上 下
45 / 50

45、おっチャンと甘いかおり

しおりを挟む
以前にも出てきた角質……ゴホッ。
確執ある3つの侯爵家の息子たち。
黄の副団長のミーカ・コウ・セラミド
青の副団長のケラー・チナミン・プラセラ
赤の竜騎士団、新入りの
カーク、・ヒアー・ルロン。

セラミド侯爵とプラセラ侯爵は
我が子全員に貴族階級に付けたいと思い
半ば無理矢理に実力がともわないままの
息子を強制的に押し込んできたのだった。
騎士団で戦功をあげれば新たな貴族階級を
国王に賜えれると浅はかな考えを
絞り出した結果、入団した息子を
お金の力で副団長にしたのだった。
親の意思は空振りで終わり、息子たちは
今、なんの成果もなく、問題ばかり起こしていた。
訓練サボりは常習犯で、可愛い子を
(男)見つけては言葉巧みに食べていた。
団長としても追放したかったが、貴族、
権力、お金で副団長の座に居座り
監視も込めてこのままの位置付けに
した方がいいと言う事になりそのままに
なっていた。
ヤキモキしたバカな親たちはさらに
あれこれ画策していた。
侯爵家の決定的な証拠はないものの、
魔物の活発化、挑発、他国とのいざこざも
侯爵家が起こしているという噂が
ある中での、赤の団長の行方不明さわぎ。
偶然が重なりタイミングが悪すぎたのだ。

レッドサン中腹、目的地にたどり着いたとき
あま~い香りが漂っていた。
花の香り?
「おい、そこのケラー、異変はないか
ちょっと見てこいよ。」
「はぁ?なんで違う騎士団のお前なんかに
指図されなきゃいけないんだよ。」
「おい、ミーカやめろ。」
「でもナバナ団長、あいつケラーが生意気で。」
「おいおい、2人ともやめろよ。」
「ピロロ団長、あいつが悪いんです。」
一触即発状態。
普段は別の騎士団とあって仲は悪いらしいが
ここまで態度に表したことはなかった。
俺とカーク、そしてジャーさんは
そっと目を合わせた。
その瞬間、頭がクラクラした。
筋肉質のカーク、魚人族独特のキラキラした
ウロコを持つ手がとても魅力的に見えたのだ。
「2人ともすっごくキレイだ。」
「ナオキ、君の方がキレイだよ。」
「そうだな、キレイで可愛いし、
触れてもいいかな?」
「えっ?でも、恥ずかしい。」
頭の中では何を言ってるんだ、と
思いながらも、早く触って欲しいという
気持ちが入り乱れていた。
「可愛い。抱きしめたい。」
そう言いながらカークは、ナオキを抱きしめ、
抱き合っている2人をまとめて抱きしめた
ジャーさん。
俺は2人の間でサンドイッチの具に
なっている感じだ。
あぁ、なんて暖かいんだろう。
このままでもいいかな?って思い始めた時、
ぺろん。
さわさわ。
「んんッ。」
さわさわ。
チュッ。
「ふぁっ。」
間違いない、俺のおしりやぺったんこ胸。
男だから当たり前の膨らみのない胸を
触られ、ほっぺや耳を舐めたり、
チュッをされてしまった。
おかしい。
これは、明らかにおかしい。

がぶがぶ。
「いだっ。」
いつの間にか起きたギンクロが俺の指を
ガジガジ噛んでいた。
魔力玉、食事の時間にはまだ早いぞ。
それよりも、この2人をとめなきゃ。
「カーク、ジャーさんやめてください。」
「ナオキ、もっとぉー。」
「ダメです。」
「ナオキィ。」
「変ですよ、皆どしたんですか?」
ガプッ。
「ギンクロも痛っ、痛いつぅーに。もう、
仕方ないなあ。」
俺は魔力玉を作りギンクロに上げようとした。
玉を指で弾くように与えていると、
5つのうちの2つがカークとジャーさんに
吸い込まれてしまった。
あっ、と思った時には遅かった。
「んんっ。」
「あぁ~。」
2人のなぜか、あやしい喘ぎ……ゴホッ。
あやしい野太い声とともに、正気に
戻ったようだった。
五つとも、貰えると思っていたギンクロは
正気に戻った2人ではなく、騒いでる
元凶の侯爵の息子、つまり副団長の
ミーカとケラーをそれぞれカプカプしていた。

「ギンクロ、ダメ。かんじゃダメ。
ペッしなさい。ぺっ。お腹こわすよ。」
「「「「……。」」」」
噛まれた2人は何か言いたげに俺を
見ていた事に気づかなかった。
やっとの事でギンクロを2人から離し
一旦は落ち着きを取り戻した。
正気に戻った?
試しに魔力玉を作りナバナ団長とミーカさん、
ピロロ団長とケラーさんに、魔力玉を
ぶつけてみた。
ギンクロは不服そうにしていたので、
一番大きな魔力玉をあげたら、尻尾を
パタパタしていた。
「ギンクロ、もうくすぐったいよ、もう
食べ過ぎやしもう、だーめ。また後でな。
可愛いっからって、甘やかさないからな。」
ナオキ以外の皆は思った。
"ナオキ、君をベタベタに甘やかしたいよ"と。
正気を取り戻した"ハロルド捜索隊"は
甘い香りを出す魔物、Dランクの魔物だが
Cランクにもなる、ロモンフェという
魔物の大量発生に驚いていた。
普段なら数匹のスライムに似たオスが
1匹の茶色の石のようなメスに求愛行動を
とるんだが、それが一斉に何十匹も集まり
甘いフェロモンの香りをただよわせて
いたのだった。
他の生態系もそわそわしている、
みんなの飛竜もお相手探しがしたいのか
そわそわしていた時だった。

グワァー。
ガァぁぁー。

空が急に暗くなったのだった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている 酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚

処理中です...