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お互いの気持ち

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約一カ月の入院。
足の骨折から数回のムチャをし
複雑骨折などし足にボルトや
インプラントが埋め込まれた。

多少は動かせるがリハビリを
軽くこなすだけでは、眠れなかった。

さくらと運動をすると寝れるんだが
あれから篠原の嫌がらせなのか、
短いリハビリを数回と
検診、回診のサイクルが早くなった
気がした。

キスくらいしか出来てない。
さくらも体を拭いてくれる事もなくなり、
シャワーだけの虚しい日々を過ごしていた。

なぜだ?彼女が目の前にいるのに
出来ないなんて辛すぎる。
しかもなぜ、さくらはズボンを履いているんだ?

「篠原さんからいただいた このズボン
どうですか?私はこの裾に刺繍があって
気に入ってしまったんですが、どうですか?」

わざとだ。
彼女にズボン?俺への嫌がらせか?
今まで通り、スカートでいいじゃないか?
「似合ってるが、俺はスカートの方が
さくらには似合うと思うんだ。」

さくらのほっぺに色がついた。
可愛い。

ズボン意外にも、露出が少なめのデザインの
服が増えた。

ボディータッチも少なくなり、シャワーで
さくらを思いながら虚しく一人で
俺は欲望をはきだしていた。
「んっ…はぁ。はぁ。」
さくら愛してる。
さくらが足りない。欲しい。

さくら目線

誠一さんと付き合い始めて篠原さんに
気を使わせてしまっているわ。

「ありがとうございます。でもこんなに
たくさん悪いです。」
「いいのいいの。ちょっとした気持ちだし、
お下がりもあるから気にしないで。」

パンツルックのカッコいい大人の服。
フリルが付いているけど甘くなりすぎないズボン。
曽我さんがくれたファッション誌に、
そっくりな服やスーツもあり、
私は、こっそり一人ファッションショーを
楽しんでいました。

ジーパン生地に刺繍をされたメーカー物も
あり履き心地もよく、丈夫。
ノーメーカーのもカッコ可愛い服もあり、
これで少しは20歳に見えるかなって
鏡とにらめっこしていました。

コンコン。
「はーい。」

私は、お昼前だったのもあり気軽に
開けてしまいました。病院の個室にいたので
食事を持って来てくれたと思っていました。

スーツ姿の威圧的な男性。
「はじめまして。貴方が山野さくらか?」
「はい。は、はじめまして。」
ふんっ。
人を小馬鹿にしたような上から目線で
威圧感たっぷりの男性。
誠一さんを数十倍険しくし年を重ねたら
こんな風になるのかなぁ?

「美少女とは嘘っぱちだな。どこでもいる
面構えだ。」
たとえそうでも、直接的言われると辛いわ。

「少し出よう。ついてこい。」
「名乗りもしない人についていくほど
馬鹿じゃないです。」
この人嫌な感じだわ。

「馬鹿だろう。俺の顔がわからないのか?」
心底驚いている嫌なかんじの人。

「すみません。有名な人なんでしょうが
わかりません。」

「ふんっ。あいつも生意気なヤツだから、
女まで生意気だ。俺は
朝竹一(あさたけはじめ)あいつの
父親だ。付いて来い。」

えっ?誠一さんのお父さん?
私は、何も持たず着の身着のままで
ついて行ってしまいました。

地下の駐車場の車に乗らされた時に
貴重品持って来れば良かったと思い
口に出しましたが、
「はした金くらい出してやる。」
とまた嫌な発言をされました。

誠一さんのお父さんと私を乗せた車、
フルスモークの車を運転手さんは走らせました。

幸い広い後部座席は、私一人きりだったので
嫌な人の顔を見なくて数時間のドライブは
快適でした。
いつのまにか寝てしまいました。
「ふんっ。緊張感のかけらもないな。」
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