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気絶したい?! ゆり視点
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やはり都合よく気絶は出来なかった。
意識があるから怖いしツラい。
急に身体が浮き上がったと思ったら、
少し乱暴な手つきで、硬めの布?で
身体を包み込まれた。
そのまま、抱えられ少し薄目をしたら
床と大きなブーツ?を履いた足が見えた。
うつ伏せ状態で運ばれていた。
私の顔が醜いから、見たくないんだわ…。
男性が歩くたびに、グイグイっと
ゆりのお腹に食い込む太い腕
地味に痛い。
外に出ると、少し肌寒く感じた。
ブルルルッと何か動物の気配。
男性が話す言葉が聞こえたけど、わからない。
お尻からドサッと地面に下ろされ
頭を両手でそっと寝かされた。
あれ?優しい?けど、私
今度は外に……。
動物、外、私もしかして生贄?
嫌、怖い。逃げたいけど、布で包まれてるし
身動き取れにくい。怖いよ。
今、私、裸足だわ。しかも逃げたとしても
絶対追いつかれるわ。
自分自身、走るどころか立って歩けるか
どうかもわからない。
ここの場所も、わからない。
もう、嫌。私、前世で何か悪い事したのかな?
せめて、痛みを感じる間もないうちに
早く亡くなりたい。
地面を踏みしめる足音がしたと思ったら
耳元に何かささやいたあと、
身体を縛られた。
やはり、このまま私は……。
絶望感を漂わせながら、泣きたいのを
ゆりは必死に我慢した。
縛られた後ふわっと身体が浮き上がると
何かの動物の上?に乗せられた?!
動物が動き出すと、私のお腹に
ダイレクトに振動がきた。
お腹痛いし気持ち悪い。
「ぅえっ。」
お腹を空かせた私の胃の中は
空っぽだったから、さいわい
吐くものは出なかった。
走るペースがゆっくりになり
『気がついたのか?』
男性が話したと思ったら、浮遊感がし
くるっと仰向けになった。
びっくりした。
髪の毛はツンツン?短髪かな?
大きな男性。
周りは暗くなっていたから、残念ながら
男性の表情は見えなかったけど、
愛想良くしなければと思い
恐々笑いかけてみた。
息を飲むような音が男性から聞こえた。
やはり、私なんかが笑っても無駄だったんだ。
男性は、私の笑顔に引いたんだわ。
「ご、ごめんなさ…。」
『黙れ。危険だ。』
謝ろうとしたら、言葉がぶつかり
強い口調で遮られた。
なんとなく拒絶の言葉に聞こえた。
"ごめんなさい。怒らないで。"
"許して。お願い、怖い事しないで。"
心の中で繰り返しながら、
暗くてわかりにくい男性の表情を
ジーッと見つめていた。
もしも、私が生きてる事が許されるなら、
なるべく怖い事や痛い事が
おきない世界に行けますように…。
.
.
.
『おかえりなさいませ。…どこで、
さらってきたのですか?』
遠くで誰かの声が複数聞こえていた。
そしていつのまにか、ゆりは
意識を手放していた。
意識があるから怖いしツラい。
急に身体が浮き上がったと思ったら、
少し乱暴な手つきで、硬めの布?で
身体を包み込まれた。
そのまま、抱えられ少し薄目をしたら
床と大きなブーツ?を履いた足が見えた。
うつ伏せ状態で運ばれていた。
私の顔が醜いから、見たくないんだわ…。
男性が歩くたびに、グイグイっと
ゆりのお腹に食い込む太い腕
地味に痛い。
外に出ると、少し肌寒く感じた。
ブルルルッと何か動物の気配。
男性が話す言葉が聞こえたけど、わからない。
お尻からドサッと地面に下ろされ
頭を両手でそっと寝かされた。
あれ?優しい?けど、私
今度は外に……。
動物、外、私もしかして生贄?
嫌、怖い。逃げたいけど、布で包まれてるし
身動き取れにくい。怖いよ。
今、私、裸足だわ。しかも逃げたとしても
絶対追いつかれるわ。
自分自身、走るどころか立って歩けるか
どうかもわからない。
ここの場所も、わからない。
もう、嫌。私、前世で何か悪い事したのかな?
せめて、痛みを感じる間もないうちに
早く亡くなりたい。
地面を踏みしめる足音がしたと思ったら
耳元に何かささやいたあと、
身体を縛られた。
やはり、このまま私は……。
絶望感を漂わせながら、泣きたいのを
ゆりは必死に我慢した。
縛られた後ふわっと身体が浮き上がると
何かの動物の上?に乗せられた?!
動物が動き出すと、私のお腹に
ダイレクトに振動がきた。
お腹痛いし気持ち悪い。
「ぅえっ。」
お腹を空かせた私の胃の中は
空っぽだったから、さいわい
吐くものは出なかった。
走るペースがゆっくりになり
『気がついたのか?』
男性が話したと思ったら、浮遊感がし
くるっと仰向けになった。
びっくりした。
髪の毛はツンツン?短髪かな?
大きな男性。
周りは暗くなっていたから、残念ながら
男性の表情は見えなかったけど、
愛想良くしなければと思い
恐々笑いかけてみた。
息を飲むような音が男性から聞こえた。
やはり、私なんかが笑っても無駄だったんだ。
男性は、私の笑顔に引いたんだわ。
「ご、ごめんなさ…。」
『黙れ。危険だ。』
謝ろうとしたら、言葉がぶつかり
強い口調で遮られた。
なんとなく拒絶の言葉に聞こえた。
"ごめんなさい。怒らないで。"
"許して。お願い、怖い事しないで。"
心の中で繰り返しながら、
暗くてわかりにくい男性の表情を
ジーッと見つめていた。
もしも、私が生きてる事が許されるなら、
なるべく怖い事や痛い事が
おきない世界に行けますように…。
.
.
.
『おかえりなさいませ。…どこで、
さらってきたのですか?』
遠くで誰かの声が複数聞こえていた。
そしていつのまにか、ゆりは
意識を手放していた。
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