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夕方 パート2

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さくら目線

いちごが寝ているうちに皆の洗濯物を
取り入れ、寝ているそばで仕分けをしながら
畳んだりアイロンをかけていました。

約12人分の洗濯物を3台の洗濯機で
フル稼働させ、干したり畳んだりするのも
かなりなものです。

ふと視線を感じ振り向くと、奏さんと、
視線が合いました。

「ご気分はいかがですか?吐き気や、
気持ち悪いとかありますか?」

「気持ち…スッキリしない。」
「だ、大丈夫ですか?やはり、病院
行きましょう。熱中症は怖いんですよ。」

「知ってる。大学で習ったから。」
「えっ?大学?」
「俺、今大学2年生。何だと思ったんた?」
私は睨まれました。

「い、いぇ…あの、私より身長ありますし、
年下だと思いましまが…まさか…。」
「年下?まさか、何?」
「いえ、何も。」
「身長、チッ。あんたよりまっしだが、
165はある。クソッ。」

「あ、あの、ここには、牛乳やチーズがたくさん
ありますから、まだまだ伸びますよ。」

「なぐさめてるのか?余計なお世話だ。
伸びる?伸びるって中学の時から言われたが、
あーくそっ、チビで悪かったな。」

「あ、あの~すみません。」
「で?年下って言ってたけど、あんたも
対して変わんないでしょ?あんたの方が
高校生にみえるけど、子持ちだし…何歳なんだ?」

私が25歳であることを、伝えるとすごい
驚かれました。

「その顔で子持ち、詐欺だ。しかも、なぁ
あんたの子どもと父親って…。」

ガタン。
「おい、俺のさくらに何言ってんだ。」
「さくらに暴言吐くなら、出て行け。」
ケンジさんと誠一さん。

「にいちゃ…あ、兄貴。違う。説明してただけだ。」
「身長の説明?」
け、ケンジさん。
「おまえは、2番目の母に似て小さい。」
小さいって 言った。

「せ、誠一さん…あっ、か、奏さん?」
「よく泣くチビだ。」
ケンジさん。
「泣くな。一応男だろ?」
一応…。

「一応じゃなく、ズビビっ。僕は男だ。
にいちゃん酷い。」
「ん?なぜだ?オムツ替えした時、
おまえは、男だったはずだから、
間違ってないはずだが?」

「あ、あの、お二人ともそのへんに
しとかないと、奏さんがあまりにも
…なんだか、かわいそうです。」
「なぜ?」
「えっ?」
「さくら、それは年下で20だったはずだから
呼び捨てでいいぞ。」
「20歳、やはり聞き間違えじゃぁ
なかったんですね。
高校生の家出かと思いました。」
「……。」

奏さん改め、奏くんは本格的に泣き、
落ち着かせるのが大変でした。

誠一さんによると、小さな身体の
奏くんのお母さんが命と引き換えに産んだため
お手伝いさんと16歳の誠一さんに、
弟の世話を押し付けた誠一さん達のお父さん。

お手伝いさんがほとんど育ての親といっても
過言ではないらしいです。
誠一さんはたまに、奏さんに
ご飯やおむつをかえたそうです。

全寮制の学校に行く時は、泣きわめかれ、
長期休暇など弟の為に帰ってたみたいでした。

3番目のお母様は、面倒を見ない人だった
らしいです。

「すっかり、お兄ちゃんっ子なんですね。」
って言ったら
「面倒でうるさかった。」
「に、にいちゃん…。」

「お前は、俺の代わりなんだから、
しっかりしないとダメだ。」
「にいちゃ…?」

「長男に何かあっても、次男三男がいたら、
大丈夫だ。長男の代わりは、次男三男がなれる。」
「……。」
「おまえは跡取りだから、しっかりしろ。
俺が切った縁は父というものだけだ。」
「「「……。」」」

「にいちゃんのばかー。にいちゃんの婚約者、
にいちゃんが居なくなったから、
婚約者を俺に押し付けてきたんだ。」
「僕がやりたかった事も全否定されたし、
行きたくない大学にも行かされてる。」
「……。」
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