『完結』地味でも地道にコツコツとしていたのに、突然、なぜかこうなりました。

４日目 パート1

痛み止めが効いていたのか、朝方まで、
寝てしまいました。
目覚めるとなんだか、身体がだるい。
これが、むち打ちかな？
数日は、痛みが出るって言われたし。
足の太さも若干違ってました。
服は、ハーフパンツ風のスカート、昨日のと色違い。
昨日の服は、擦り切れて元々が、
古着だからか、上の服も少し穴があきました。

「山野ちゃん、大丈夫か？」
鍵をあけると、心配そうにしている、
所長と松本さん、配達を終えた加藤さんまで、
いました。

「どうせ、メシ食わねーと思ってな。」
「ほれ。これ。美味しいって言って、
嬉しそうに食べてたから。」
コンビニの牛乳と、期間限定のシラスと高菜の
2色お弁当。
「ごめんなさい、お世話になりっぱなしだし、
すみません。」
松本さんには、イワシの煮付けと、炊き込みご飯。
加藤さんには、カルシウムウェハースを頂きました。

あれっ？骨折したのは、誠一さんだし、
私は、擦り傷や打撲だけなのに？
カルシウム系ばかりでした。

お昼まで、４人でワイワイ言いながら、
ご飯やおつまみを、つまんでいました。
美味しい。
今日の新聞の地域欄に、朝竹誠一、
３１歳、美少女を助ける。
と見出しに、割と大きく取り上げられていました。

いつのまか撮られていた写真。
救急車で運ばれる前の写真でした。
私は後ろ向きだったけど、誠一さんは、
私を抱きしめる様に 写っていました。
色々誤解を、招きそうな写真でした。

偶然にも、事故現場は、朝竹さんの会社の目の前。
しかも、相手は酒気帯び。
一つ気になったのは、美少女って。
私、美少女でないし、19歳は、少女じゃないのに。
しかも、明日は誕生日で、成人するのに。

誠一さん、31歳なんだ。
12歳、明日で11歳違いだわ。
社長さん、すごいなぁ。
株式会社ASA。
朝竹さんの朝だったんだ。
エーエスエー、不動産から、飲食業まで
幅広く知れ渡っている、大企業でした。
そんな人に助けてもらったなんて、
なんだか、恐れ多いわ。


誠一目線

「誠一様、申し訳ありません。情報が、漏れました。」
「仕方がないし、たくさん人がいたから、
ある意味、会社の宣伝になるから、あの人たちも
喜ぶだろう。」
「誠一様…。」
「それより、あの子の事は、調べついたか？」
「はい、今のところ資料は、こちらだけです。
申し訳ございません。引き続き、調べますので、
もう少し、時間を下さい。」

紙2枚分の身元調査。
「被害者か。」

「倉田、車を出せ。出かけるぞ。」
「かしこまりました。」
行き先を告げると倉田は、一瞬嬉しそうにし、
そして、いつもの何かを企んでそうな、
表情に戻った。