『完結』地味でも地道にコツコツとしていたのに、突然、なぜかこうなりました。

取材

あかね目線

取材を申し込んできた男性と女性は、
市内にあるピジネスホテルに
泊まりながらの取材旅行を
していたそうです。

各地の穴場スポットを探し、ネットの
情報、口コミなど頼りに飛び入りで
参加したり、なかなかハードな
スケジュールの思いつき取材だそうです。

今日が最終日で、明日の夕方の
飛行機で帰る予定だったらしいです。

ビジネスホテルをキャンセルし、
うちに豚の出産を見るために
泊まり込みの取材をする事に
なりました。

たまに来るお客様の為に、
和風の離れがあり、そこに
泊まってもらう事にしました。

謝礼を払うと言ってたけど、
民泊施設じゃないし、一般の
見学コースの分だけ、もらいました。

2回分払うと言われましたが、
基本出産時の見学コースは、ないので、
キッパリ断りました。
忙しくなるし、放置気味しかも、
ケンジの口調のこともあり、
バタバタする事も、先に謝りました。

「なんか急に押しかけて、すみません。」
「なーんもないとこですけぇ、今は
ゆるりしてね。夜11時はまわりそーだし、
風呂入って、仮眠しちょったら、
ええんねぇ。」

「ご飯は別盛りして、部屋で食べる？」
「皆さんはどうしてるんですか？」

仕事終わりや交代が、バラバラな為、
座敷机に大皿で、炒め物、煮物、焼き物、
"つけもん"、揚げもんなど各自、
好きなだけとって食べる事を伝えました。

「和風のバイキング風なんですねー。」
「バイキング風、そうかもしれないですね。
朝は６時、昼１２時、夜６時って
感じでご飯用意してますよ。各自、
自分でご飯ついで、おかずも、てげて…
えーと、テキトーにお好きなだけ、
食べてくださいね。」

「わあ、料亭以上だぁ。きて良かった。
色々いい事あったし。ありがとう。
あかねさん。ちなみに、あかねさんは、
あの恋人やあの…。」

「あたしみないなんに、彼氏とか
いませんよ～もぉ、お世辞上手ですね。
褒めてもなぁ～んも、出ませんよ。」

いやぁ～なんかあっついわ。
照れてしまう。

「見学んときは、汚れてもいい格好で、
あと、エアコンは子豚の為に緩いので、
暑いから気をつけて下さいね。」

よし、これ以上おだてられたら、
どうなるかわからんわ。

「あかねさん、ありがとうございます。」
「あっ、あぁ、いえいえどーいたしまして。」

あかねは男性の熱いまなざしと、
手を握られ、ドキドキしていました。
話しやすいし、優しそう。
仕事熱心だわー。いいなも。

あの女性とは本当に、仕事だけの
関係かなぁ？
ビジネスホテルも一緒の部屋だったの？
男女の仲ではないの？

部屋を用意する時、別の用意をしたん
だけど、夜は起きてるし一緒の
部屋でいいと言われたのでした。


さくらちゃんとケンジの事もあり、
赤飯までありました。
台所を手伝ったあかねは、さくらを
時々みにいきながら、小豆がゆや、
カラダに良さそうな食事を、
持っていきました。

「さくらちゃん、大丈夫？」
「あかねさん、すみません。
」
「謝んないの。みずくさいでぇ、もう、
あたしの妹なんやならね。それより
なんか食べたいもんある？」
「とくに、思いつかないです…。」

「アイスクリームとか、どう？
兄の牧場で、作ったのんやよ。」
「アイス。」

うんうん、ほんま可愛い子やわ。
わかりやすい子。お姉さんが特別に
持ってきてあげよう。
「よしよし。ソフトクリームは、牧場にしか、
機械がないから無理やけど、カップのは、
冷凍庫にたんまり、あるから持ってきたる
さかいちょっーまっとってなぁ。」