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贈り物
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"ななお"は人間で寿命が100年も満たない
か弱い存在。
一方、鬼神族は長くて2500年。
ほとんどの者は1800から2000年
生きたらいい方だった。
そのまま一緒になると寿命の差や子を成す時
死ぬ確率が高くなる。
寿命の短い者と長い者とが一緒になる時には、
後継人をたて、契約する。
寿命を分け与える契約だ。
書類にサインをし、寿命契約と婚姻の契約を
一緒にするのが一般的だった。
ルグエンは"ななお"をあらゆる事から、
守りたかった。
寿命を一緒にする事で、自分が死んだら
"ななお"も亡くなってしまうが、
残したり残されたりは、嫌だった。
ちゃんと説明しなければならない。
だが、なかなか言い出せないルグエンがいた。
帰り際に鬼子母神が七緒の耳元で何かを
話し、時折こちらをちらちらみながら
手紙を渡していた。
気にはなったが、とりあえず先に帰宅するのを
優先したルグエンだった。
七緒目線
「七緒ちゃん、いきなり狼の群れに送り込んで、
悪かったわね。びっくりしたでしょう。」
鬼子母神様の仕業だったんだ。
「あの、でもどうして…。」
「お礼に、あなたの望む男をプレゼントしたかった
んだけど、説明忘れちゃったのよねーっ…。
でっ、どれかいいのいた?」
「えっ…。」
「後ろから抱きしめられたい。とか
頼りになる男性とかだったかしら?望みの男。」
「鬼神の国なら、女日照りが続いていて、
女が少ないし、たとえ女嫌いの男だった
としても大切にされそうだったからね。」
「複数の夫を持つことが許されてる国と
迷ったんだけど…
で、見つけた?まさか、あの若造?」
「そ、そんなルグエンさんは、困ってた私を
助けてくれただけで、ちょっと…かなり過保護
だけど、優しくて…たくましくて、
かっこよくて……。」
「うふふ…ルグエンねー。あの不器用、
唐変木男、さっきから、足輪に腕輪、
ブレスレットにメリケンサックからは
魔力込められていたから、どうしたの?」
「束縛、独占欲…。」
「……。」
「言葉の翻訳などに関しては、ほんと
ごめんなさい。うっかりしてたわ。」
「いきなりわかるようになって不思議でした。」
「いきなりじゃないわよ。そのメリケンサック
のような指輪が、翻訳機能つきよ。
あの男なら城や地域に、魔法を展開
できるはずなんだけどなあ。」
ボンっ。まばたきしたかと思うと、二通の
お手紙?をいただきました。
「ひとつは、あの若造に、これはあなたに。
うふふ。帰ったらかけ2人でいるときに開けて、
使ってみてね。」
「あ、ありがとうございます。」
「また、逢いましょうね。」
「あ、あの鬼子母神様、私、元いた場所に
もどれるんですか?」
「…戻れない。」
「……。」
「って言ったらどうするの?」
「…えっ?」
どうするんだろ。
弟や愛ちゃん、仕事場は無断欠勤…。
クビになってるよね?
「私に力をくれた貴方達には、ぜひ
子どもがいるあたたかな家庭を、つくって
欲しいのよ。」
「…私。」
「里帰りはできるわよ。望んだ時にね。
でも、今は無理ね。」
「えっ?」
「一人にはさせたくないの。」
「時間軸は調整してあげるから、
もう少し、そこで色々見つけなさい。」
「……。」
「じゃあ、またね。」
か弱い存在。
一方、鬼神族は長くて2500年。
ほとんどの者は1800から2000年
生きたらいい方だった。
そのまま一緒になると寿命の差や子を成す時
死ぬ確率が高くなる。
寿命の短い者と長い者とが一緒になる時には、
後継人をたて、契約する。
寿命を分け与える契約だ。
書類にサインをし、寿命契約と婚姻の契約を
一緒にするのが一般的だった。
ルグエンは"ななお"をあらゆる事から、
守りたかった。
寿命を一緒にする事で、自分が死んだら
"ななお"も亡くなってしまうが、
残したり残されたりは、嫌だった。
ちゃんと説明しなければならない。
だが、なかなか言い出せないルグエンがいた。
帰り際に鬼子母神が七緒の耳元で何かを
話し、時折こちらをちらちらみながら
手紙を渡していた。
気にはなったが、とりあえず先に帰宅するのを
優先したルグエンだった。
七緒目線
「七緒ちゃん、いきなり狼の群れに送り込んで、
悪かったわね。びっくりしたでしょう。」
鬼子母神様の仕業だったんだ。
「あの、でもどうして…。」
「お礼に、あなたの望む男をプレゼントしたかった
んだけど、説明忘れちゃったのよねーっ…。
でっ、どれかいいのいた?」
「えっ…。」
「後ろから抱きしめられたい。とか
頼りになる男性とかだったかしら?望みの男。」
「鬼神の国なら、女日照りが続いていて、
女が少ないし、たとえ女嫌いの男だった
としても大切にされそうだったからね。」
「複数の夫を持つことが許されてる国と
迷ったんだけど…
で、見つけた?まさか、あの若造?」
「そ、そんなルグエンさんは、困ってた私を
助けてくれただけで、ちょっと…かなり過保護
だけど、優しくて…たくましくて、
かっこよくて……。」
「うふふ…ルグエンねー。あの不器用、
唐変木男、さっきから、足輪に腕輪、
ブレスレットにメリケンサックからは
魔力込められていたから、どうしたの?」
「束縛、独占欲…。」
「……。」
「言葉の翻訳などに関しては、ほんと
ごめんなさい。うっかりしてたわ。」
「いきなりわかるようになって不思議でした。」
「いきなりじゃないわよ。そのメリケンサック
のような指輪が、翻訳機能つきよ。
あの男なら城や地域に、魔法を展開
できるはずなんだけどなあ。」
ボンっ。まばたきしたかと思うと、二通の
お手紙?をいただきました。
「ひとつは、あの若造に、これはあなたに。
うふふ。帰ったらかけ2人でいるときに開けて、
使ってみてね。」
「あ、ありがとうございます。」
「また、逢いましょうね。」
「あ、あの鬼子母神様、私、元いた場所に
もどれるんですか?」
「…戻れない。」
「……。」
「って言ったらどうするの?」
「…えっ?」
どうするんだろ。
弟や愛ちゃん、仕事場は無断欠勤…。
クビになってるよね?
「私に力をくれた貴方達には、ぜひ
子どもがいるあたたかな家庭を、つくって
欲しいのよ。」
「…私。」
「里帰りはできるわよ。望んだ時にね。
でも、今は無理ね。」
「えっ?」
「一人にはさせたくないの。」
「時間軸は調整してあげるから、
もう少し、そこで色々見つけなさい。」
「……。」
「じゃあ、またね。」
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