『完結』地味でも地道にコツコツとしていたのに、突然、なぜかこうなりました。

カヨワイさつき

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長い一日 パート1

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出産間近の豚が数頭いる小屋で
作業をしていたケンジ目線。

ケンジは黙々と作業をしていた。

姉のあかねから数十回のメール。

今日はじーちゃん、ばーちゃんの家に
可愛い子が来てるっていう内容の
メールだった。

即断る事にした。
言い訳ならある。
豚のさくらの出産が近づいていた。

畜産を父から習っていた時、生まれた
ばかりの豚に名前をつけてしまったのだ。

かわいい子豚、ピンク色の肌が桜色だったので
さくらってつけたら、おとんのゲンコツが
飛んできた。

「情が移ると、肉にすっとききついぞ。」
ていわれました。
ゲンコツが痛すぎて、それのほうが
ツライって心の中でつぶやきました。

さくらは生まれた時死にかけていた。
半ば死んでいた。
1番小さくて、口に羊水などつまり
なかなか息をしなかった。

口の中の羊水を取り撫ぜたり叩いたり
子豚の顔をカポッとくわえ、
人工呼吸?すると、プビップビッ…
息をしてくれたそうです。

乳の水も悪く競争に負けていた
子豚のさくらに情をかけすぎてしまった
ケンジは、肉にする事ができず
半ばペットのようになった豚のさくらを
可愛がってしまったそうです。

そんなある日に私がきてしまい…。

「あっケンジかな?」
「おかえりぃ~。」
「んんっ?」

制服?転校生?高校生が夜遅くまで
まだいたんだ。
確かに可愛い。
俺はついついみつめてしまった。

「ケンジ、こんこは明日から畑とか
体験すっ子よ。かわいいしょ。」
「あぁ。」
姉の言葉が通り抜けた。

身長160位の小さな少女に
上目遣いで見つめられ、
恥ずかしくなりついつい俺は
目をそらしてしまった。

「あっ。私 山野さくらです。 はじめまして。
お世話になります。」
「あぁ。」
さくら。豚のさくらと同じ名前。
しかも人間のさくらは可愛すぎた。

高校生という事は、俺は22だから、
年の差を考えてしまい、ため息が
出そうになった俺は足早に
スタスタ歩き立ち去ってしまった。
動揺しすぎだ、俺。

「愛想なくてごめーんねぇ。ケンジねぇ
昔っからでねぇ、あんま話さないから、
喋れん子かってぇ 両親も心配しとってね、
ある日 あまりにも喋らんから病院
連れて行こ~としたぐらいなんよぉ~。」

「病院…。」
遠くから姉と人間のさくらの声がした。

「あっ大丈夫大丈夫。ちゃんと続き
あんよー、ごめんごめん。泣きそうに
なるくらい心配せんといてな。」

俺のせいで泣いてる?!
なぜか罪悪感が半端なかった。

ガラッ。
「普通にしゃべれる。」

動揺した俺は人間のさくらの
頭を撫でていた。
柔らかな手触りの良い髪の毛。
ロングの髪の毛。好みど真ん中だった。

「こらぁ。さくらちゃんの頭やんかぶって
しまった…えーとボサボサにしてしまって
るから、ダメよって事。」
「……?」
「ちがうちがう、ケンジのセリフが
そうそうそれっなのよ。」

絶対方言わかってないだろな。
姉が焦って方言きつくなっていた。

「お父さんとお母さんに さっきみたいな
セリフ「僕は、普通にしゃべれます。
おとーさん、おかーさん心配せんといて。」
ってかんじで言ってたみたいよ。」

また俺を見つめてきた人間のさくらの
視線にたえれなくなった。

「ケンジどこ行くん?」
「風呂。」
「へー。」

「珍しく服持っとぉったから、
どっかいくのかなって思った、
いつもパンツ一丁なんよーあの子。」
あははは。

いつもなら服を持っていかないが、
パンツ姿が何故だか恥ずかしいと
思い服を持って風呂に入った。

これが人間のさくらに、一目ぼれ
した日の出来事だった。

豚のさくらの2回目の出産の立ち合い
誘おうかなぁ?

お風呂でさくらを想像してしまった。
もちろん人間のさくらを…。

俺はガラにもなくお風呂場で白濁を
何度か吐き出してしまった。

興味がなかったわけでもなく、
出会いがないだけでやりたい気持ちが
あったが、そーゆーお店に行くほど
やりまくりたい訳でもなかった。

朝早く忙しい仕事に疲れ果て
ヤル気が少なくなり、スッカリ
忘れていたモノが立ち上がってしまった
状態だった。

さくらを見るたび下半身が別の
生き物になったみたいだった。
この先ヤバイ。

翌朝。朝ごはんに茶碗がなかった。
小さな茶碗ならあった。
出し忘れ?と思い台所に行くと
おかんに借りたのかエプロン姿だった。

朝から刺激が強すぎた。
さくらが用意を手伝っている。
高校生なのに…これがロリコンって
言うやつか?
ロリコンはもう少し年若か?
あとで調べよう、どうでもいい事を
考えながら、俺はどんぶり茶碗を
座敷に持って行って、食事をした。
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