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驚きすぎた。
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と、とりあえず大丈夫かって?
俺の心は、かなり…いや?
大丈夫じゃない。
あれ、言葉が変だし、出てこない。
勘違い、目の錯覚、幻影、幻聴、
あれだ、ま、まやかし、まぼろしだ。
俺の願望?ありえない言葉が
少女の可愛い口から聞こえた気がする。
声かすれてるよな?
水、お水、お茶、くそっ、少女の
喉に良さそうなものはないか?
とりあえず水、お水だ。
「俺はミーナ・レジェン・カセンドラーだ。
声、喉痛いか?」
なぜ俺は、もう一度名前を言ってるんだ?
少女の可愛さにやられ、声も聞きたいが…
少女の喉を潤さなければならない。
俺はそっと、少女の手に水の入った
グラスを握らせた。
「水だ。飲め。」
あーぁ、なんで俺は、こんな口調なんだ。
女子どもは、俺を見たら逃げるか、泣くかだし
まともに話した事がない。
だからって、初対面にも等しい少女に対して
この口調は、きついだろうか?
「あ、ありが…とう…ござ…。」
「喉がかれてる、飲め。」
少女はビクッとしていた。
やってしまった…。泣かれるかな?
言葉遮ってしまったし、なぜだ、
なぜ俺は、不器用なんだ。
気の利いたセリフが言えない。
くそっ。
自分でも顔が怖いのがわかってるし、
言葉は、命令口調。
今の自分、顔が険しくなってる気がする。
少女は、コクッと一口飲み、
そしてまた、一口飲もうとした。
ごほっ、こほっ。
むせていた。
少女の背中を叩こうとしようとして、
たたく?だめだ。背骨が折れたらダメだ。
じゃあ、どうしようか迷ってると……。
はあぁぁ~。
長いため息が長官から聞こえた。
「あっ、まだ居たんだな。」
「おい、ミーナちゃん、不器用にもほどがあるわよ。
彼女の背中位、役得でしょ、優しく
さするくらいしなさいよね。」
はあ~。
さする。そうか少女の背中をさするんだ。
さする、さわる。役得。
なぜか手が震えてきた、顔も赤い気がする。
「ハイハイ、大丈夫?こんな怖い顔つきの
ミーナちゃんに、睨まれて怖かったね。
よしよし、怖くないよぉ。」
長官は、俺をチラチラ見ながら
少女の背中をさすっていた。
俺も触りたかっ…、ち、違う、
触りたいじゃなく、さすりたかったんだ。
決してやましさなど…なくはないが、ない。
くそっ。長官め。覚えてろよ。
「あっ、かっ…こ…こ…。」
「……。」
さっきの、あのマボロシの言葉か?
かっ、こ、こ、いい。て、ん、し。
かっこいい、俺?
てんし、俺??
途切れ途切れだし、違う言葉だ。
希望は、もってはダメだ。
恐るな、俺。これは、違う言葉だ。
よしっ。
「お腹は空いていないか?
スープなら、用意できる。」
「は、はい、あ、ありがとう…ございます。」
俺の心は、かなり…いや?
大丈夫じゃない。
あれ、言葉が変だし、出てこない。
勘違い、目の錯覚、幻影、幻聴、
あれだ、ま、まやかし、まぼろしだ。
俺の願望?ありえない言葉が
少女の可愛い口から聞こえた気がする。
声かすれてるよな?
水、お水、お茶、くそっ、少女の
喉に良さそうなものはないか?
とりあえず水、お水だ。
「俺はミーナ・レジェン・カセンドラーだ。
声、喉痛いか?」
なぜ俺は、もう一度名前を言ってるんだ?
少女の可愛さにやられ、声も聞きたいが…
少女の喉を潤さなければならない。
俺はそっと、少女の手に水の入った
グラスを握らせた。
「水だ。飲め。」
あーぁ、なんで俺は、こんな口調なんだ。
女子どもは、俺を見たら逃げるか、泣くかだし
まともに話した事がない。
だからって、初対面にも等しい少女に対して
この口調は、きついだろうか?
「あ、ありが…とう…ござ…。」
「喉がかれてる、飲め。」
少女はビクッとしていた。
やってしまった…。泣かれるかな?
言葉遮ってしまったし、なぜだ、
なぜ俺は、不器用なんだ。
気の利いたセリフが言えない。
くそっ。
自分でも顔が怖いのがわかってるし、
言葉は、命令口調。
今の自分、顔が険しくなってる気がする。
少女は、コクッと一口飲み、
そしてまた、一口飲もうとした。
ごほっ、こほっ。
むせていた。
少女の背中を叩こうとしようとして、
たたく?だめだ。背骨が折れたらダメだ。
じゃあ、どうしようか迷ってると……。
はあぁぁ~。
長いため息が長官から聞こえた。
「あっ、まだ居たんだな。」
「おい、ミーナちゃん、不器用にもほどがあるわよ。
彼女の背中位、役得でしょ、優しく
さするくらいしなさいよね。」
はあ~。
さする。そうか少女の背中をさするんだ。
さする、さわる。役得。
なぜか手が震えてきた、顔も赤い気がする。
「ハイハイ、大丈夫?こんな怖い顔つきの
ミーナちゃんに、睨まれて怖かったね。
よしよし、怖くないよぉ。」
長官は、俺をチラチラ見ながら
少女の背中をさすっていた。
俺も触りたかっ…、ち、違う、
触りたいじゃなく、さすりたかったんだ。
決してやましさなど…なくはないが、ない。
くそっ。長官め。覚えてろよ。
「あっ、かっ…こ…こ…。」
「……。」
さっきの、あのマボロシの言葉か?
かっ、こ、こ、いい。て、ん、し。
かっこいい、俺?
てんし、俺??
途切れ途切れだし、違う言葉だ。
希望は、もってはダメだ。
恐るな、俺。これは、違う言葉だ。
よしっ。
「お腹は空いていないか?
スープなら、用意できる。」
「は、はい、あ、ありがとう…ございます。」
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