?また?
お父さん、何してるの?

「大変だねー。おとーさんが、
全魔法や色々、
使えれるようにしたから、
皆から、狙われてるねー。」
「あははは。頑張ってねー。」
………。
どうなるの?私、どうしたらいいの?
これから、どーしよう?
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