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2日目パート1

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真夜中、朝の配達に向けて、人の話し声、
バイクや自転車の音。
新聞の匂いに包まれながら、私は 
ウトウトしていました。

仕事仲間の、皆んなにわかるように、
談話室で私が住む事を、張り紙をして
いてくれたのと、鍵をつけてくれたおかげで、
ゆっくりできました。
雨漏りの心配もなく、冷暖房完備。

昨日、安く手に入れた麦茶を、
皆んなの為に、沸かしました。
ヤカンに、沸かした時間と、
メッセージを書いて、ふせんを貼り付けました。
~~~~~~~~~~~~~~
AM1時30分
毎日、お疲れ様です。
お茶飲んでください。山野
~~~~~~~~~~~~~~

「談話室、使えないんだ。早くきたのに、ねみぃ~。」
「俺も、コンビニバイト終わったから、
配達時間まで、寝ようと思ったのに、ダリ~。」

「おい こらっ。お前ら、昨日雇った子だし、
昔からの付き合いある子だから、
仲良くな。寝てるし 静かにしろ。
ごろ寝するなら、ほら。コレ敷いといてやるから。
コレ使え。」

「所長、あざーすっ。」
「所長、談話室の子、女?男?」
「女の子だが、手出したら、しばくぞ。」
「「女、おお~。」」

若そうなバイトの声。
私が談話室を占領したから、
仮眠取れなくなったんだ。
住み込み難しいなぁ。
やはり、安い、アパート探そう。
私、また、邪魔になってる。

朝方、仕事を終わらせた皆が、帰って来た時には、
身支度を整えて、事務所の留守番役として、
皆んなを、出迎えました。
「おかえりなさい。お疲れ様です。」

「おっ。山野ちゃん、早起きだね。
ゆっくり寝れたか?」
「はい。寝れました。すみません。
ご迷惑をおかけして、すみません。」
「うん?どしたんだ?あっ、これ、
美味そうだったから、ついつい買い込んでしまった。」
「一緒に、証拠隠滅してくれ。」
「しょ、所長?」

「腹減ってたし、新作につられたのもあって、
味も、色々確かめたかったからな。」
「わあ~所長、ずるい。俺もお腹すいた。」
「俺も、証拠隠滅に、協力しまーす。」
「おお、待て待て、えーと、4人だな。
全て4頭分に、分けよう。」

新作おにぎり、メロンパン、あんぱん、
菓子パン、唐揚げ、野菜サラダ、お菓子類、
色々ありました。
所長?もしかして私が、ご飯一日一食にしてるの、
バレたかな?
月1万円以内にしてるし、昨日スーパーで、
じっくり吟味して買い物したから、バレたかな?

週一回の買い物ですって、答えちゃったし、
もやし、たまご、お肉も、1パック、
お魚は、ししゃもお徳用1パック、
見切り品ばかり、買ったから。
もしかして、変に思われたかな。

「気使わなくていいぞ。お茶ありがとうな。
嫁にも話したし、本当によければ、
うちにおいで。俺が言い出した事だけど、
ここじゃあ、落ち着かないだろ?」

「す、すみません。早めに、見つけますので、
ごめんなさい。」

「何、何、なに?どうしたの?」

所長が、私がアパートを建て替えの為、
急に追い出された事、中学生の時、
ここでバイトしてた事など、色々、
バイト君たちに、話していました。

「うわぁ~。苦労してるね。ほらほら
これ食べて。所長が、買ったヤツだけど。」
「可愛そうに、だから、ガリガリなんだ。
ほら、これも、うまかったよ。」
「サラダ、サラダ、ほらほら。」
「こら、お前が、サラダ嫌いなだけだろうが。」
「野菜食べないと、血ドロドロになるぞ。成長期だろ。」
「俺もう、18だから、成長とまりかけだし、
野菜より、この新作ポテチと、
期間限定チョコ食べたいから、サラダいらねー。」

バイト君2人と、所長のやりとりに
つい、笑ってしまいました。
「流石に、買いすぎたな。これまだあるし、
昼ごはんにでも、食べてくれ。」

所長は、おにぎりや惣菜パン、牛乳が入った
コンビニの袋を、私に渡そうとしたので、
「あっ、いえいえ、あの、お金。」
私は、お財布を出して所長に、
渡そうとしました。
「皆んな、共犯で、証拠隠滅だ。
だから、俺の奥さんに、買い込んだ事、内緒な。」
「帰ったら、ご飯食べなきゃならないから、
お腹いっぱいに、なりすぎたら やばいんだよ。」
「了解っす。」
「りょうかーい。」
「ありがとうございます。」

「おぅ。じゃぁ、俺は一旦帰るわ。
また後でな。お前らも気つけてな。おつかれさん。」
「「「お疲れ様です。」」」
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