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俺は、騎士団団長のジーン・サントス・ニール。
この国の第3王子だった男。
第2王子だった兄王パーカー・アーク・ヤーク
と、"サファイア"何らかの手違いで、
彼女の幸運のほとんどが兄王に
いってしまったらしい。
彼女の運命を戻すために、そして守るため
神様と俺は取引をした。

             ***

夕方に俺の領地に到着した。
戦いの功績を無視できず、渋々
兄王に頂いた小さな領地は、
何もない荒野と言っても過言ではない
土地だった。
この土地では、人が住める状態ではなかった。
自費で、それなりの家や土地を整えたが
領民がいない領地。
木や作物もあまり育たない土地。
何とかしようと、王都で農地の勉強や
作物の作り方など、農業を営む者に
直接教えてもらった事もあった。
そのおかげなのか、じわじわだが
作物が育つ土地を増やしていけた。

数年前に、飢えた者や難民が
たどり着いた場所、それが
俺の領地と領民になった。
"ほどこす"感覚で、じわじわ
領民が増え、作物もじわじわ
僅かながら収穫出来たが、領民からは
まだ、税も取れない状態だった。
兄王には、領民がいないと報告を上げ
土地の税だけ自腹で払っていた感じだった。
味をしめた兄王は、土地税を取れると
思ったのか、更に荒れ果てた土地を
俺に下げ渡してきた。
辞退したが、無理矢理押し付けてきて
荒野の領地が増えた。
同時に飢えたり、他の領地から逃げてきた
難民が領民となり、増え続けていた。

200人位の領民は、畑を耕し僅かながら
蓄えも出来るようになってきた。
今では、小さいながらも
領民の共同の住まいも、幾つか建て
まだまだテント並の、家ばかりだか
何もない頃よりは、マッシになっていた。

こんな……。いや…人が住める土地に
なったんだ。あとは、蓄えや安定した
生活が出来る様になれれば……。
多くは、望まない…はず…だった。

サフィア……。
君が好きだ。
このまま、この領地で暮らしたい。
君は何ものかも、わからない。
君のように大きな光にはなれないだろう…
だが、目の前の夜光虫のように
微かな光を無数に君に送ろう。
いつかその光が大きな幸せと
いう光になるまで。
永遠に君を見ていよう。


「サファイア、君に話がある。」
「はい。」
「俺は、君に伝えたい事がある……。」

          ~~~~~終~~~~~
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