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やっと

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ゆりを俺の、俺の…。
受け取ってくれるだろうか?
これは、予約だ!!って言おうか?
もし、受け取りを拒否されたら
俺は、どう過ごせばいいんだ。
ゆりがいなかった時、俺は
どういう生活をしていたんだ?
当たって砕けろって言葉、
やる側にしたら、辛いし怖い。
他人には、何度か使っていたが
こんな気持ちだったのか。

今までのやつらには、優しく
出来そうな気がする。

あーっ。
とりあえず、ブツは揃った。
あとは、渡したらいいだけだ。
万が一だめでも、下手したら父親や母親と
同じ年かもしれない。
それならば、異世界の父として……。
悲しい、悲しすぎる。
父親。ゆりの父親として、
お前は誰にも渡さん。
嫁にはやらん。

ハア~。

「あっ、あの~。申し訳ございません。
そちらは、そんなに難しい案件でしたか?」
あっ、いかん、いかん。
今日は、月に一度の定例会。
めんどくさい食事会を兼ねた定例会の最中だ。
はあ~。
早く帰りたい。
お城内だが、棟がちがう。
この棟は、お城の正門近くにある部屋だ。
住まいとしてる場所と、少し離れていた。

「お身体の調子が悪いのでしょうか?」
「あっ、すまない。大丈夫だ。これは、
もう少し遅らせてもいいと思うが、
急ぎの案件にまぎれてるのは、何故だ?」
「そちらは、魔術師たちの予想を込での……。」
定例会という会議は、2時間弱続いた。
食事も食べた気がしない。
はたして、食べただろうか。

仕事を終わらせ、急いで着替えた。
そして、ゆりのもとに文字通り駆け込んだ。
ドアを開けた瞬間、柔らかい何かを
踏んづけた。
「プギッィ。」
「うおっ。」
「ぶぎゅ。」
「うぎゅ。」
ちゅっ。
むにっ。

足元に俺の足跡がついた白いウサモル。
特大と、あと2匹の特大ウサモルが、
ゆりを支えるように下敷きになっていた。

俺はゆりを押し倒すように……。
ちゅっ?
むにっ。
なんだこの柔らかい触り心地のよい、
吸い付くような……。
むにっ、むにっ。

「……。」
「……。」
お、俺は何を揉んだ?
ゆりは、涙目になって口を抑えてる。

「す、すまな……。」

「ご主人様、ゆり様を押し倒した挙句、
キスをした上に、胸まで何度も揉むなんて、
嫁入り前の娘にどう責任を取るおつもりですか?」

やはり、き、キスをして、胸、あの柔らかい
胸を触ってしまった。
感触がまだある。
むにっ。
「ひっ。」

「ご主人様。」
「す、す、すまない。ち、違うんだ。」

「ミーナ様、言い訳よりゆり様から
どいてあげた方がいいですよ。困ってます。」

「あっ、ああ。」
「……。」
お互い顔を赤くしながら、体勢を整えて
ソファーに座った。

あれは、わざとじゃない。
不可抗力だ。
しかもなんだ。あの巨大なウサモル?だよな?
大きくても、20センチ位にしか
ならないんじゃないのか?
あんなに、大きくなるのか?
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