26 / 61
慌ただしい毎日
しおりを挟む
「実は私…。」
ゆりのあの日の言葉から、俺の
慌ただしい毎日が続くようになった。
夜に差し掛かっていたのに、
お城中の伝令、早馬、魔法の手紙まで
飛び、瞬く間に広まった。
準備期間は1ヶ月もない。
周りは張り切っていた。
どうしてこうなるんだ?って
思うくらいすれ違う毎日が続いた。
あの日の夜、もう一つの伝令によって
知らされた内容に、なぜ、
このタイミングって
怒りを滲ませてしまった。
俺は、以前にも増して身体を鍛え
訓練に参加し、ゆりに逢えなくなった
侘しい時間を紛らわしていた。
事務作業だけでなく
ちょっとした、下のものが扱う
案件でも積極的に、仕事をこなしていた。
睡眠時間も削りに削っていた。
何を勘違いしたのか、あの手この手で、
相変わらず兄は、俺にしわ寄せ?
俺に仕事を押し付けようとするが、
俺は全力で回避していた。
兄の仕事をする気はサラサラない。
兄たちは、他国に弱いフリをしている。
見た目も、線が細くスマートに見えるらしい。
俺からしたら、ただの腹黒タヌキだ。
俺よりヤバイ。
数日だが、ちょっとした遠征を何度かしている。
何も分かってない他国には、
俺が邪魔みたいで、俺が消えれば、
この国が手に入ると勘違いしている節がある。
俺より強いやつは、たくさんいるし、
優秀な頭脳もたくさんいる。
ターゲットが俺なら動きやすい。
今まで通り、動くまでだ。
そんなおバカな相手国は、分かりやすく
挑発に乗ってくれたりもした。
俺は何も知らないアピールし、筋肉バカ?
と言うんだろうか、そんなフリを
していたら、兄の敵になりそうなものも含め
油断してくれている。
スパイは、相変わらずまだ泳がせているが、
ゆりの存在がバレた時点で、俺は
早めに仕掛けようと画策している。
邪魔になりそうなものを、排除したり
スパイを利用しわざとその国に
旨味がある話のような話を流したりもした。
汚れ仕事は俺の仕事。
兄達には、"綺麗で良い者ががたくさんいる
カセンドラー王国"を違うやり方で
守って欲しい。
だが、今回は複雑な心境だった。
気にかかるのは、ゆりの事だけだが、
あと数回は、直接出なければならないかも
しれない。日数はかぎられている。
ゆりには、黙っていたい。
危険な目に合わせたくはないから、
先制攻撃でつぶしとくまでだ。
まだ、間に合う。
俺は可愛いゆりの寝顔をみて
「行ってくる。早めには帰るつもりだ。」
艶のある髪の毛をさわりながら、
呟いた。夜明け前、そっと部屋を出て
出立した。
わずか数人の出立だった。
ゆりのあの日の言葉から、俺の
慌ただしい毎日が続くようになった。
夜に差し掛かっていたのに、
お城中の伝令、早馬、魔法の手紙まで
飛び、瞬く間に広まった。
準備期間は1ヶ月もない。
周りは張り切っていた。
どうしてこうなるんだ?って
思うくらいすれ違う毎日が続いた。
あの日の夜、もう一つの伝令によって
知らされた内容に、なぜ、
このタイミングって
怒りを滲ませてしまった。
俺は、以前にも増して身体を鍛え
訓練に参加し、ゆりに逢えなくなった
侘しい時間を紛らわしていた。
事務作業だけでなく
ちょっとした、下のものが扱う
案件でも積極的に、仕事をこなしていた。
睡眠時間も削りに削っていた。
何を勘違いしたのか、あの手この手で、
相変わらず兄は、俺にしわ寄せ?
俺に仕事を押し付けようとするが、
俺は全力で回避していた。
兄の仕事をする気はサラサラない。
兄たちは、他国に弱いフリをしている。
見た目も、線が細くスマートに見えるらしい。
俺からしたら、ただの腹黒タヌキだ。
俺よりヤバイ。
数日だが、ちょっとした遠征を何度かしている。
何も分かってない他国には、
俺が邪魔みたいで、俺が消えれば、
この国が手に入ると勘違いしている節がある。
俺より強いやつは、たくさんいるし、
優秀な頭脳もたくさんいる。
ターゲットが俺なら動きやすい。
今まで通り、動くまでだ。
そんなおバカな相手国は、分かりやすく
挑発に乗ってくれたりもした。
俺は何も知らないアピールし、筋肉バカ?
と言うんだろうか、そんなフリを
していたら、兄の敵になりそうなものも含め
油断してくれている。
スパイは、相変わらずまだ泳がせているが、
ゆりの存在がバレた時点で、俺は
早めに仕掛けようと画策している。
邪魔になりそうなものを、排除したり
スパイを利用しわざとその国に
旨味がある話のような話を流したりもした。
汚れ仕事は俺の仕事。
兄達には、"綺麗で良い者ががたくさんいる
カセンドラー王国"を違うやり方で
守って欲しい。
だが、今回は複雑な心境だった。
気にかかるのは、ゆりの事だけだが、
あと数回は、直接出なければならないかも
しれない。日数はかぎられている。
ゆりには、黙っていたい。
危険な目に合わせたくはないから、
先制攻撃でつぶしとくまでだ。
まだ、間に合う。
俺は可愛いゆりの寝顔をみて
「行ってくる。早めには帰るつもりだ。」
艶のある髪の毛をさわりながら、
呟いた。夜明け前、そっと部屋を出て
出立した。
わずか数人の出立だった。
0
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
旦那様の様子がおかしいのでそろそろ離婚を切り出されるみたいです。
バナナマヨネーズ
恋愛
とある王国の北部を治める公爵夫婦は、すべての領民に愛されていた。
しかし、公爵夫人である、ギネヴィアは、旦那様であるアルトラーディの様子がおかしいことに気が付く。
最近、旦那様の様子がおかしい気がする……。
わたしの顔を見て、何か言いたそうにするけれど、結局何も言わない旦那様。
旦那様と結婚して十年の月日が経過したわ。
当時、十歳になったばかりの幼い旦那様と、見た目十歳くらいのわたし。
とある事情で荒れ果てた北部を治めることとなった旦那様を支える為、結婚と同時に北部へ住処を移した。
それから十年。
なるほど、とうとうその時が来たのね。
大丈夫よ。旦那様。ちゃんと離婚してあげますから、安心してください。
一人の女性を心から愛する旦那様(超絶妻ラブ)と幼い旦那様を立派な紳士へと育て上げた一人の女性(合法ロリ)の二人が紡ぐ、勘違いから始まり、運命的な恋に気が付き、真実の愛に至るまでの物語。
全36話
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
殿下には既に奥様がいらっしゃる様なので私は消える事にします
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のアナスタシアは、毒を盛られて3年間眠り続けていた。そして3年後目を覚ますと、婚約者で王太子のルイスは親友のマルモットと結婚していた。さらに自分を毒殺した犯人は、家族以上に信頼していた、専属メイドのリーナだと聞かされる。
真実を知ったアナスタシアは、深いショックを受ける。追い打ちをかける様に、家族からは役立たずと罵られ、ルイスからは側室として迎える準備をしていると告げられた。
そして輿入れ前日、マルモットから恐ろしい真実を聞かされたアナスタシアは、生きる希望を失い、着の身着のまま屋敷から逃げ出したのだが…
7万文字くらいのお話です。
よろしくお願いいたしますm(__)m
【完結】帰れると聞いたのに……
ウミ
恋愛
聖女の役割が終わり、いざ帰ろうとしていた主人公がまさかの聖獣にパクリと食べられて帰り損ねたお話し。
※登場人物※
・ゆかり:黒目黒髪の和風美人
・ラグ:聖獣。ヒト化すると銀髪金眼の細マッチョ
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない
ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。
公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。
旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。
そんな私は旦那様に感謝しています。
無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。
そんな二人の日常を書いてみました。
お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m
無事完結しました!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる