『完結』地味でも地道にコツコツとしていたのに、突然、なぜかこうなりました。

カヨワイさつき

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初めての場所に

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「初めまして山野さくらです。」
「おまんさぁとぉ、どっからきやったとぉ?」
街ん中の育ちか?」

おまんさぁとぉ?

「ここは空気がいいですね。」
ニコニコ。
「なーんもねぇが畜産や酪農が盛んなとこ
だがんなぁ。年がら年中あちーどなぁ。」
あちーど?暑いって事かな。

笑顔が素敵なおじさんやおばさん。
お店の場所やコンビニの場所を聞きましたが
遠すぎて車や単車がないと
私には厳しい距離でした。

親切なおじさんやおばさんに仕事が
ないか聞くと、ちょうど収穫時期だったので
お米や牛や豚のお世話もあると
教えてくれました。

出来れば雇って欲しい。
私はすぐに飛びついてしまいました。

「おまんさぁとぉ、いっとまてち。」
えっ?何?
おじさんは携帯でどこかに連絡してる
みたいでした。
方言がキツくて、言葉がわからないわ。
本屋さんか図書館ないかな?
方言の本あればいいのに。

誠一さんがいる場所から約1000キロの村。

やっと付き合えたのになぁ。
もう逢えない。忘れなきゃいけない…。

あっおじさんが電話終わったみたいだわ。
手を振ってくれている。
私も手を振り返しました。

「孫がくっでぇよ、いっとまてち。」
お孫さん、"いっとまてち"がまた出てきたわ。
"くっでぇよ"くる?来る?
お孫さんが来るからって事かな?

奥さんとお漬物="つけもん"をつまみながら、
休憩したり、お礼を兼ねて
また草抜きを手伝ったりしました。

暗くなり手元が見えなくなって来たので
「ありがとうございます。楽しかったです。
色々教えていただき、助かります。」
と言って立ち上がりました。

「おじーちゃぁん、おばーちゃぁん、遅く
なってしもてゴメンね~。」

手を振りながら、私と同じくらいの女性が
走り寄ってきました。

「はじめまして。私は孫のあかねです。
よろしくね。」
「はじめまして、私 山野さくらです。
こちらこそよろしくお願いします。」
方言がきつくない。
良かった。

「この村にようこそ おじゃったもんせぇ。」

「60代後半から方言きつくなるでぇ、
方言わがんねー時は、まあまあ若けぇ人
見つけて聞いたらえぇよ。」

「ありがとうございます。あかねさん。」
「いんやぁ若い人いねーってか、少なねーから
おない位の年代、うれしかぁ。」

「あとぉさくらさんさぁ、夜何かぁ
用事あるぅ?」
「いえ、引っ越したばかりで特に何も…。」

「ほんじゃぁさ、うちに来て。おじーちゃん
おばーちゃんが なんかごっそ作って、
さくらさんの歓迎会したいみたいだかぁーよ、
よかぁーなら、今から来てきて?」
「えっでも…。」
「あっ。ごめん、旦那さんとか一緒けぇ。それなら
旦那さんも一緒に来たらいいっしょ。」

「いいっしょ?あ、あの私独り身です。」
「わぁ~、ほんじゃあ決まりね。行こ。」

お孫さんのあかねさんに、半ば強引に決められ
るように自宅に連れられました。
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