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ゆりの不安
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最近、ミーナさんに逢えないなあ。
メイドさんや執事さんに聞いても、
お仕事が忙しいとしか、教えてもらえない。
もしかして、避けられているのかな…。
なんだか、不安だわ。
やはり、発言が重かったかな…。
インドア派だった私だけど、この世界に来て
約2か月。たぶんそのくらいだと思うけど、
この豪華なお部屋が主な居場所。
たまに食堂、ほぼ部屋食。
ミーナさんがいない時は一人で食べていた。
あとは、お風呂と中庭、未だ一人で
行った事はない。必ず誰かはついてくる。
着替えやお風呂は、なるべく一人でしているけど
すぐそばに誰かが控えてる状態。
大きなお家だなぁって思ってたし、
見知った人しか見た事がなかったから
ここがどこで、ミーナさんの身分も
貴族かなんかの高い人位にしか
思っていなかった。
私は、危機管理がなっていなかった。
その日は、天気が良く中庭に出て
お茶を飲みながら読書の予定だった。
急遽前倒しで、ドレスや小物商の顔合わせがあり
次々に挨拶に来ていた。そして、
メイドさん達や臨時に雇い入れているのか
新しい顔がチラホラ見えた。
どの人も笑顔で、可愛い小物や
たわいない話、恋話もしている。
どこそこの伯爵が、誰だれの女性に
恋してるって感じの話。なかなか
楽しい話もあれば、昼メロ状態の話もある。
だけど、私には誰も話してこない。
少し寂しいかも。
相変わらず貴族の難しい名前が
あちこちで飛びかっている。
どこそこの王国が突如現れた勇者に
乗っ取られた。とか、退いた元王が
逃げ込んでいるとか。そんな
物騒な話も出ていた。
ちょっと、居心地が悪い話題になってきて
しまった。お花摘みに行こうかな?
お部屋を出て数十メートル先に、
お化粧室、お花摘みの場所がある。
いつもの使用人に声かけをする。
「ちょっと、お花摘みに行ってきます。」
「ゆり様、お供します。」
「すぐそこだし、大丈夫よ。」
これは、フラグであろうか?
「でも、ご主人様に叱られます。」
「大丈夫よ。それより、ほらそこの可愛い
小物や布を選んだりしといて。
良いのがあれば、教えてね。」
「は、はい。でも…。」
「大袈裟よ。部屋の外にも誰かいるんだから
大丈夫。ちょっと、行ってきます。」
と無理矢理1人で部屋の外に出て、
久々の一人歩き。
大袈裟だけど、本当に久々だわ。
人疲れをしていた私を気遣って、
ミーナ様は、なるべく見えない位置に、
こっそり護衛を置いてくれているみたいだった。
「本当に、わからないわ。」
私が鈍いのかもしれないけど、その日
警備が本当に手薄だったのと、
敵が手練だったのが、アザになった。
少し一人歩きを楽しみたいけど、
馬鹿正直にお花摘みに行き、適度に
時間つぶしをしたあと、廊下にでた。
「ゆり様?」
「はい…。」
うっ。私の意識はそこで途切れてしまった。
メイドさんや執事さんに聞いても、
お仕事が忙しいとしか、教えてもらえない。
もしかして、避けられているのかな…。
なんだか、不安だわ。
やはり、発言が重かったかな…。
インドア派だった私だけど、この世界に来て
約2か月。たぶんそのくらいだと思うけど、
この豪華なお部屋が主な居場所。
たまに食堂、ほぼ部屋食。
ミーナさんがいない時は一人で食べていた。
あとは、お風呂と中庭、未だ一人で
行った事はない。必ず誰かはついてくる。
着替えやお風呂は、なるべく一人でしているけど
すぐそばに誰かが控えてる状態。
大きなお家だなぁって思ってたし、
見知った人しか見た事がなかったから
ここがどこで、ミーナさんの身分も
貴族かなんかの高い人位にしか
思っていなかった。
私は、危機管理がなっていなかった。
その日は、天気が良く中庭に出て
お茶を飲みながら読書の予定だった。
急遽前倒しで、ドレスや小物商の顔合わせがあり
次々に挨拶に来ていた。そして、
メイドさん達や臨時に雇い入れているのか
新しい顔がチラホラ見えた。
どの人も笑顔で、可愛い小物や
たわいない話、恋話もしている。
どこそこの伯爵が、誰だれの女性に
恋してるって感じの話。なかなか
楽しい話もあれば、昼メロ状態の話もある。
だけど、私には誰も話してこない。
少し寂しいかも。
相変わらず貴族の難しい名前が
あちこちで飛びかっている。
どこそこの王国が突如現れた勇者に
乗っ取られた。とか、退いた元王が
逃げ込んでいるとか。そんな
物騒な話も出ていた。
ちょっと、居心地が悪い話題になってきて
しまった。お花摘みに行こうかな?
お部屋を出て数十メートル先に、
お化粧室、お花摘みの場所がある。
いつもの使用人に声かけをする。
「ちょっと、お花摘みに行ってきます。」
「ゆり様、お供します。」
「すぐそこだし、大丈夫よ。」
これは、フラグであろうか?
「でも、ご主人様に叱られます。」
「大丈夫よ。それより、ほらそこの可愛い
小物や布を選んだりしといて。
良いのがあれば、教えてね。」
「は、はい。でも…。」
「大袈裟よ。部屋の外にも誰かいるんだから
大丈夫。ちょっと、行ってきます。」
と無理矢理1人で部屋の外に出て、
久々の一人歩き。
大袈裟だけど、本当に久々だわ。
人疲れをしていた私を気遣って、
ミーナ様は、なるべく見えない位置に、
こっそり護衛を置いてくれているみたいだった。
「本当に、わからないわ。」
私が鈍いのかもしれないけど、その日
警備が本当に手薄だったのと、
敵が手練だったのが、アザになった。
少し一人歩きを楽しみたいけど、
馬鹿正直にお花摘みに行き、適度に
時間つぶしをしたあと、廊下にでた。
「ゆり様?」
「はい…。」
うっ。私の意識はそこで途切れてしまった。
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