『完結』地味でも地道にコツコツとしていたのに、突然、なぜかこうなりました。

カヨワイさつき

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蒸しタオル その1

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検診が終わり、数分後に顔や手、
体などを拭くための蒸しタオルを
看護士が持ってきてくれた。

検診が終わった後も俺は固まっていた。
さくらの先ほどの言葉が、頭を駆け巡っていた。

お友達宣言やお知り合い宣言。
お知り合いは嫌だ。
彼氏彼女から遠すぎる。
だがお友達も嫌だ。
彼氏彼女をふっとばして、夫婦になりたい。
子どもたくさん欲しい。

あたたかい家庭がわからないが、
あたたかい家?何でも話せる家庭を
築きたい。
何でも話せる…?現時点で
何でも話せていないから
こうなっているんだよなぁ。
落ち込んでしまった。

告白しなければ。
俺の彼女になれ?
俺の女になれ?
なんかちがうよな?
どういう言葉が喜ぶのかがわからない。

蘇我が置いていった漫画を
サッと数冊読んだ。
流れ的にこうだった。

知り合う(挨拶や雑談)

仲良くなる(デートを重ねる)

彼氏彼女の関係になる(告白)

何故だか恋愛物の漫画ばかりだった。

知り合って仲良くなる。デート…。
デートをしていない。

告白の目安
3回~4回デートした後が一般的。

プロポーズは付き合ってから
早くて3ヶ月、長くて1年半が目安。

退院してデートを3回~4回
しなければならない。
場所は変えた方がいいんだよな。

ナースコールを鳴らし、
退院する事を伝えると、
ドクターストップがかかった。

骨折の足とマスコミ対策が
危ういため、デートも出来ない。

病室に監禁状態だ。
監禁、俺がさくらを監禁…。

やばい、アリかもしれない。

「タオル冷めてますね。ご気分が
悪いんですか?」

男性の看護師が蒸しタオルを、
取り替えてくれた。
ほぼ同時に、俺の診察の間 退室していた
さくらが戻ってきた。

「彼女さんに、拭いてもらいますか?」
「「えっ?」」

看護士は立ち去った。
しばらく2人は固まってしまった。

「か身体ぐらい自分で出来るから、
だから、さくら だ大丈夫だ。」

さくら目線

「えっで、でも(彼女じゃないけど、
違う意味の彼女だよね。)お世話に
なっていますし、お身体拭かせて下さい。」

誠一さんは口をパクパクさせ、
持っていた蒸しタオルを奪うように
私は蒸しタオルを手に取りました。

誠一さんのパジャマの上を脱がせて
首すじから背中を拭いていきました。
広い背中。
私を助けてくれた腕。
私を抱きしめてくれた腕。
ダメダメ、ちゃんと拭かなきゃね。

「気持ちいいですか?」
「あぁ。気持ちいい。お風呂かシャワー
浴びたいくらいだ。」
「ダメですよ。あと数日の辛抱ですし、
ごめんなさい、足にボトル?プレート?まで
入れたばかりですもんね。」

「…さくら、ボトルじゃなくボルトだ。」
飲みたくなるなぁ。
「ご、ごめんなさい。あっせ背中終わったので
前拭きます。拭かさせて頂きます。」

私は言い間違えてしまった。
蒸しタオルを変えて、前の首筋から
鎖骨 ワキ 腕 むね。
誠一さんが笑ってる。
この笑みは、何か企んでる顔よね?

むねをサッと拭き終わり、お腹やおへそ
あたりを拭いていると、
誠一さんの下半身が元気になっているのが
目視…してしまいまた。

下半身は自分でしてくれるよね?
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